コロナ禍の先にある真実: データの解釈がちがうと、未来が明るくも暗くも見える

 ドリフターズの志村けんが亡くなった。若者たちの行動や生活態度に変化が見える。しかし、懸念していたように、コロナウイルスの感染は地方に拡散がはじまっている。昨日(3月30日)、小池知事の会見で明らかになったように、東京都は一般病棟からの転用で隔離病棟の確保はかろうじて可能だ。

   
 受け入れ可能(転用可能)な病床数は4000のようだ。ハードなデータに基づいているだろうから、深夜営業のキャバクラや高級クラブなど、換気が不十分で人的接触が危ない場所(3密)を閉鎖すれば、ウイルスはシャットアウトできる。
 東京都の感染者は、4週間先の予想でmax1000人。医師や病棟が対応可能なスケールだろう。ウイルスの拡散は抑え込める。
 北海道大学教授(対策委員会のリーダー)がデータ分析をした結果を見て、東京に関してはコロナは収束に向かうと予測しているのだと理解した。会見の中継中にユーチューブ画面に映しだされた3枚のプロット図(感染者の時系列推移)を見ると、6週間~8週間程度で新規感染者がピークを打つと解釈できた。
 首都圏に関していえば、先月末に発令した「休校措置」はうまく機能したといえるだろう。だから、ウイルスの拡散を封じるためにも、この先はしばらく大学だけでなく、小中学校も開校しないようにすべきだろう。学校の再開は5月中旬でよいと、わたしは、ストリーミング配信の画面を見ていた。
  
 ところがである。一夜明けて新聞やネットのニュースを見ると、わたしの解釈と世間のデータの読み方が必ずしも同じではないことがわかった。感染者の推移だけを見ると減少はしていないので、将来の見方は悲観的になる。しかし、現実には発症者とその感染経路(帰国者、都民、他県流入者)を見てから数理モデルを用いて将来を予測する。データで推論すれば、感染爆発はいまのところは起こっていない。将来はそれほど暗くは見えないはずである。
 今回は、感染者の行動を追跡して、ウイルスに感染した場所を特定できるデータがある。そこからの推測で、キャバクラや高級クラブ、深夜のカラオケを実質閉鎖できれば、半分の感染は抑え込めるだろう。コロナの場合は発症が遅れて生じる。病床が必要にある患者数は、2週間~4週間先で1000床で十分ということがわかる。
 世間はかなり騒いでいるが、都内には11万床のベッドがある。順次それを感染者用の病棟に転用していけばよい。猶予期間が2~3週間はあるだろうから、首都圏であれば、医師と看護師の数も足りそうだ。問題は、これから拡散が始まるかもしれない地方ではないだろうか?
   
 イタリアやスペインでも、大都市より地方の中都市が困難な状態にあると言われている。死者がたくさん出ているのは。医師と看護師の不足が理由だと聞いている。むしろ首都圏は大丈夫のように思う。基本的に、医療機器や設備が揃っているからだ。コロナの封じ込めはそんなに難しくはない。
 首都圏では、若者がきちんと警告を守って、渋谷とか新宿にくり出さないように指導を徹底すればよい。緊張感が漂ってきているいまならば大丈夫だろう。志村けんの一件もある。
 むしろ危ないのは、都会から地方都市に保菌者(洗剤発症者)が移動したときである。大学生が夜行バスで地方に移動している様子(新宿のバスターミナルの出発風景)を、友人が一写真で送ってきた。換気があまりよくない深夜バスの中で一晩寝たら、一瞬だろう。
 地方のJFMAの会員から、確認のために、週末や夜の行動について情報を集めてみた。具体的には、人口が30万人規模の地方中核都市、たとえば、豊橋や米沢、彦根などである。彼らは、ふつうに繁華街やファミレスで飲食をしている。
 「危ないなあ、この辺の警戒体制について脇が甘いのでは?」と指摘したら本日になって早速、山形の自動車教習所で感染者が見つかった。山形の吉村知事がそれを懸念して、東京から地方(山形)に戻ってこないようと警告していたのにである。懸念がずばり悪い方に的中してしまった。吉村知事の先回りの懇願が、完全に無駄に終わってしまった。
 
 昨夜の小池知事の会見をご覧になったかたはどう感じただろうか? 感染者のデータ推移グラフを見ると、東京都はあと4週間~6週間でウイルスの拡散は収束するようだ。ただし、みなさんが静かにしていることが前提だが。
 クラスター対策委員会の医師の発言を聞いて、パチンコ店は大喜びだろう。これほど明確に遊技場を擁護してもらえるとは、関係する業界人も驚いているだろう。では、パチンコ店がなぜ感染に関して安心なのか? これまで感染者が出たという証拠はないらしい。そのなぜが不思議に思い、「パチンコ店安全神話」の事実を確かめることにした。
 友人にメールをしてパチンコ店から、感染者が出ていない理由をたずねてみた。先ほど確認の情報がもどってきた。想像の通りだった。遊技場は換気が抜群によろしいのだった。
「 
 ちなみに、関係者から聞いたところでは、新幹線の車内の空気はわずか数分での完全に入れ替わってしまうということだ。パチンコ店も同じような環境に置かれているらしい。事実はこんな様子だった。報告者、パチンコ店や量販チェーンに監視カメラを設置する会社の社長さんである。
 「4月から店内タバコ禁止になりますが、はるか以前からタバコの煙や臭い対策で、店内の空気洗浄は進んでいます。パチンコ屋ほどエアコンの室内機洗浄を頻繁にする店舗は、他にはないと思います。ただ、パチンコ玉やメダルコインが汚染されている可能性があり、やはり危険ですよね」
 
 深夜営業のキャバクラや高級バーなどは、今夜から実質的に封鎖になるだろう。女の子ももう怖くて働きに来ないだろうから。品行方正にしていれば、コロナは退治できるはず。マスメディアは、わたしと同じデータを見ていたはずだが、時間がかかる困難さだけを強調している。 
 昨夜の小池知事の会見は、ルールを守って静かにしていれば、早晩コロナ危機は去るというポジティブなメッセージのはずだった。しかし、昨日は一日中、たくさんのチェーンメールが知り合いから送られてきた。首都閉鎖(ロックダウン)を予告するメールだった。
 結局はガセネタである。ヤフーのコメントなどをみても、早期のロックダウンを支持するコメントばかりである。結果はわからないが、そういう選択はできるだけ避けたほうがよいだろう。賢明な日本人として、リモートワークで静かに日々を送ることに努めようではないか。決して騒がず、そして悲観的にもならず。