7月16日に開催された「オーガニック・エコ農と食のネットワーク」の設立総会および設立記念シンポジウムの様子を記録として残しておきたい。ALLJAPANで一丸となって取り組む、オーガニックエコを広げるためのネットワークが誕生した歴史的な式典だった。
この記録は、小川研究室のリサーチアシスタント、青木恭子が担当してくれている。2016年の夏の記録は、のちの世代にとっても、貴重な資料になると思う。
「ここからすべてがはじまったのだ」と語り継がれるよう。あのときの熱気と各自の発言を記録にしておく。そのことに、大きな意味があるはずだ。また、法政大学のスカイホールが満杯になったといえ、あの場には、”わずか170名”しか着席していなかった。この新しい運動をもっと広く知らしめるためのブログへのアップでもある。
基調講演1を担当した小川(代表幹事)も、あのときに話した内容を忘れないようにメモを残しておく必要を感じていた。パワーポイントの資料ではなく、語りに忠実に記録を反芻してみたい。いつまでも原点=起点を覚えておくために。
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「オーガニック・エコ農と食のネットワーク」(略称:NOAF)
設立総会・設立記念シンポジウム 記録
Ⅰ 設立総会
日時:2016年7月16日(土)14:00~14:20
会場:法政大学経営大学院301号室(東京・九段北)
司会:農林水産省生産局農業環境対策課
日時:2016年7月16日(土)14:00~14:20
会場:法政大学経営大学院301号室(東京・九段北)
司会:農林水産省生産局農業環境対策課
1.オーガニック・エコ農と食のネットワーク(NOAF)設立・役員選出
農林水産省の司会で、オーガニック・エコ農と食のネットワーク(NOAF)の設立が宣言された。続いて、代表幹事以下、役員が選出された(役員名簿は、設立記念シンポジウムの記録「役員紹介」の項参照)。
農林水産省の司会で、オーガニック・エコ農と食のネットワーク(NOAF)の設立が宣言された。続いて、代表幹事以下、役員が選出された(役員名簿は、設立記念シンポジウムの記録「役員紹介」の項参照)。
2.NOAF規約承認手続き
NOAF規約が紹介され、出席者の満場一致で承認された。
規約上、事務局は、農林水産省生産局農業環境対策課と、次代の農と食を創る会(西辻一真代表)が共同で当たる。
NOAF規約が紹介され、出席者の満場一致で承認された。
規約上、事務局は、農林水産省生産局農業環境対策課と、次代の農と食を創る会(西辻一真代表)が共同で当たる。
3.出席者
設立総会出席者は、以下の通り。
・代表幹事 小川孔輔(法政大学経営大学院教授)
・副代表幹事 福島徹(株式会社福島屋会長)
・副代表幹事 奥田政行(株式会社オール・ケッチァーノ代表取締役)
・幹事
西辻一真(株式会社マイファーム代表、次代の農と食を創る会)
小野邦彦(株式会社坂ノ途中代表、次代の農と食を創る会)
岡田利奈(フードトラストプロジェクトコーディネーター、次代の農と食を創る会)
千葉康伸(NO-RA代表)
玉造洋祐(ユニオンファーム代表)
竹川麻衣子(さいのね畑、農業女子PJメンバー)
高橋勉(NPO日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会理事長)
勝又多喜子(株式会社博報堂ビジネスプロデューサー)
新田美砂子(有限会社コートヤード代表、野菜料理研究、食と農コンサルタント)
田中慶一(フード・アクション・ニッポン推進本部事務局長)
酒井理(法政大学キャリアデザイン学部教授 経営大学院兼任講師)
・参与
佐々木陽悦(有限会社たじりエコベジタブル代表取締役)
井村辰二郎(株式会社金沢大地代表)
島田朝彰(パルシステム生活協同組合連合会商品開発本部産直部長 )
設立総会出席者は、以下の通り。
・代表幹事 小川孔輔(法政大学経営大学院教授)
・副代表幹事 福島徹(株式会社福島屋会長)
・副代表幹事 奥田政行(株式会社オール・ケッチァーノ代表取締役)
・幹事
西辻一真(株式会社マイファーム代表、次代の農と食を創る会)
小野邦彦(株式会社坂ノ途中代表、次代の農と食を創る会)
岡田利奈(フードトラストプロジェクトコーディネーター、次代の農と食を創る会)
千葉康伸(NO-RA代表)
玉造洋祐(ユニオンファーム代表)
竹川麻衣子(さいのね畑、農業女子PJメンバー)
高橋勉(NPO日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会理事長)
勝又多喜子(株式会社博報堂ビジネスプロデューサー)
新田美砂子(有限会社コートヤード代表、野菜料理研究、食と農コンサルタント)
田中慶一(フード・アクション・ニッポン推進本部事務局長)
酒井理(法政大学キャリアデザイン学部教授 経営大学院兼任講師)
・参与
佐々木陽悦(有限会社たじりエコベジタブル代表取締役)
井村辰二郎(株式会社金沢大地代表)
島田朝彰(パルシステム生活協同組合連合会商品開発本部産直部長 )
Ⅱ 設立記念シンポジウム
日時:2016年7月16日(土)15:00~17:40
会場:法政大学ボアソナードタワー26階 スカイホール(東京・市ヶ谷)
日時:2016年7月16日(土)15:00~17:40
会場:法政大学ボアソナードタワー26階 スカイホール(東京・市ヶ谷)
要 旨
要 旨
1. 来賓挨拶① (農林水産省)
農林水産大臣政務官 佐藤 秀道氏
農林水産大臣政務官 佐藤 秀道氏
農林水産大臣政務官、衆議院議員の佐藤秀道です。本日は、「オーガニック・エコ農と食のネットワーク」(NOAF)設立総会にお招きいただき、ありがとうございます。設立記念シンポジウムの開催に当たり、農林水産省を代表して、一言ご挨拶いたします。
初めに、本ネットワークの成立を心からお祝いするとともに、設立にご尽力された小川孔輔代表幹事、法政大学の増田正人理事をはじめ、関係者の皆様方に深く、深く、敬意を表したいと思います。
私は、日本の農業の目指すべき将来像は、オーガニック、エコ農業であると確信しています。持続可能で安全安心な農業への要請は、今後とも、強まることはあっても弱まることはないでしょう。私自身、こうした方向性を何とか応援したいと考え、現場で苦労されている皆さんの声を直接伺う機会を、積極的に作ってまいりました。
