ほんの少額ながら、公開企業10数社の株式を保有している。ローソン株も、その15社の中に含まれている。ここ数年でセブンーイレブンをはじめとして、コンビニ上位3社が創業50周年を迎える。ローソンの書籍を刊行することになったのは、50年記念出版を兼ねている。他社についても、これまでは一度も株主総会に出席したことがない。
現役の教員時代は、忙しくてそれどころではなかったからでもある。今回は、ローソンの取材の一環として、株主総会への出席を決めた。目立っては報道されていないが、ここ一年間で、竹増社長はコンビニ改革のために新しい枠組み作りに挑戦している。
取り組みの成果が、すぐに会社の業績に反映するわけではない。接客サービスへのアバターの導入など、その記者会見のとき以来、直に竹増社長の話をうかがっていない。ハピローキャンペーンやSDGs関連で、この間にローソンは興味深い挑戦に取り組んでいる。
今回の株主総会への出席は、個人的な興味から思い立ったものである。いまのローソンの取り組みが、株主やメディア・業界関係者からどのように受けとめられているのかを知ることが、わたしの当面の目的である。コロナの時期は、人間がたくさん集まる場所に出かけるのを、皆が避けていた雰囲気があった。
ところが、昨日(5月8日)から、日本国としてコロナ明けを宣言した。企業を取り巻く場の雰囲気が、ここをターニングポイントとして大きく変化するかもしれない。本日の株式市場など、上場企業各社の値動きを見ていると、その感を強くする。
一般的な興味もあって、有楽町にある国際フォーラムまで出かけてみることにした。
ローソンの株主総会は、10時から開かれる。個人的には、当日の午前中に予約してあったヘアカット(@葛西駅)や歯科定期検診(@八丁堀駅)を午後に移す必要があった。面倒くさいスケジュール変更をしてまで、今回は出席したいと思ったからだった。
「定時株主総会招集ご通知」という20頁ほどの冊子を読んで、勉強してから出席することになる。その昔(2001年~2002年)、法政大学の学部長会議に出席したときのことをふと思い出した。大学の理事会執行部は、用意周到な下準備を進めてから本番に臨んでいた。
あの頃は、経営学部長だったと同時に、内閣官房長官のような役割も担っていた。だから、理事会執行部の様子を注意深く見ていたものだった。
大きな企業の株主総会は、それなりに準備が大変なのだろうと思う。公開・非公開企業の両方に、監査役を務めている友人が数人いる。総会前となると、メールでのやり取りでも、忙しくてストレスフルな様子が伝わってくる。わたしのような少額株主は、議決権はあるが、そんな面倒なことは煩わされないで済んでいる。
「株主総会を傍から見ることが楽しみだ」というのは、役員メンバーには失礼な言い方になるかもしれない。とはいえ、わたしにとっては全く新しい体験ではある。株主総会に臨席したことが、ビジネス本を書く上では何らかのヒントになるだろう。
5月24日が、いまから待ち遠しい気持ちでいる。