【柴又日誌】#122:メンデルの法則通りになるだろうか?交雑種の団十郎朝顔の子供たち

 埼玉県寄居町の朝顔市で、木村君が団十郎朝顔を入手してくれた。松尾さんは川崎の自宅へ、わたしは葛飾の自宅に苗を持ち帰って柿茶色の花を咲かせた。昨年は種採が首尾よくいって、3年目の今年は「純系の団十郎」の苗が育った。昨年は、千葉の旧宅から持ってきた青系の朝顔と純系の団十郎が交雑した。種を取った交雑種の苗も、今年は玄関ポーチに植えている。

 

 一系統の純系の団十郎朝顔の半分は、通常種の青色の朝顔と交雑するのを避けるため、ウッドデッキに移してある。種採り用の団十郎である。純系を維持するために、特別な育成用の鉢に、4株だけ苗床のプランターから移植した。

 玄関ポーチには、昨年秋に種採りをした、交雑種の団十郎を植えてある。子供のころ教わった「メンデルの法則」によれば、雑種二代目が育つと、半分が交雑種(4分の二)、4分の一が純系の団十郎、残りの4分の一は青系に先祖返りするはずである。そのため、玄関ポーチには、交雑種の苗を6株植えてある。

 確率的にどうなるかはわからないが、メンデルの法則が教える2:1:1の比率が正しいとしよう。去年、玄関のプランターで開花した朝顔は、100%薄紫の「混色」だった。青色と柿茶色の混血だった。一般の青色も、団十郎の柿茶色も生まれなかった。

 

 ちなみに、昨年の夏は、朝顔の葉っぱに、芋虫のような幼虫が住みついた。大きな芋虫が朝顔の葉っぱを食べ始めたとき、アズちゃんは「きれいな蝶ちょ?」と期待していたらしい。孫たちもその瞬間を待っていたが、結果は、多量のふんと一緒に大きな蛾が巣立っていった。残念。。。

 今年も、芋虫の大量発生はあるのだろうか?たまたま昨年の蛾の幼虫は、気候変動の影響を受けた結果だったのだろうか? メンデルの法則にしたがえば、それでも半分の朝顔は、芋虫が好む「混血の団十郎」になるはずだ。

 2年間の育苗経験からわかったことがある。純系の団十郎は、育てるのが難しい。青系に比べて、成長が遅くて、9月末にならにいと立派な柿茶色の花が咲かない。青い朝顔がおわったころから、ようやく柿茶色の大輪が開き始めた。

 

 それにしても、今年は苗の発芽とその後の生育が順調に進行している。地温がやや低めの連休明けに、早めに播種できたからだろう。たかが朝顔なのだが、品種によって好みの気温や場所が異なることがわかってきた。朝顔の観察でも、経験則は大切だ。ネットの画像や育て方の情報には、細かなことは書かれていない。

 自らが育てながら、学んでいくしかない。園芸は奥が深い。夏から秋にかけて、順調に団十郎朝顔が育ってくれるのを、祈る気持ちでいる。インスタグラムに、団十郎の苗の写真を投稿したら、多くのフォロワーから、「団十郎(の開花が)楽しみです」「待ち遠しいです」とコメントが付いている。

 あずちゃんや穂高くん、夏穂ちんなど、朝顔を観察している家族の期待だけでない。この2年間で、団十郎の柿茶色に魅せられたフォロワーの皆さんの間でも、団十郎人気がが高まっている。第3世代の団十郎のお孫たちは、その期待に応えることができるだろうか?