先日は、NOAF代表副幹事の福島徹さんが経営されているスーパーの福島屋を訪問しました。有機野菜やこだわりの加工品が並べられた店内を回り、私もコメや牛乳、納豆を購入しました。
また、一昨日は、北海道で、有機農業に取り組んでいる皆さんを訪問して参りました。石狩市の「はるきちオーガニックファーム」は、有機栽培に取り組む中、フェースブックで農作業ボランティアを募り、レストランや居酒屋へと積極的に販路開拓され、若い農業者が工夫を凝らした取り込みを行っておられます。また、安平町の「無何有の郷農園」は、自ら野菜の有機栽培を手掛けながら、「北海道有機農業協同組合」を設立され、有機農業を志す新規就農者の受け入れや品質向上の取り組みなどを進めておられました。さらに、洞爺湖の佐伯農園は、野菜の有機栽培で安定収量を確保するとともに、大手スーパーとの契約栽培により、経営を安定させておられます。
さまざまな課題があるということはお伺いしましたが、オーガニック・エコ農業の今後のさらなる発展のためには、生産者だけでなく、参加するすべての方々に、参加してよかったと思ってもらえることが非常に重要だと思います。満足感が得られることによって、若者など新たな人材が参入し、投資が投資を呼ぶという好循環が生まれると考えます。
このネットワーク(NOAF)には、生産者、消費者、実需者、若者と、たいへん幅広い方々が、会の趣旨に賛同し、参画されていると伺っています。さまざまな方々とのつながりが広がり、つながることによって、多様なビジネス展開のアイディアが生まれ、それが実行される場所として、このネットワークは誠に時宜を得たものと思います。
オリンピック、パラリンピック東京大会は、4年後に迫っております。東京大会を梃に、オーガニック、エコ農業関係の市場が大きく拡大し、我が国のライフスタイルまでも大きく変わっていくこと、そして、このような動きに、このネットワークが大きな役割を果たされることを祈念しております。本日のシンポジウムが、歴史的に記念すべきものとなるよう、また、ご出席の皆様方のご健勝を願いつつ、私の挨拶とさせていただきます。本日は、誠におめでとうございました。
初めに、本ネットワークの成立を心からお祝いするとともに、設立にご尽力された小川孔輔代表幹事、法政大学の増田正人理事をはじめ、関係者の皆様方に深く、深く、敬意を表したいと思います。
私は、日本の農業の目指すべき将来像は、オーガニック、エコ農業であると確信しています。持続可能で安全安心な農業への要請は、今後とも、強まることはあっても弱まることはないでしょう。私自身、こうした方向性を何とか応援したいと考え、現場で苦労されている皆さんの声を直接伺う機会を、積極的に作ってまいりました。
先日は、NOAF代表副幹事の福島徹さんが経営されているスーパーの福島屋を訪問しました。有機野菜やこだわりの加工品が並べられた店内を回り、私もコメや牛乳、納豆を購入しました。
また、一昨日は、北海道で、有機農業に取り組んでいる皆さんを訪問して参りました。石狩市の「はるきちオーガニックファーム」は、有機栽培に取り組む中、フェースブックで農作業ボランティアを募り、レストランや居酒屋へと積極的に販路開拓され、若い農業者が工夫を凝らした取り込みを行っておられます。また、安平町の「無何有の郷農園」は、自ら野菜の有機栽培を手掛けながら、「北海道有機農業協同組合」を設立され、有機農業を志す新規就農者の受け入れや品質向上の取り組みなどを進めておられました。さらに、洞爺湖の佐伯農園は、野菜の有機栽培で安定収量を確保するとともに、大手スーパーとの契約栽培により、経営を安定させておられます。
さまざまな課題があるということはお伺いしましたが、オーガニック・エコ農業の今後のさらなる発展のためには、生産者だけでなく、参加するすべての方々に、参加してよかったと思ってもらえることが非常に重要だと思います。満足感が得られることによって、若者など新たな人材が参入し、投資が投資を呼ぶという好循環が生まれると考えます。
このネットワーク(NOAF)には、生産者、消費者、実需者、若者と、たいへん幅広い方々が、会の趣旨に賛同し、参画されていると伺っています。さまざまな方々とのつながりが広がり、つながることによって、多様なビジネス展開のアイディアが生まれ、それが実行される場所として、このネットワークは誠に時宜を得たものと思います。
オリンピック、パラリンピック東京大会は、4年後に迫っております。東京大会を梃に、オーガニック、エコ農業関係の市場が大きく拡大し、我が国のライフスタイルまでも大きく変わっていくこと、そして、このような動きに、このネットワークが大きな役割を果たされることを祈念しております。本日のシンポジウムが、歴史的に記念すべきものとなるよう、また、ご出席の皆様方のご健勝を願いつつ、私の挨拶とさせていただきます。本日は、誠におめでとうございました。
2. 来賓挨拶②(法政大学=NOAF提携)
法政大学 常務理事 増田 正人氏
法政大学 常務理事 増田 正人氏
今日は、「オーガニック・エコ農と食のネットワーク」の設立を記念して、法政大学を代表して、お祝いを申し上げたいと思います。
ネットワーク設立のお話を、農林水産省から、そして小川孔輔先生を通じて伺い、法政大学としても積極的に応援していこうということで、今後も、様々な場所でご協力していきたいと考えています。
法政大学では、2年前(2014年)、田中優子先生が総長に就任しました。その時、大学を中長期的にどういう方向にもっていくべきかについて、「法政2030」という全学的委員会で検討を進めました。そこでどういう研究分野を強めていくべきかを考えて、2つのキーワードを出しました。それが、「サステナビリティー」と「実践知」です。
「サステナビリティー」は持続可能性のことです。「実践知」は、大学内での研究にとどまらず、研究を社会に還元し、社会を豊かにする方向に貢献していくという意味です。
「オーガニック・エコ農と食のネットワーク」のテーマは、大学がこれから推進していこうとしている2つの方向性にぴったり重なり合っていますので、法政大学としても、これからも積極的に関わっていきたいと考えています。
