【ローソン本】取材記録#1:まちかど厨房の開発責任者、鷲頭裕子さんのインタビュー

 『ローソン、挑戦と革新(仮)』(以降、「ローソン本」)の企画がリスタートして、第2弾。午前10時からのインタビューは、「まちかど厨房」の開発責任者、鷲頭裕子(わしず ひろこ)さんでした。山口県の地方コンビニ「タコール」がダイエーに買収された後、ローソン本部に移籍した女性部長さん。マチカフェやまちかど厨房の開発責任者です。

 

 現在は、商品本部・商品サポート部の部長さん。ローソン歴25年。

 事前に鷲頭さんに渡していた質問項目は、次のようなものでした。

 

1 山口(地方のコンビニ)からローソン本社へ。
 この20年で、ローソンの社風はどのように変わったと感じますか?

 わたしの印象では、個性の尊重と挑戦の精神が特徴のように思います。

2 ローソンのFF(ファーストフード)の特徴

 Machiカフェやまちかど厨房など、「手作り感」にあるように思います。

 一方で、オぺレーションの難しさやコスト増などをどのように克服していますか?

3 まちかど厨房をはじめたきっかけは?

 プロジェクトに対する社内の空気は、どのような感じでしたか?

4 グリーンローソンについて。

 GLの運営の重要な部分として、店内調理があると思います。 

 FF部門の責任者として、グリーンローソンの実験をどのように見ていますか?

5 今後のキャリアについて

 ローソンでのご自身のキャリアを振り返って、この先にやりたいことはありますか?

6 その他

 

 およそ1時間半のインタビューは、テープを起こして「インタビュー記録」が作成されることになっています。とりあえずは、本日、わたしが印象に残った話を簡単に紹介したいと思います。

 

 インタビューを通して、最も印象に残ったのは、#2に対する答えでした。

 まちかど厨房にしても、マチカフェにしても、導入期から日々、「商品とオペレーションが進化していく」という視点がおもしろかったです。「手作り感を出すために人手がかかるので、コストアップにならないですか?」という質問に対する答えがとても納得できるものでした。

 マチカフェの提供については、「2つの味」があるという返答がユニークです。つまり、コンビニにおいても、コーヒーの提供は、①コーヒーの味と②接客の味があって、ふたつの味でサービスは成り立っている。他のコンビニでは、効率のみ重視されるので、味は一つしかないということになります。

 

 なお、ご本人はそのように答えてはいませんでしたが、わたしの勝手な解釈では、以下のようになります。

 ローソンのFFのサービスは、「商品」と「接客」のふたつの差別化要素(味)を持っている。他チェーンとの大きな違いは、サービス面で差別化ができることです。他店のコーヒーサービスでは、商品そのもので差別するしかない。加盟店の店主さん(店員さん)にしてみれば、商品のスペックとマシンは本部が決めてしまうので、店舗ではマニュアル通りでの対応しかできないからです。

 ところが、ローソンのマチカフェでは、店員さんの中から選ばれた「ファンタジスタ」(スタバのバリスタに対応)がいるので、サービスでの進化(改善)が店舗主導で起こることなります。サービスが本部主導で起こるのではなく(上意下達)、店舗起点になりうるのです。ローソンの本部も、それを推奨しています。

 サービスと商品の進化(改良)のために、まるでワインソムリエの世界大会のように、ファンタジスが技術を競う全国大会が実施されていました。同様に、まちかど厨房(FFを店内調理する)でも、おにぎりやサンドイッチをキッチンで製造するので、商品の品質とサービスを店内で改善できるメリットがあります。ここでも、「厨房のファンタジスタ」が商品そのものや製造プロセスを改善する起点にすることができるのでした。

 

 *本日は、かみさんの誕生日なので、仕事はタイムアップです。

  このあとは、明日までお待ちください。