桂文珍、独演会(4日目)@国立劇場

 国立劇場で開催される桂文珍さんの落語会には、ここ5年くらい通い詰めている。今年の独演会は、特別な意味をもっている。文珍さんの芸歴50周年記念にあたるからだ。国立劇場を20日間貸し切って、3万人を動員する予定だった。2月28日が初日で連続20回(40演目)の舞台に座る。

 

 新型コロナウイルスの拡散の影響で、スポーツイベントや音楽ライブが中止になっている。大相撲や野球のオープン戦のように、無観客で試合を実施することがほとんどだ。しかし、まさか!無聴衆での落語会は考えにくい。桂文珍さんは、意を決して連続独演会を実施することにした。

 昨日は、午後14時開演で小雨になった。かみさんと九段下駅で合流。半蔵門駅で降りた。途中からは、なんとなく国立劇場に向かう人たちがちらほら。どきどきしながら正門から劇場に入る。大ホールのキャパシティは、1300~1400席だろう。

 開演30分前。切符売り場を横目で見ながら、「40%くらいでも埋まっていれば御の字だろう」と事前に予想していた。売店でコーヒーを買ってから、大ホールの客席に入る。満席だった予約時点では、事前にどこの席になるかはわからない。今回は、わたしたちは11列の端っこだった。

 

 周りを見渡すと、ほぼ50%の入りだろうか。やはりコロナは影響が出ている。開演間際に来る客もいる。実際に、最初の文珍さんの挨拶が終わってから、滑り込んできたお客もいて6~7割がた席は埋まった。

 独演会は、定刻2時に始まった。前座さんにつづいて、今日の助演は、キャラの立った柳谷喬太郎師匠。後半は、色っぽい内海英華さん(三味線のお師匠さん)。桂文珍さんの二席を演じた。演目は、古典落語の「寝床」と創作落語の「老楽風呂」。さすがだ。観客をうならせる話しっぷりは見事だった。

 おかげさまで、こんな日に気晴らしができた。幕が下りて、帰る途中でふたつのことに気が付いた。ホールの入口ドアが、独演会の間もずっと空いていたこと。きっとコロナ対策で、換気を考えてのことだろう。国立劇場もずいぶんと気を使っている。

 二番目は、トイレの道具の管理がしっかりされていたこと。アルコールや手洗いの洗剤が二種類おいてあった。

 

 最後につけ加えてると、6割くらいしか席が埋まっていなかったので、お互いに離れて座ることができた。万歳である。

 観客のみんさんも落語家さんも、ほんとにご苦労さんでした。そうそう劇場のスタッフのみんさんも。