大学がこれからどのように進んでいくのか、様々な問題や課題がありますが、人々の生活を支えていく食、食を支えていく地域社会、国全体を支えている社会のあり方、それらを統合的に考えながら進めていくことが必要となるでしょう。法政大学としては、今日のシンポジウムが成功裡に行われ、これからの農業を進めていくうえで、一歩でも二歩でも、日本の社会が前に進んでいくきっかけになることを期待し、大学としても積極的に支援したいと思います。
今日は設立総会の開催、おめでとうございました。簡単ですが、歓迎のあいさつに代えさせて頂きたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
ネットワーク設立のお話を、農林水産省から、そして小川孔輔先生を通じて伺い、法政大学としても積極的に応援していこうということで、今後も、様々な場所でご協力していきたいと考えています。
法政大学では、2年前(2014年)、田中優子先生が総長に就任しました。その時、大学を中長期的にどういう方向にもっていくべきかについて、「法政2030」という全学的委員会で検討を進めました。そこでどういう研究分野を強めていくべきかを考えて、2つのキーワードを出しました。それが、「サステナビリティー」と「実践知」です。
「サステナビリティー」は持続可能性のことです。「実践知」は、大学内での研究にとどまらず、研究を社会に還元し、社会を豊かにする方向に貢献していくという意味です。
「オーガニック・エコ農と食のネットワーク」のテーマは、大学がこれから推進していこうとしている2つの方向性にぴったり重なり合っていますので、法政大学としても、これからも積極的に関わっていきたいと考えています。
大学がこれからどのように進んでいくのか、様々な問題や課題がありますが、人々の生活を支えていく食、食を支えていく地域社会、国全体を支えている社会のあり方、それらを統合的に考えながら進めていくことが必要となるでしょう。法政大学としては、今日のシンポジウムが成功裡に行われ、これからの農業を進めていくうえで、一歩でも二歩でも、日本の社会が前に進んでいくきっかけになることを期待し、大学としても積極的に支援したいと思います。
今日は設立総会の開催、おめでとうございました。簡単ですが、歓迎のあいさつに代えさせて頂きたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
3. 基調講演1「農産物グローバル調達の終わり:農と食はローカルに回帰する」
NOAF 代表幹事 法政大学経営大学院 教授 小川 孔輔氏
基調講演では、NOAFの紹介と、「農産物グローバル調達の終わり」をテーマに、農と食はローカルに向かうという話をする。
(1) NOAF紹介
① 構想のきっかけ
まずNOAFについてだが、そもそものスタートは、「市ヶ谷アグリフード・バレー構想」だった。オランダにはフードバレークラスターがあり、試験・応用開発研究機関と企業が集積して、農と食に関するイノベーションの創出の場となっている。
産官学の柔軟な連携で、法政大学のある市ヶ谷にアグリフード・バレーを作れないかと構想を進める中で、農林水産省の協力を得て、産・官・学の連携プラットフォームとして「オーガニック・エコ農と食のネットワーク」(Network for Organic-eco Agriculture and Food Lifestyle, Nippon:略称NOAF)が立ち上がった。
① 構想のきっかけ
まずNOAFについてだが、そもそものスタートは、「市ヶ谷アグリフード・バレー構想」だった。オランダにはフードバレークラスターがあり、試験・応用開発研究機関と企業が集積して、農と食に関するイノベーションの創出の場となっている。
産官学の柔軟な連携で、法政大学のある市ヶ谷にアグリフード・バレーを作れないかと構想を進める中で、農林水産省の協力を得て、産・官・学の連携プラットフォームとして「オーガニック・エコ農と食のネットワーク」(Network for Organic-eco Agriculture and Food Lifestyle, Nippon:略称NOAF)が立ち上がった。
歴史を振り返ると、「有機農業」は、1970年代、環境意識の高まりと安全な食物を求める消費者の声を背景に、世界各地で有志の運動として始まった。この第一世代の時代には、有機はまだニッチで特殊なものだった。1980年代以降、グローバルな市場経済の隆盛期にあって、有機=高付加価値として認識される傾向が強まった一方、有機はまだ一部の人のものにとどまっていた。
2006年には、民間が主導し、超党派の議員立法で「有機農業推進法」が制定された。2016年12月8日は、有機農業推進法誕生以来、10周年を迎える。しかし、日本における有機の市場規模はいまだに1,300億円程度と推計され、有機農地の割合は全農地の0.25%を占めるにすぎない。有機先進地のデンマークやドイツでは、有機農地の比率はすでに6%を超えている。世界の有機食品市場は 800 億米ドル(10 兆円弱)、米国だけで433億ドル(2015年、OTA=オーガニック取引協会発表)と、4兆円を軽く超えた。こうした世界の動きと比べて、日本の有機は微々たる水準にとどまっている。
この現状を打破すべく、有機農業を担ってきた第一・第二世代のベテランの知恵と、経営感覚を備えた若手の柔軟な発想、中堅の底力を結びつけ、有機をメインストリームに押し上げようということで、各世代を牽引してきた有力人材が集まり、NOAFの設立にいたった。
2006年には、民間が主導し、超党派の議員立法で「有機農業推進法」が制定された。2016年12月8日は、有機農業推進法誕生以来、10周年を迎える。しかし、日本における有機の市場規模はいまだに1,300億円程度と推計され、有機農地の割合は全農地の0.25%を占めるにすぎない。有機先進地のデンマークやドイツでは、有機農地の比率はすでに6%を超えている。世界の有機食品市場は 800 億米ドル(10 兆円弱)、米国だけで433億ドル(2015年、OTA=オーガニック取引協会発表)と、4兆円を軽く超えた。こうした世界の動きと比べて、日本の有機は微々たる水準にとどまっている。
この現状を打破すべく、有機農業を担ってきた第一・第二世代のベテランの知恵と、経営感覚を備えた若手の柔軟な発想、中堅の底力を結びつけ、有機をメインストリームに押し上げようということで、各世代を牽引してきた有力人材が集まり、NOAFの設立にいたった。
