7月25日に実施される「プロジェクト中間発表会」(第一回)のアブストラクトを採点しました。率直な感想を本ブログに記します。成績表なので個人は特定できないように書きますが、指摘された点に身に覚えがある方は、秋に予定されている第二回発表会の参考にしてください。基本的なところができていないアブストラクトも散見しました。
自信をもって発言しますが、わたしは採点が「甘い方」の教員だと思います。厳しい先生は、「C」とか「Bー」とかを平気でつけます。小川先生の絶対スコアは、きわめて寛容です。「B」や「C」はありません。せいぜいが「B+」までです。大甘の「S」もふたりほどいます。これは、将来に対する期待を反映したものです。
Aグループ(A1とA2)のアブストラクト担当ですので、以下の分布表には、Bグループ(B1とB2)の成績は反映されておりません。小川先生担当(Aグループ)の成績分布をお知らせします。なお、当日のプレゼン結果がこれに加算されます。実際は、そこで修正がなされます。
<アブストラクトの成績分布>(小川のみ採点簿)
グループA(計30名)
S:2人、A+:13人、A:6人、A-:6人、B+:3人
<コメント、感想>
1.総評
・まったく訳がわからないアブストラクトはありませんでした。
・例年は、「この人、本当に卒業させて大丈夫だろうか?」と思う方が数人いらっしゃいます。
結局は卒業させてしまいますが、、、、
・今年は、そのような外れ値(アウトライアー)はいらっしゃいませんでした。
→ したがって、わたしの予想ですと、この先に卒業が困難になる方はいないと予想します。
2 評価点について
・次のような学生には、厳しめの評価(スコア)がついています。
①アブストラクトの形式が整っていないケース
・目的や背景、仮説が明確ではない場合(全員が形式は整っていました)
・指定された枚数に収まっていない場合(3枚以上が2人)
・逆に、どう見ても枚数が不足していて、手抜きが疑われるケース(1枚が2人、1.5枚が3人)
・きちんと構成ができていない場合(数人、ただし、主観的な判断なので)
②文章の書き方に問題がある
・社会人なのに、文章を書く訓練が決定的に不足している
具体的には、「ベタ打ち」、つまり1頁の半分くらいまで改行が全くがなされていないなど。
→ ロジックが追えないので、まったくもって読みにくい文章になる
(採点上かなり不利な扱いを受ける)。
→ 段落がなく、コンテンツのパーツ(部品)が整理整頓できていない
③説得的に文章を構成しようとする意識が希薄
・この場合はほとんどが、
自分の「テーマ」がぼんやりしているケース、あるいは、
自分がやろうとしていることの新しさ(革新性)を突き詰めて考えていない。
3 結語
以上のようなアブストラクトを読むのは、教師としてもつらいものがあります。
わたしたち教師は、多少文章が長くても、テーマや論理展開、素材に鮮度と驚き(革新性)があれば、長時間の我慢にも耐えらえるものです。しかし、単位を取るためにプロジェクトに取り組んでいるということがわかると、アブストラクトを流して読んでしまいます。結果的に、スコアが厳しめになります。
教師も人間ですので、時間を無駄にしたくはありません。ん~、残念となります。25日のプレゼンでは、そのようなことがないように祈ります。わたしのように、人生が残り少なくなっている年齢の教員も多いのです。時間は大切に使いましょう。