日本実業出版社の校正作業に感銘:誤植無し!

 先週のブログで報告したように、2年前に刊行した拙著(2019)『「値付け」の思考法』(日本実業出版社)の増刷が決まった。1500部を増刷するに際して、初版の校正ミスを再チェックしてみた。誤植を自分で見つけるのは至難の業である。ていねいに再読してみたが、発見できた誤植は一か所だけ。ブログの表題はそのときの驚きの感想である。

 

 わたしとしてはめずらしく、3時間かけて全287頁をチェックしてみた。誤植と言えるものは、P.117のわずか一か所。おそらく読者は、どなたもこの誤植には気が付かなかったと思われる。「思考」→「志向」(しこう)の変換ミスである。まあ、どちらでも意味は取れる。

 これまで、翻訳を含めて50冊近い著書(半分は共著と翻訳)を出版してきた。重版(増刷)の際に誤植を発見する箇所は、平均5~10か所。出版社の名誉と面子もあるので、どの本とは公表できないが。しかし、誤植が15か所以上見つかった本もある。自分のケアレスミスだから、編集者や共著者を指弾できない。

 その点、最終校正を実質的に、日本実業出版社の角田さん(編集担当)にお任せしたことがよかったのだと思う。二年前の著書は、実質的には、「誤植ゼロ」である。編集のクオリティが素晴らしいと思う。もちろん、今度の本に関しては、角田さんから初校の編集の提案までいただいていた。

 著者冥利に尽きる待遇だった。大いなる感謝である。

 

 複数の人間が文章の校正作業をすると、必ずやチェックミスが起こる。どう考えても、その場合は共犯である。いま小野・小川編『サービスエクセレンス』(生産性出版)の最終ゲラをチェックしている。経験的に、最終校正作業では気が緩んでしまう。

 今回は、400ぺージを超えてた大著になってしまった分、確率的に誤植が生まれる可能性が高い。関与している著者も三人(+原稿チェック者計6人)で、編集過程で多くの修正の手が入っている。かなり心配ではある。

 「日本実業出版社方式」が最適だと思うが、ちょっとタイミングを逃してしまったかもしれない。