② 目指すもの
NOAFの目標は、オーガニック・エコ農産物の生産拡大とオーガニック関連市場の発展、そして、つくる人、売る人、食べる人、伝える人など、さまざまな個人や組織がゆるやかにつながるプラットフォーム=「場」を創出することである。こうして、「オーガニック・エコ」が、ライフスタイルとして人々の間に定着することを目指す。
NOAFの目標は、オーガニック・エコ農産物の生産拡大とオーガニック関連市場の発展、そして、つくる人、売る人、食べる人、伝える人など、さまざまな個人や組織がゆるやかにつながるプラットフォーム=「場」を創出することである。こうして、「オーガニック・エコ」が、ライフスタイルとして人々の間に定着することを目指す。
③ 組織と事務局
NOAFの組織としては、総会、幹事会が設置され、傘下に教育研修やプログラムや、オーガニック・ライフスタイルエキスポ、オリンピック・パラリンピックの食材調達プロジェクトなど、さまざまなプロジェクトが連なっている。これら個別のプロジェクトが、NOAFの活動の核となっていくことが期待される。
NOAF事務局は、農林水産省生産局農業環境対策課と、京都のマイファームを中心とした「次代の農と食を創る会」が、共同で担当している。2016年6月に、NOAFと法政大学が公式に提携協定を結び、法政大学地域研究センター内に、提携事務局が置かれることになった。次代の会のメンバーは、ポータルサイト、マッチング、セミナーなど啓発活動、就農支援など、農水省の補助事業を受託し、これらの活動ともNOAFは連携していく。
NOAFの組織としては、総会、幹事会が設置され、傘下に教育研修やプログラムや、オーガニック・ライフスタイルエキスポ、オリンピック・パラリンピックの食材調達プロジェクトなど、さまざまなプロジェクトが連なっている。これら個別のプロジェクトが、NOAFの活動の核となっていくことが期待される。
NOAF事務局は、農林水産省生産局農業環境対策課と、京都のマイファームを中心とした「次代の農と食を創る会」が、共同で担当している。2016年6月に、NOAFと法政大学が公式に提携協定を結び、法政大学地域研究センター内に、提携事務局が置かれることになった。次代の会のメンバーは、ポータルサイト、マッチング、セミナーなど啓発活動、就農支援など、農水省の補助事業を受託し、これらの活動ともNOAFは連携していく。
④ 「緩やかなネットワーク」
企画には、幹事、若手の集まりである次代の農と食を創る会が中心になるが、皆さんからも、提案を寄せてほしい。NOAFは次代の会と農林水産省を事務局に、集合の場は法政大学が提供し、人と人、アイディアとリソースを結ぶゆるやかなネットワーク組織として展開していく。
企画には、幹事、若手の集まりである次代の農と食を創る会が中心になるが、皆さんからも、提案を寄せてほしい。NOAFは次代の会と農林水産省を事務局に、集合の場は法政大学が提供し、人と人、アイディアとリソースを結ぶゆるやかなネットワーク組織として展開していく。
⑤ 今後の企画
これから、NOAFとして、何を行っていくか。NOAF自体は「ネットワーク」であって、事業主体ではない。NOAF本体としては、隔月のセミナーが中心的なイベントとなる。NOAFの活動の中核は、傘下にある個別のプロジェクトである。
現在、「オーガニックライフスタイルEXPO」(東京国際フォーラム、11月8~9日)、「F-デザイン」(福島屋、福島塾)、オリンピック・パラリンピック向け食材調達などのプロジェクトが、進行中である。この他、交流会、情報交換会、事業協力、共同事業などの企画も進められている。
NOAFの傘下プロジェクトとしては、企業協賛や補助金事業(法政大学地域研究センターで関連事務代行可能)、調査研究など、さまざまな形が考えられる。NOAFはオープンで緩やかな「ネットワーク」なので、皆さんからの提案、呼びかけ、ご参加を期待している。
これから、NOAFとして、何を行っていくか。NOAF自体は「ネットワーク」であって、事業主体ではない。NOAF本体としては、隔月のセミナーが中心的なイベントとなる。NOAFの活動の中核は、傘下にある個別のプロジェクトである。
現在、「オーガニックライフスタイルEXPO」(東京国際フォーラム、11月8~9日)、「F-デザイン」(福島屋、福島塾)、オリンピック・パラリンピック向け食材調達などのプロジェクトが、進行中である。この他、交流会、情報交換会、事業協力、共同事業などの企画も進められている。
NOAFの傘下プロジェクトとしては、企業協賛や補助金事業(法政大学地域研究センターで関連事務代行可能)、調査研究など、さまざまな形が考えられる。NOAFはオープンで緩やかな「ネットワーク」なので、皆さんからの提案、呼びかけ、ご参加を期待している。
(2) 基調講演「農産物グローバル調達の終わり:農と食はローカルに回帰する」
① 食の20世紀とは、何だったのか?
この基調講演では、「農産物グローバル調達の終わり」というテーマで、NOAF設立の前提となる時代認識を共有したい。食の20世紀を振り返ってみると、食品スーパーと飲食店チェーンの普及を前提とした、マス・マーケティングの時代だった。農業と流通の生産性を支えた要因は、冷蔵・冷凍技術や鮮度保持剤、食品の保存剤、農薬と化学肥料、F1品種とGMO(遺伝子組み換え品)、単一品種の大量栽培と大量流通の仕組みである。
このような食のシステムの下で、野菜や果実は流通の都合で選別され、曲がったキュウリや不揃いのナスは流通しなかった。しかし、今や、飽食の時代は終わりかけている。
日本のエンゲル係数を時系列でみると、2005年が底(22.9%)で、2014年は24.0%(2015年は25.0%)に上昇している。エンゲル係数の上昇にはいくつかの要因があるが、低価格や簡便さだけではなく、美味しさや鮮度を求める消費者が増えていることは間違いないだろう。
さらに、フードシステムの問題として、物流費と人件費が高騰している。現実として、モノが運びにくくなった。しかし、食品の長期保存と長距離輸送という、マス・マーケティングの条件を外してみれば、地産地消が理に適っていることがわかるはずだ。そうなれば、「美味しさ」(+旬と鮮度)と地域の食材の復権、生鮮品のローカルな品揃え力が優位性となっていくだろう。
① 食の20世紀とは、何だったのか?
