原稿はほぼ完成している。残る作業は、親族に関して、実名を仮名に一括変換することだ。オリジナル原稿では、子供や孫たちの所在(名前、職場・学校、住居)を明らかにしている。家族からは、所属などをぼかすように言われている。もう一つは、横書きから縦書きへして、葛飾区の指定フォーマットに合わせることだ。
これまでは、仕事のドラフトは、ほぼ横書きで作業をしてきた。横書きを縦書きに直すと、思った以上に「見た目」が変わってしまう。物語なので、まるで雰囲気の異なる噺になる。そのため、文章そのものを書き換える必要が生まれている。アラビア数字で表記している年号やデータなどで、漢数字のほうがふさわしい場面も出てくる。
そんなわけで、先週からは、仕事仲間の林麻矢さんに、文章を整えてもらっている。これまでは、科学的な厳密さを重視して、文中のデータなどは、厳密に記述するようにしてきた。ところが、今回に関していえば、「葛飾の話以外」は、読者(審査員)にとっては「その他項目」で読み進むときに興味の対象から外れる。厳密な名前や所属などは、数値の羅列だから読書には邪魔くさくになる。
麻矢さんは、これを「遠近法」と呼んでいた。「遠景」の詳細な記述は、ばっさりとカットされている。それとは対照的に、「近景」は、わたしや相手の人物を含めて、心理描写などを入念に仕上げることが求められる。
ここで、絵画(静止画)ではなく、映画的な描写(動画)を手法としてが学んでいる。今回の作品は、私小説でもあるからだ。だれかが「ファミリーヒストリー」と呼んでくれたいた。そうそう、札幌の國井さんだ。今回の取り組みで、「妄想」「回想」などを文章化する経験ができた。
仮のタイトルは、『かつしか綺譚:小石川先生の柴又日誌』、文:わんすけ(小石川一輔)。
本日は、これから、秋田県能代高校の同窓会で、講演を依頼されている。場所は、私学会館「アルカディア市ヶ谷」。およそ二ヶ月ぶりで、元の職場近くまで行く。
テーマは、「食の未来」。講演時間は30分なのだが、内容がてんこ盛りだ。明らかに時間が足りない。