「MPSの普及状況とこれから」『日本農業新聞』連載コラム

 『日本農業新聞』に「MPSの現状と将来」について、3日連続でコラムを寄稿することになった。来週早々の予定である。


詳しくは、本HPの「Research&Reports」(4月6日)をごらんいただきたい。各回のテーマを紹介しておきたい。
 第一回「MPS導入の背景と普及目的」 MPS認証マークのついた花の市場出荷が、先月26日からはじまり、MPS参加農家のうち、元旦から農薬・化学肥料・エネルギーなどの使用に関するデータを記録してきた生産者が、市場出荷用のパッケージに「MPS参加者マーク」(+「国産マーク」)を表示できるようになったこと。
 第二回「MPS-ABCへの参加状況」 先月末の段階で、MPS-ABCへの参加者数は、先進的な切花生産者を中心に全国34農家に拡大している(4月2日現在)。品目としては、バラ、キク、カーネーション、トルコキキョウ、ユリ、その他(カラー)など、とくに偏りのないバランスの良い構成となっていること。
 第三回「MPSのプロモーション計画: テストマーケティング、フリーペーパー」 オランダ本国では、「BtoB取引」(業者間取引)に限定したマーケティング手段としてMPSのマークを活用してきた。しかし、MPSジャパンでは、オランダ流のマーケティングのやり方に変更を求め、MPSの認証マークを花の販売促進手段として用いようという提案をしている(BtoC取引への適用)。5月以降で市場に出荷される「MPS参加者マーク」のついた花(鉢物だけでなく切花も!)について、首都圏の複数小売チェーンでテストマーケティングを実施することを計画している。

 <重要な追記事項>
 JFMAに加盟している大手花専門店チェーン(フロレアル、青山フラワーマーケット、花良品、小田急ランドフローラなどを予定)の店頭で、MPSのポスターを掲示し、販売促進の対象となる花束にMPSのロゴマークやタグを付ける予定である。MPSが環境に配慮して栽培された花であることを消費者に訴えるためである。また、テストマーケティングの活動を通して、MPS生産者と流通業者が共同で花のプロモーションに取り組んでいることを、メディアを通して一般の人たちにアピールするためである。
 5月24日に、JFMAは花のプロモーションのための「フリーペーパー」の第一号を発行する。この企画は、ライフスタイル雑誌「PLANTED」(毎日新聞社)と共同で実施されるものである。5万部のフリーパーパーがPLANTEDに綴じ込まれて、全国の書店やコンビニにお目見えする。しかも、第一号の紙面のほぼすべてが、MPSの特集に充てられる。
 なお、オランダにおけるMPSの普及は、合併を表明している二つの市場(アルスメールとフローラホランド)が促進したという歴史がある。日本においても、MPSの速やかな普及には市場のバックアップが必須である。JFMAでは、昨年来「MPSプロモーションプロジェクト」(座長:福井博一岐阜大学教授)を設けているが、そこには首都圏の有力市場(大田花き、FAJ、世田谷市場、東日本板橋市場)の代表者がメンバーとして参加している。おかげさまで、農水省花き対策室からの支援も含めて、いまのところは花業界全体でMPSの普及活動が展開されている。