この基調講演では、「農産物グローバル調達の終わり」というテーマで、NOAF設立の前提となる時代認識を共有したい。食の20世紀を振り返ってみると、食品スーパーと飲食店チェーンの普及を前提とした、マス・マーケティングの時代だった。農業と流通の生産性を支えた要因は、冷蔵・冷凍技術や鮮度保持剤、食品の保存剤、農薬と化学肥料、F1品種とGMO(遺伝子組み換え品)、単一品種の大量栽培と大量流通の仕組みである。
このような食のシステムの下で、野菜や果実は流通の都合で選別され、曲がったキュウリや不揃いのナスは流通しなかった。しかし、今や、飽食の時代は終わりかけている。
日本のエンゲル係数を時系列でみると、2005年が底(22.9%)で、2014年は24.0%(2015年は25.0%)に上昇している。エンゲル係数の上昇にはいくつかの要因があるが、低価格や簡便さだけではなく、美味しさや鮮度を求める消費者が増えていることは間違いないだろう。
さらに、フードシステムの問題として、物流費と人件費が高騰している。現実として、モノが運びにくくなった。しかし、食品の長期保存と長距離輸送という、マス・マーケティングの条件を外してみれば、地産地消が理に適っていることがわかるはずだ。そうなれば、「美味しさ」(+旬と鮮度)と地域の食材の復権、生鮮品のローカルな品揃え力が優位性となっていくだろう。
② 食のグローバリゼーションは反転する
現在のマス・マーケティングと食のグローバリゼーションの時代は、遠からず反転するはずだ。人類の歴史を見れば、今日のような飽食の時代は、むしろ例外と言えるだろう。実際、グローバル調達の前提である、食物の「供給過剰」状態には、変化の兆しがある。世界で気候変動や干ばつが進行し、水が最も希少な資源になりつつある。世界人口は増加の一途をたどっているが、新たなグリーン革命は見込み薄である。こうした条件の変化を鑑みれば、国家の新たな課題として、農産物の安定供給が浮上してくるだろう。
現在のマス・マーケティングと食のグローバリゼーションの時代は、遠からず反転するはずだ。人類の歴史を見れば、今日のような飽食の時代は、むしろ例外と言えるだろう。実際、グローバル調達の前提である、食物の「供給過剰」状態には、変化の兆しがある。世界で気候変動や干ばつが進行し、水が最も希少な資源になりつつある。世界人口は増加の一途をたどっているが、新たなグリーン革命は見込み薄である。こうした条件の変化を鑑みれば、国家の新たな課題として、農産物の安定供給が浮上してくるだろう。
食のグローバリゼーションが反転する時代においては、種子の選択(固定種/F1/遺伝子組換)が重要となってくることが予想される。これは、農業技術と食品流通システムの設計に深く関係する話である。F1品種、遺伝子組換品は、栽培環境にあまり関係なく、高効率で均質な農産物が収穫できる。一方、在来種は多様で、種子は土地の記憶を持っている。種子の選択は、経済的な効率(均質性と安定性)と、リスクに対する適応力(多様性と適応力)という2つの選択肢のトレードオフの関係にある。
コスト効率優先の標準化・規格化は、今後、徐々に優位性を喪失していく可能性がある。代わって、香りや舌触り(テクスチャー)、新鮮さ、旬が重視されるようになると、在来種の見直しが進むだろう。農産品を遠くまで運ぶことの経済合理性は、失われつつある。標準化された食材を使った低価格商品は、もはや競争の武器にはならないのではないか。
コスト効率優先の標準化・規格化は、今後、徐々に優位性を喪失していく可能性がある。代わって、香りや舌触り(テクスチャー)、新鮮さ、旬が重視されるようになると、在来種の見直しが進むだろう。農産品を遠くまで運ぶことの経済合理性は、失われつつある。標準化された食材を使った低価格商品は、もはや競争の武器にはならないのではないか。
③ 新しい食材流通の仕組み
農と食の世界ではすでに、20世紀型のマス・マーケティングとグローバル調達システムに代わる、新たな食材流通の仕組み作りが進んでいる。在来種から生まれた新たな仕組みの例としては、まず、ナチュラル&オーガニック食品スーパーの「福島屋」が、日本各地の生産者と組む形で、SPA(製造小売業)に近い枠組みを打ち出している。また、「とうふ工房わたなべ」(埼玉県都比企郡幾川村)は、地元の有機栽培農家の金子美登氏らの尽力で復活した在来種「小川青山在来」を使い、とうふを製造販売している。奥田政行シェフ(山形県鶴岡市)のイタリア料理店「アルケッチャーノ」は、地場野菜をふんだんに使った料理で広く知られている。この他、にっぽん伝統野菜フェスタ(2015)や江戸東京野菜の生産・普及活動など、全国各地で様々な動きがある。
日本だけではない。米国でも、食はファストからスローへ移行しつつある。2015年秋に私が訪れた米国アトランタのショッピングモールでは、食材のナチュラルさやヘルシーさを訴求したスローなコンセプトのチェーン店が大繁盛している一方、マクドナルドやバーガーキングは見かけなかった。
農と食の世界ではすでに、20世紀型のマス・マーケティングとグローバル調達システムに代わる、新たな食材流通の仕組み作りが進んでいる。在来種から生まれた新たな仕組みの例としては、まず、ナチュラル&オーガニック食品スーパーの「福島屋」が、日本各地の生産者と組む形で、SPA(製造小売業)に近い枠組みを打ち出している。また、「とうふ工房わたなべ」(埼玉県都比企郡幾川村)は、地元の有機栽培農家の金子美登氏らの尽力で復活した在来種「小川青山在来」を使い、とうふを製造販売している。奥田政行シェフ(山形県鶴岡市)のイタリア料理店「アルケッチャーノ」は、地場野菜をふんだんに使った料理で広く知られている。この他、にっぽん伝統野菜フェスタ(2015)や江戸東京野菜の生産・普及活動など、全国各地で様々な動きがある。
日本だけではない。米国でも、食はファストからスローへ移行しつつある。2015年秋に私が訪れた米国アトランタのショッピングモールでは、食材のナチュラルさやヘルシーさを訴求したスローなコンセプトのチェーン店が大繁盛している一方、マクドナルドやバーガーキングは見かけなかった。
④ オーガニック・エコを日本のライフスタイルに
