少し前のことになります。伊豆急の電車に乗っている大久保あかね先生から、メッセージが届きました。あかね先生とは、石原慎太郎の最後の書籍(『「私」という男の生涯』幻冬舎、2022年)のことで、前日にLINEでやりとりしていました。先生はそのとき、大学のお仕事で講演に呼ばれていたらしく、下田から帰る電車に乗っていらしたようです。
東伊豆の海岸線の風景写真と一緒に、ちょっと気になるメッセージでした。大久保先生には、一昨年まで、法政大学(経営大学院)で客員教授と講師をしていただいていました。いまは、静岡県立大学で観光学の教授をされています。
10年ほど前のことです。静岡駅前に、その当時は法政大学のサテライトキャンパスがありました。同僚の高田朝子さんの推薦で、あかね先生に静岡キャンパスで講演をお願いしました。講演が終わった後の宴席で、あかね先生がわたしのことを「坊ちゃん力が高い!」と突然に言い出しました。
初対面の人に、自身の坊ちゃん力を指摘されたわたしは、ちょっと面食らいました。坊ちゃん力は、あかね先生の造語だと思います。でも、わたしがそんなふうに見えるんだ!と感激をしつつも、なんとなくうれしくは思ったことを覚えています。
電車からのLINEでのやりとりで、そのことを再度尋ねたところ、、、
「感覚的にはわかるけれど、あかね先生、坊ちゃん力の定義は?」という質問です。
慎太郎の著作からはじめて知ったのですが、石原慎太郎も本屋につけができた坊ちゃんだったのです。実は、わたしも、生まれ故郷の能代市に2軒あった本屋につけがききました。しかし、同じボンでも、わたしと慎太郎とはちょっと違っていそうだと思ったらです。お答えは、こんなでした。
「坊ちゃん力とは、、、第一は素直さだと思います。あと愛嬌力ではないでしょうか」。
愛嬌力も、新しい造語でした。そこで、この話を、同じタイミングでやり取りしていた花畑裕香さん(元ゼミ生、経営大学院の特任講師)にしたところ、「わんすけの坊ちゃん力とは?」との質問に、こんな答えが戻ってきました。
「(小川先生は)誰にも平等、分け隔てない愛。穏やか、それに、イジワルしない」。
そんな風にわたしは見えるんだ!と、驚きました。たしかに、そうかもしれません。
きっと、坊ちゃん力とは、育ちの良さなのでしょうが。それ以上に、その後の生き方や人生経験が、わたしの「おぼっちゃま的な性格」を形成したようです。皆さんは、どう思われますか?
それが、わたしの欠点でもあります。周囲に対して、少しぬるいところがあるように感じます。坊ちゃんとしての自己評価でした。