【柴又日誌】#74:団十郎朝顔、ふたたび ~ タネを撒き、苗を定植して、開花を待つ。

 神田小川町のオフィスわんの入口に、団十郎朝顔の苗を植えてきた。朝顔のプランターの隣には、色合いも美しいモミジの鉢が置かれている。日比谷花壇から、事務所開設のお祝いにいただいた紅葉の低木である。朝顔のほうは、昨年、木村芳夫くんから分けてもらった苗が開花して、秋に種取りをした一部である。

 

 高砂の自宅で、玄関脇のプランターに30~40粒ほどのタネを撒いて、そのうちの約半分が発芽した。さらに半分を間引いて、10本ほど元気な団十郎朝顔の苗が残った。その中から3本を持って、BARブリッツの玄関脇に植えた。朝顔の隣には、ビンカ(日日草)とモミジの鉢を一緒に植えこんだ。

 昨年の夏に、埼玉県寄居町の鮎の宿「京亭」に泊って鮎を食べるため、仲良しの元ゼミ生たちと秩父小旅行を企画した。そのとき、荒川沿いにあるセブン-イレブン前の駐車場で、団十郎朝顔のデモンストレーションと苗の販売が行われていた(そうだ)。旅行案内人の木村芳夫くん(寄居町在住、元コーブデリ農産部長)から聞いた話である。

 

 木村君がセブンの駐車場で入手した苗を、小旅行に同行した松尾(英理子)さんと小川が分けてもらった。木村、松尾、小川で、団十郎の苗を育てたのだが、途中からは、朝顔の開花自慢になった。各家の土壌と日当たり、水やりの仕方がちがっていたからだろうと思われる。同じ日に購入した兄弟の苗なのだが、それぞれ特徴のある団十郎が開花した。

 共通しているのは、いずれもシックで素敵な柿茶色で、中輪の朝顔だった。LINEやインスタでも紹介したので、覚えている読者もいらっしゃるかもしれない。ひさびさに、植物の開花話で約1か月を楽しんだ。

 3人全員が晩秋に種取りをして、今年の春を待った。グループLINEで写真を交換したら、ほぼ同じくらい数の種子を持ち越していた。そして、4月末からの5月の連休がやってきた。

 

 朝顔の種まきは初めてなので、木村君に「いつタネを撒いたらよろしい?」と質問を投げてみた。ちなみに、わが家(千葉の旧宅)の朝顔は野放し状態だった。だから、種取りなどはしたことがなかった。春の遅くになると勝手に発芽して、夏になると適当にフェンスやバラのアーチに絡まって、バラの隣で青色の花を咲かせていた。

 わが質問に対する木村君の回答は、「土の温度が20℃を超えるようになったら、タネを撒くタイミングらしいです」だった。実際には、5月連休明けから6月一杯が種まきのタイミングらしかった。ウイキペディアなどを見ると、「種の撒き時は、気温が20℃を超えたあたりから」とあった。木村君の説明とは、気温と土の温度が違っていた。

 それだからだろう。木村君自身は、連休に入るとすぐに播種していた。LINEに発芽した朝顔の苗をアップしてくれていた。わたしはとええば、連休中は忙しかったこともあったが、土壌の温度が20℃を超すのは、どう考えても6月中旬以降だろうと考えた。

 結果として、木村君よりは2週間遅くに、黒い「柿の種」のような粒を播種をした。感覚的な、直観である。白井市の旧宅の庭から持ち出してきた青色の朝顔のタネも、一緒に玄関のプランターに撒いた。

 

 順調に約半分が発芽したことは、先ほど述べた通りである。発芽率は、わが家の半分だったが、木村君も適当な数の苗を確保できていた。ところが、松尾さんの団十郎だけが、なぜか発芽しなかった。

 「先生、芽が出ないんです、、、」とがっかりして泣きそうなメールが、グループLINEに送られてきた。その後の様子を聞いていない。おそらくは、松尾さんの団十郎は発芽せずに、全滅したのだろうと思っている。木村君の朝顔と、小川の朝顔が、これから先は共演になるのか?それともは競演になるのか?それはわからない。

 わが家の玄関ポーチのプランターでは、すでに朝顔のつるが伸びきってしまっている。隣の苗と絡まって、危険な状態になっている。息子の真継君が、朝顔用のネットを玄関ポーチに張る担当者である。仕事が忙しいのか、いつもより準備が滞っている。仕事が早い彼にしては、ちょっと珍しい。

 

 自宅の団十郎は、昨夏にすでに開花の様子を見ている。より楽しみなのは、神田小川町のBARブリッツのフロントに植えた団十郎の苗である。高砂のわが家は、北向きの玄関である。日当たりはそれほどよろしいわけではない。それでも、ゴーヤも実をつけるくらいの光量はある。毎年、青色の朝顔もふつうに開花している。

 BARブリッツの森田ママと、ビルオーナーの藤塚さんによると、「玄関のウッドデッキ付近に日光が当たるのは、朝方だけで午前中の1~2時間くらいかなあ」とのこと。日陰でも育つ紅葉の成長に問題はないとしても、朝顔の開花には、光量が足りないかもしれない。

 下町の路地裏では、トロ箱で朝顔が栽培されている。だから、2時間程度の日光の照射でも、朝顔は立派に開花するかもしれない。そちらに期待してみたいと思う。いずれにしても、団十郎朝顔の開花は、通常の朝顔よりも遅い傾向がある。そして、晩秋近くまで開花が続いていた。

 

 この話を今朝方、去年の団十郎朝顔の写真入りで、友人たちにlineで送信してみた。

 「先生、朝顔が開花したら、オフィスに伺いたいです!」という返信を数人の方からいただいている。「朝顔が咲く前に、まずはモミジの枝ぶりを見に行きますね」というアルコールを期待する組もいた。

 さて、これから数か月、「団十郎朝顔日記」が始まることになりそうだ。開花宣言は、いつになるだろうか?