「オーガニック・エコを日本のライフスタイルに」-これがNOAFのスローガンである。そのために、作るもの(種子)を変え、作り方(農法)を変え、売り方(流通)を変え、そして、生き方を変えていくことを目指す。ファストからスローへと、人々の生活の価値観を変える。生き方と価値観を変えることで、日本の食の風景(社会と文化)を変えていく。これが、NOAFのミッションである。
(以上、基調講演の詳細は、以下の記事を参照=会場配布済。小川孔輔(2016)「農産物グローバル調達の終わり:農と食はローカルに回帰する」『法政大学・読売オンライン(Hosei Online)』2016年3月1日公開 http://www.yomiuri.co.jp/adv/hosei/history/vol26.html )
「オーガニック・エコを日本のライフスタイルに」-これがNOAFのスローガンである。そのために、作るもの(種子)を変え、作り方(農法)を変え、売り方(流通)を変え、そして、生き方を変えていくことを目指す。ファストからスローへと、人々の生活の価値観を変える。生き方と価値観を変えることで、日本の食の風景(社会と文化)を変えていく。これが、NOAFのミッションである。
(以上、基調講演の詳細は、以下の記事を参照=会場配布済。小川孔輔(2016)「農産物グローバル調達の終わり:農と食はローカルに回帰する」『法政大学・読売オンライン(Hosei Online)』2016年3月1日公開 http://www.yomiuri.co.jp/adv/hosei/history/vol26.html )
⑤ わたしたちからのメッセージ
NOAFの設立にあたっては、農水省を中心に、何度も有志が集まり、会合を重ねてきた。役員に就任いただいた皆さんからは、NOAFというネットワークに寄せる思いを寄せてもらった。その中からいくつかを、わたしたちからのメッセージとして紹介しておきたい。
NOAFの設立にあたっては、農水省を中心に、何度も有志が集まり、会合を重ねてきた。役員に就任いただいた皆さんからは、NOAFというネットワークに寄せる思いを寄せてもらった。その中からいくつかを、わたしたちからのメッセージとして紹介しておきたい。
・勝又多喜子さん(幹事:博報堂)
オーガニック・エコ農産物の生産を行っている方の強く深い意識と、それにお金を出して買う生活者の意識は、まだまだ多くの乖離があると思っています。農業者の方と企業の方を結びつけて、新たな価値を生み出して、発信していきたいと考えています。
オーガニック・エコ農産物の生産を行っている方の強く深い意識と、それにお金を出して買う生活者の意識は、まだまだ多くの乖離があると思っています。農業者の方と企業の方を結びつけて、新たな価値を生み出して、発信していきたいと考えています。
・島田朝彰さん(幹事:パルシステム)
こだわった栽培や生産を行う場合は、大規模化は難しくロットは小さくなってしまいます。そうすると、生産量の問題、販売企画の縮小、各種インフラ・事務や作業などのコストも効率の悪さから高くなってしまいます。そうしたことに対して、生産分野、流通分野、物流分野など縦横のつながりを広げた展開を進め、課題解決をしていきたい。
こだわった栽培や生産を行う場合は、大規模化は難しくロットは小さくなってしまいます。そうすると、生産量の問題、販売企画の縮小、各種インフラ・事務や作業などのコストも効率の悪さから高くなってしまいます。そうしたことに対して、生産分野、流通分野、物流分野など縦横のつながりを広げた展開を進め、課題解決をしていきたい。
・西辻さん・木本さん(幹事:マイファーム)
私たちが運営する週末農業学校「アグリイノベーション大学校」には、毎年150人ほどの就農希望者が入学します。彼らは、自分自身が農業を仕事にしたいというのはもちろんですが、農業を軸に、自分の地元、ふるさとを活性化したいという思いを強く持っています。一方で、新規就農者が地域で孤立する現実もあり、今後は、自治体等と協力していきたいと考えています。
私たちが運営する週末農業学校「アグリイノベーション大学校」には、毎年150人ほどの就農希望者が入学します。彼らは、自分自身が農業を仕事にしたいというのはもちろんですが、農業を軸に、自分の地元、ふるさとを活性化したいという思いを強く持っています。一方で、新規就農者が地域で孤立する現実もあり、今後は、自治体等と協力していきたいと考えています。
・ 山下一穂さん(参与:山下農園)
有機農業だけでなく、日本の農業をどうするのかと言う視点に立ち、対立の構図を作らない。マーケットのニーズを高めるためには、「きれい、美味しい」を入り口とする。一般消費者には、日常的に食べることで有機農業になじみができてから、徐々にその存在価値を理解してもらう。国民共通の利益を売る手段として、有機農業をその出口とする戦略。
有機農業だけでなく、日本の農業をどうするのかと言う視点に立ち、対立の構図を作らない。マーケットのニーズを高めるためには、「きれい、美味しい」を入り口とする。一般消費者には、日常的に食べることで有機農業になじみができてから、徐々にその存在価値を理解してもらう。国民共通の利益を売る手段として、有機農業をその出口とする戦略。
4. ネットワークについて/規約、会員登録方法説明
農林水産省生産局農業環境対策課課長補佐 古澤 武志氏
(1) 規約
・規約紹介
ネットワーク規約では、会の名称、目的、活動、会員、役員、総会、幹事会、プロジェクト、事務局、入会手続き等、会議の開催、規約の改正等について定められている。
・詳細は配布資料または下記の農水省リンク参照
http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/pdf/noaf_kiyaku.pdf
・規約紹介
ネットワーク規約では、会の名称、目的、活動、会員、役員、総会、幹事会、プロジェクト、事務局、入会手続き等、会議の開催、規約の改正等について定められている。
・詳細は配布資料または下記の農水省リンク参照
http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/pdf/noaf_kiyaku.pdf
