年3回の恒例行事。商業誌のまとめ読みを敢行した。週刊誌と月刊誌を4誌購読している。というか、商業誌の2誌は、寄稿することがあるので送られてくるものだ。おもしろいもので、週刊誌が何冊も山積みになることはないが、月刊誌の方はつい貯め込んでしまう。本日は、9冊のストックをスイープすることになった。
月2回刊行されている『ダイヤモンド・チェーンストア』(2023年3月15日号~6月1日号)の5冊。隔月で届く『ダイヤモンド・ホームセンター』(2022年10月15日号~2023年4月15日号)。
「ホームセンター誌」の方は、10月15日号と4月15日号に、わたしたちが翻訳したジム・イングリス著『史上最強のホームセンター』(ダイヤモンド社)の広告が掲載されている。4月15日号に、わたしのインタビュー記事が載っていた。特集号の「5兆円市場を創り出すイノベーション」の5人の業界オーソリティのひとりとして、小川が登場している。
その他の記事は、あまり中身を読まないまま本日に至っていた。本日、読了。
「チェーンストア誌」のほうは、発行が隔週(1日と15日)なので、いつもキャッチアップに苦労する。届いてからすぐに読まないと、机の上を占拠してしまうからだ。内容的には、食品スーパーの店舗紹介記事が、全体の3分の1を占めている。ここは実務家でないわたしはほぼスルーしてしまう。新商品の広告記事が5分の1ほどで、これもほぼ見るだけのページになる。
コンテンツとして内容をきちんと読み込んでいるのは、各号の特集記事に限られている。それを除くと、常任ライターとして寄稿している鈴木敏仁さん(米国)と太田美和子さん(欧州)の文章を比較的時間をかけて読んでいる。
おもしろかったのは、少し前の号になるが、『ダイヤモンド・チェーンストア』「一冊丸ごと、今、行くべき店」(3月15日号)。ここで紹介されている店には行ってみたくなる。『ダイヤモンド・ホームセンター』の特集(4月15日号)では、他の4人のオーソリティたちの意見を自分と比較してみた。実務家の視点はそれなり貴重である。
ダイヤモンド・リテイルメディアは、「流通相関図」「今行くべき店」「市場シェア」「公開企業の業績」など、キラーコンテントを揃えている。この辺が3年前に経営破綻した「商業界」とは根本的にちがうところだ。多少、編集にブレがあっても、安定した特集号のコンテンツで読者をつなぎ留めておくことができる。
わが友人で、両誌の前編集長・千田直哉さん(現、発行人)が、いつか「ぼそっと、わたしにつぶやいた言葉」がこれだった。キラーコンテンツの違いが、最終的な競争優位をもたらしていた。わたしが商業界の記事(著名経営者へのインタビュー)も書いていたので、それを意識して発言したのかもしれない。
因縁の「新春インタビュー記事」のことを思い出したのは、これから良品計画の松井忠三さん(元会長)と、地元のおすし屋さんで会食をすることになっているからだ。奥さんも同席してくださることになっている。内情をばらすと、松井さんは、良品計画初代社長(株式上場時)だった木内政雄さんからの紹介だった。
木内さんは、無印良品が運営していた子会社の花屋(花良品)を応援してくれていた。ところが、10数店舗まで増えていた花良品は業績が芳しくなかった。最後は、松井さんが花良品を閉じる決断を下した。
その後、わたしが松井さんと再会することになったのは、『商業界』の新春対談だった。わたしが松井さんを指名したインタビューの時間に、松井さんは大幅に遅れてしまった。その代わりに、秘書役の奥様が代理で商業界ビルの会議室に現れた。免罪でその後、松井さんが経営していたイタリアン(ミシュラン星付きのレストラン)にわたしは招待していただいた。
思い出のイタリアン@恵比寿は、いまは店を閉じている。シェフが独立してしまったかららしかった。