本日、67歳の誕生日を迎える。人生100年の時代、山登りに喩えれば、67歳は7合目あたりになる。65歳を過ぎてからは、気力も体力も少しずつ衰えはじめている。亡くなった珍田武蔵(ちんだ・たけぞう)伯父さんのように、この先は「仙人の境地」に向かっていくのだろうと思う。
20日から昨日まで、引っ越し作業が続いていた。ようやく落ち着いて、段ボールが片付き始めている。千葉の旧宅から高砂の新居に、2階書庫から10箱分だけ本を移動した。
重たくてかさばる研究書の整理がたいへんだった。とりわけ洋書はサイズも大きくて重たい。40年間かかって集めた洋書の三分の二は、いずれ処分するつもりでいるが、当面は旧宅の二階の床に積んだままになる。
土地の探索からはじめて二世帯住宅が完成するまで、約1年半。今回の引っ越しで、わたしたち夫婦は、40年ぶりに千葉県民から東京都民に戻ることになる。
結婚してからは、千葉県市川市に6年間住んだ。そのあと、三人の子供を育てるために、広い家が必要になったので、さらに奥地の印旛郡白井町に移住した。そのときのかみさんの切実な願いは、忘れもしない、「都民で死にたい!」だった。
67歳の誕生日の目前に、40年来のかみさんとの約束を果たすことができた。「あれは柴又、、、、」ではじまる葛飾音頭を、来年の夏からは再び聞くことができる。わたしにとっては初耳になるのだが。
最寄り駅になる京成高砂駅は、都営地下鉄浅草線に乗り入れている。日本橋までは直通電車で20分。上野までもやはり直通で20分。都民になった後は、これまで一時間以上かかっていた法政大学までの通勤時間が、半分の約35分になる。電車の到着間隔も、これまでとちがって5分おきだ。電車を待つため、ホームでボケっとしていることもなくなる。
買い物の環境がまだよくわかっていない。クリーニング屋や飲み屋さんなども、これから場所の探索が必要になる。落ち着いたら、仲間のみなさんを、新築にご招待するつもりでいる。裏の庭が完成して、植木がライトアップできるようになってからだから、11月末以降にはなるだろう。
誕生日と引っ越しが同時にやってきた。めでたいのか、たいへんなのか、自分でもよくわからない。再来月になると、次男の家族4人が新居に移ってくる。そこから新しい生活が本格的にはじまる。いまは、ウォーミングアップの期間だ。本日は雨模様だ。