(注:設立記念シンポジウムに先立ち、2016年7月16日14時から、法政大学経営大学院でNOAF総会が開催され、規約の承認と役員の選出が行われた。)
・事務局は、農林水産省生産局農業環境対策課と次代の農と食を創る会
(*連携組織=法政大学:NOAFと法政大学との間で連携協定を結び、同大学と連携)
(*連携組織=法政大学:NOAFと法政大学との間で連携協定を結び、同大学と連携)
(2) 会員登録について
① 会員登録
会員登録により、定期的に行われるセミナー情報や、数々のプロジェクトに関する情報をNOAF事務局より発信していく。
会員登録は無料。
登録の趣旨については、以下の農水省リンクを参照。
http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/pdf/noaf_syushi.pdf
① 会員登録
会員登録により、定期的に行われるセミナー情報や、数々のプロジェクトに関する情報をNOAF事務局より発信していく。
会員登録は無料。
登録の趣旨については、以下の農水省リンクを参照。
http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/pdf/noaf_syushi.pdf
② 登録方法
・会員登録申請書提出(会場配布・受付回収)
・登録申請書
http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/index.html(農林水産省サイト)
登録申請用メールアドレス(noaf@maff.go.jp)に、ファイル添付して送付
・Fax 送付先:03-3502-0869(農林水産省生産局農業環境対策課)
・農水省のサイトでウェブ登録
個人会員用申請フォーム https://www.contact.maff.go.jp/maff/form/357f.html
団体会員用申請フォーム https://www.contact.maff.go.jp/maff/form/fe7c.html
・会員登録申請書提出(会場配布・受付回収)
・登録申請書
http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/index.html(農林水産省サイト)
登録申請用メールアドレス(noaf@maff.go.jp)に、ファイル添付して送付
・Fax 送付先:03-3502-0869(農林水産省生産局農業環境対策課)
・農水省のサイトでウェブ登録
個人会員用申請フォーム https://www.contact.maff.go.jp/maff/form/357f.html
団体会員用申請フォーム https://www.contact.maff.go.jp/maff/form/fe7c.html
5. 役員紹介
代表幹事、副代表幹事、幹事、参与は、以下の通りである。参与以外の役員からは、一人ひとり、壇上で挨拶があった。
代表幹事、副代表幹事、幹事、参与は、以下の通りである。参与以外の役員からは、一人ひとり、壇上で挨拶があった。
(1) 代表幹事・副代表幹事
代表幹事 小川孔輔(法政大学経営大学院教授)
副代表幹事 福島徹(株式会社福島屋会長)
副代表幹事 奥田政行(株式会社オール・ケッチァーノ代表取締役)
(2) 幹事
西辻一真(株式会社マイファーム代表、次代の農と食を創る会)
小野邦彦(株式会社坂ノ途中代代表、次代の農と食を創る会)
岡田利奈(一般社団法人フードトラストプロジェクトコーディネーター、次代の農と食を創る会)
千葉康伸(NO-RA代表)
玉造洋祐(ユニオンファーム代表)
竹川麻衣子(さいのね畑、農業女子PJメンバー)
高橋勉(NPO日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会理事長)
勝又多喜子(株式会社博報堂ビジネスプロデューサー)
新田美砂子(有限会社コートヤード代表、野菜料理研究、食と農コンサルタント)
田中慶一(フード・アクション・ニッポン推進本部事務局長)
酒井理(法政大学キャリアデザイン学部教授 経営大学院兼任講師)
代表幹事 小川孔輔(法政大学経営大学院教授)
副代表幹事 福島徹(株式会社福島屋会長)
副代表幹事 奥田政行(株式会社オール・ケッチァーノ代表取締役)
(2) 幹事
西辻一真(株式会社マイファーム代表、次代の農と食を創る会)
小野邦彦(株式会社坂ノ途中代代表、次代の農と食を創る会)
岡田利奈(一般社団法人フードトラストプロジェクトコーディネーター、次代の農と食を創る会)
千葉康伸(NO-RA代表)
玉造洋祐(ユニオンファーム代表)
竹川麻衣子(さいのね畑、農業女子PJメンバー)
高橋勉(NPO日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会理事長)
勝又多喜子(株式会社博報堂ビジネスプロデューサー)
新田美砂子(有限会社コートヤード代表、野菜料理研究、食と農コンサルタント)
田中慶一(フード・アクション・ニッポン推進本部事務局長)
酒井理(法政大学キャリアデザイン学部教授 経営大学院兼任講師)
(3) 参与
佐々木陽悦(有限会社たじりエコベジタブル代表取締役)
下山久信(農事組合法人さんぶ野菜ネットワーク事務局長)
山下一穂(株式会社山下農園代表)
井村辰二郎(株式会社金沢大地代表)
武内 智(合同会社シェアガーデン代表社員(元・ワタミファーム代表取締役))
島田朝彰(パルシステム生活協同組合連合会商品開発本部産直部長 )
徳江倫明(一般社団法人フードトラストプロジェクト代表)
佐々木陽悦(有限会社たじりエコベジタブル代表取締役)
下山久信(農事組合法人さんぶ野菜ネットワーク事務局長)
山下一穂(株式会社山下農園代表)
井村辰二郎(株式会社金沢大地代表)
武内 智(合同会社シェアガーデン代表社員(元・ワタミファーム代表取締役))
島田朝彰(パルシステム生活協同組合連合会商品開発本部産直部長 )
徳江倫明(一般社団法人フードトラストプロジェクト代表)
6. 基調講演2「福島屋 & F-DESIGNプロジェクト」
