理事会が開けず、JFMAの皆さんとも直接お会いできないでいます。そこで事務局と相談の上、JFMAのニュース臨時増刊号を発行することにしました。うれしいことに、花業界はこんな厳しい中でも前進しようと動いています。いま業界で起こっていることをご報告します。
新型コロナウイルスの感染拡大により、世界経済が未曽有の危機に見舞われています。3月からはじまる「卒業式」から5月の「母の日」へと続く花業界の最需要期を、どうにも身動きがとれない状態で、わたしたちは迎えざるを 得なくなっています。
厳しい状況の中で、前回(2020年4月号)の巻頭言では、JFMA の皆さんに3つの質問に答えていただくようお願い しました。①いまの業界の変化をどのように感じているのか、②激しい変化に対応して取り組んでいること、③正 副会長に対して質問があればメールをくださいでした。
会員の皆様の今をお伝えするため、今回はJFMAとして初めての試みになりますが、「臨時増刊号」を発行するこ とにしました。ご意見をいただいた会員の皆様の生の声を、本紙面で紹介したいと思います。同じ業界で働く人と して、今の厳しい状況をどのように捉え、どのように対応しようとしているのかを互いに確認しあうためです。
新型コロナウイルスの感染拡大は、わたしたちにふたつのことを要求しています。
第一に、緊急避難としては、と にかくビジネスを止めないことです。規模が小さい業界ですから、日々の売上の低迷が存続の危機につながりま す。頼りになるのは、ふだんからの信用と人間同士のつながりのように思います。苦しい時にこそ人間の本当の 姿が見えるものです。
第二は、新型コロナ禍がもたらした長期的なインパクトです。社会経済的には、ワクチンの開発を推進しながら、 都市閉鎖や外出自粛に見られる人の移動制限をいかにスムーズにコントロールできるかにかかっています。しかし、その先にあるのは、未曽有の危機に直面して、従来のビジネスの形を描き直し、新しい環境にどのように自ら を適応させるかです。
「ピンチはチャンス」とよく言われます。皆様の意見を集約すると、課題解決から新しいビジ ネスの芽が生まれる予感がします。変われない業界や組織は消えるだけなのかもれません。コロナ禍を乗り越え、 皆様とともに新しい可能性にチャレンジしてみたいと思います。
最後に、個人的な取り組みをふたつ紹介させていただきます。
今年から「母の日」を「母の月」にする提案を「日本花き振興協議会」(4月24日)が打ち出しました。5月1日、『読売新聞朝刊』(全面広告)に、“5月を「母の月」とす る提案”が掲載されます。その後、さまざまなプロモーション活動が企画されています。
二番目は、「はなどんやCSR企画、始動します」(松村副会長)の記事で紹介されている取り組みへの個人的な協 力です。事の発端は、コロナ感染の拡大で介護福祉施設に入居している老人が、知り合いの訪問が制限されてい る中、寂しい思いで過ごしていると知ったことです。そこで、親御さんを預けている子供さんからの要望に応えて、 施設にお花を贈ることを思いつきました。一方で、国内産地では、冠婚葬祭、歓送迎会やイベントの中止で、花が 行き場を失っています。この両者を結びつける方策を、JFMAのメンバー4人で考えました。詳細は、松村さんの ページをご覧ください。
これらは、本来ならば、理事会に諮って決定すべき活動です。しかしながら、時間が差し迫っていることもあり、 個人的に動くことになりました。どちらの取り組みも、花業界と消費者に喜ばれています。まだ先が見えない状況 にありますが、皆様と一緒に難局を乗り越えるため、JFMAを攻める組織にして行きたいと思います。皆様のご協 力に感謝します。