小顔

 学部ゼミの春合宿で、つくば山麓にきている。宿泊は、昨年と同じで、つくばグランドホテル。ローマ風呂が地下の大浴場にある、オーセンティックなホテルだ。私が泊まっている部屋は、6階の特別室。16畳の一人部屋だ。


昨日は車で筑波山の中腹まで。道中はみぞれが降っていた。ホテルに着くと、裏山の斜面がうっすらと雪で覆われていた。写真を撮ってメールで送った。戻ってきた返事が、「先生、名残の雪景色ですね」。なかなかロマンチックな表現をしてくれるものだ。
 25年前の卒業生たち数人がLineで時々近況などを知らせてくる。というか、大体は、わたしが旅行に行った時の報告などをLineに上げるので、元ゼミ生たちがその感想などを書き込んでくる。
あの頃は21歳の彼ら彼女たちが、いまは46か47歳のはず。一人が、そのことに気づいたらしく、「先生も、まだ40そこそことかだったのかしら?今の私達より、若かったのかも」

 去年もそうだった。つくばの春合宿から帰ると、東京は桜が咲き始める。雪から桜に町の景色が交代する。いつもの風景だ。
 今週末は満開の桜の下で、小名木川の川べりを桜ランをする。町走りは楽しい。

 昨夜は、『メデイアの循環』を途中まで輪読したあと、恒例の飲み会になった。わたしのために、学生たちは、プレモルとハッピーターンを忘れずに準備してくれていた。
 その日によって話すグループが違うのだが。昨日は、新三年生の女子と10時から語らいが始まった。この頃は、20歳くらいの女子の顔が識別できなくなっている。皆、髪が長くて、似たようなお化粧をしているからだろう。
その席で、話題になったのが、わたしの小顔のこと。女子たちはたいてい、最初にわたしと会った時に、「先生のお顔、小さい!」とびっくりする。そうなのだ。いつかNHKに出演した時に、ディレクターさんに「先生はテレビ向きですね」と言われたことがある。
小顔な方がテレビ写りがいいのだそうだ。

 そういえば、世の女性たちは、特にまん丸顔の女子たちは、わたしと一緒に写真に写ることをためらうことが多い。自分の顔が大きく見えるからだろう。
 昨日も一人の新人が、遠近法!という表現を使っていた。要は、わたしを近くに持ってきて、自分は少し後ろに座って写真を撮ってもらうくらいがちょうど同じサイズの顔になるというか意味らしかった。

 わたしの子供達は、普通サイズの顔の子ばかり。かみさんは、やや大きめだが、それも極端にラージサイズの面というほどのこともない。秋田のわが両親も、普通サイズだと思う。この小顔の遺伝子は、一体全体どこからきたものだろうか?
 わたしの顔は、おそらく成人の男子としてはサイズを比べると下から1%の範囲に入る異常値だろう。海外では、ドイツ人のあるグループで、わたしのような小顔を見かける。
それにしても、お相撲さんの手のひらで、わたしの顔はすっぽり包むことができるだろうなあ。小顔の効用?あまり感じたことがない。