日頃の感謝の想いを込めて、男性から女性に花を贈ろう! 日本の花業界が一丸となって、フラワーバレンタインのプロモーションを始めてから10年になる。JFMAのプロジェクトとしてはじまった運動は、「花の国日本協議会」に引き継がれて今日に至っている。
日本のバレンタインは、いまでも世界標準とちがっている。多少のバリエーションはあるものの、欧米諸国では、男性が女性に花を贈る日がバレンタインである。ところが、日本では女性が男性にチョコレートを贈る日になっていた。チョコレート業界のマーケティングの成功事例と言われて久しい。
10年前、日本でも、バレンタインを男性から女性に花を贈る日にする。その運動(フラワーバレンタイン)を始めることになった。結構な熱気と気合をいれて取り組んできた。結果はどうだろうか?
フラワーバレンタインがきっかけで、男性が花店に並ぶようになった。花を購入するきっかけを与えたことはまちがいない。毎年の調査結果をみても、20代~30代の男性の花の購入率は増加している。
個人的にも10年間、女性たちに花を贈り続けてきた。いつも知り合いの花屋さんに頼んで、大学院の研究室まで20~30束のブーケを届けてもらっている。花の団体の会長という立場もあるので、その年によって購入先を変えてきた。そんな中でも、変わらず10年間続けてお世話になってきたのが、小田急ランドフローラさんである。
ところが、昨年になって、小田急電鉄が花事業から撤退することになった。新宿の店も看板が他社ブランドに書き換えられてしまう。9年目のバレンタインが、小田急さんから花束が届く最終年になる。そう思うとやや寂しい気持ちになった。
そして、10日ほど前の先日、「連絡が遅くになりましたが、今年も研究室に花束をお届けしますか?」と担当の宮城さんから電話があった。小田急の社員だった宮城さんは、そのまま継続会社に残ったらしかった。
電話をもらって、ちょっと驚いた。「それでは、14日の午前中に研究室に届けていただけますか?お願いします」。なんだかうれしくなった。宮城さんは、とても元気そうだった。小田急が花事業を離れたので、実はどこにブーケのお届けを依頼しようかと困っていたのだった。
バレンタインの朝がやってきている。いつものように、鮮度の良い元気な花たちが研究室に届くだろう。本日は、院生たちの卒業プロジェクトの最終発表会だ。準備は万端。研究発表プログラムの合間を縫って、本日も、市ヶ谷近辺と東京下町で、花配りの行事が続けられることになる。