NOAF 副代表幹事 ㈱福島屋 会長 福島 徹氏
F-DESIGNとは、生活実感から産まれた現実的プロジェクトである。食生活は、健康や家庭、又、教育にも意外なほど影響を与える。私たちのシゴトは、これからの社会を、食を軸に有機的に大きく変えることだ。福島屋では、生産から生活までを踏まえ、安心・安全、健康、美味しさ、旬など「当たり前がまかり通る食の筋道」を通し、そういう店を皆で創るということをビジョンにしている。
生産、加工・製造、販売の3つ、「三位一体」(三方よし)を原点に、相互依存・相乗効果で、新しい価値を創造すること、それがF-DESIGNの基本である。生産(加工・販売)段階では、きちんとした野菜を作ること、MDを織り込んだ農業事業、地域集合体づくりと活動、加工(連携による)を一体化することにポイントを置いている。加工・製造(生産・販売)では、ロス(時間、鮮度・味)を減らすこととともに、全体感を踏まえること、伝統文化を背景とすることを大切にしている。販売(生産・加工・調理)においては、「美味しい!」ということが重要だ。また、小売の新しい機能を追求し、店舗開発~商品開発~メディア~教育~産地整備をひとつながりとしてとらえている。
Fの事業スタイルとして、農産物の健全化、良質化、農業産品の構築、自社基準耕作地づくり(2017年収穫から)などを行っている。生産者と組んで行ってきた取り組みの代表例としては、農薬も肥料も使わず自然栽培で生産される青森のコメ「つがるロマン」や、製造・加工に関わっている「きあげ醤油」がある。「きあげ醤油」は、無加熱、無ろ過、無添加の美味しい醤油である(注:「つがるロマン」は生産者の福士英雄氏と組み、福島屋が全量買い取りして、自然栽培に取り組んだ。「きあげ醤油」は、説明販売や低温流通などを条件に生産者の安齋醤油と組み、月2回のみ入荷の限定品で販売してきた)。
生産、加工・製造、販売の3つ、「三位一体」(三方よし)を原点に、相互依存・相乗効果で、新しい価値を創造すること、それがF-DESIGNの基本である。生産(加工・販売)段階では、きちんとした野菜を作ること、MDを織り込んだ農業事業、地域集合体づくりと活動、加工(連携による)を一体化することにポイントを置いている。加工・製造(生産・販売)では、ロス(時間、鮮度・味)を減らすこととともに、全体感を踏まえること、伝統文化を背景とすることを大切にしている。販売(生産・加工・調理)においては、「美味しい!」ということが重要だ。また、小売の新しい機能を追求し、店舗開発~商品開発~メディア~教育~産地整備をひとつながりとしてとらえている。
Fの事業スタイルとして、農産物の健全化、良質化、農業産品の構築、自社基準耕作地づくり(2017年収穫から)などを行っている。生産者と組んで行ってきた取り組みの代表例としては、農薬も肥料も使わず自然栽培で生産される青森のコメ「つがるロマン」や、製造・加工に関わっている「きあげ醤油」がある。「きあげ醤油」は、無加熱、無ろ過、無添加の美味しい醤油である(注:「つがるロマン」は生産者の福士英雄氏と組み、福島屋が全量買い取りして、自然栽培に取り組んだ。「きあげ醤油」は、説明販売や低温流通などを条件に生産者の安齋醤油と組み、月2回のみ入荷の限定品で販売してきた)。
基本コンセプトは、小売として、あくまでもお客様の食卓、キッチンがテーマである。私たちのシゴトは、広く世界を見渡し、環境や社会に良い影響を与える生活をデザインすることだと考えている。製造とは加工することであり、その質は素材(1次産品)に由来する。素材づくりは自然のなせる技である。そんなコンセプトで食に向かうと、環境(自然、社会)に対しても目を向ける文化が生まれるだろう。F-DESIGNは、いろいろなことが腑に落ちるデザイン構築をしていく。
F-DESIGNは、弱者も強者もつくらない。生産・製造加工・販売という、食をベースとした営みに携わる人たちと、今ここで生活しているすべての構成人が有機的につながり、自由に意見を交わす。そして、「家庭の食を支える」ために、情報や戦略を共有できるオープン型スタイルで活動していく。
F-DESIGNは、弱者も強者もつくらない。生産・製造加工・販売という、食をベースとした営みに携わる人たちと、今ここで生活しているすべての構成人が有機的につながり、自由に意見を交わす。そして、「家庭の食を支える」ために、情報や戦略を共有できるオープン型スタイルで活動していく。
7. パネル報告1 「東京オリンピック・パラリンピック」
(1) オーガニック・エコ食材調達戦略会議(プロジェクト)の提案
(1) オーガニック・エコ食材調達戦略会議(プロジェクト)の提案
NOAF参与 一般社団法人フードトラストプロジェクト代表理事 徳江倫明氏
ロンドンとリオのオリンピック・パラリンピックの食材調達基準について、キーワードを抜粋してみると、オーガニック、持続可能性、環境配慮、食の安全、トレーサビリティなどの言葉とともに、国内の小規模企業や地域や地方の企業を含む広範なサプライチェーンをサポートすることや、持続可能な食の提供を策定するための高品質のフレームワークを開発することについても言及されている。
ロンドンオリンピックでは、レガシーとして、商業界、教育界のパートナーシップが育成され、食品憲章が採用され、業界全体で食品の持続可能な調達のための基準が引き上げられることが目標になった。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向かって、私は「オーガニック・エコ食材調達戦略会議」(プロジェクト)を提案したい。もともと、日本におけるオーガニックの普及においては、CSA(地域が支える農業)やPGS(参加型保証システム)の先駆けとなる、世界に冠たる「TEIKEI」を作り上げきた歴史がある。オリンピックをよき機会として、日本から、世界に冠たる「産消提携」システムで培われてきた参加型保証システムをまとめ、オリパラ食材調達基準の広がりを作り、世界に発信していきたい。
ロンドンオリンピックでは、レガシーとして、商業界、教育界のパートナーシップが育成され、食品憲章が採用され、業界全体で食品の持続可能な調達のための基準が引き上げられることが目標になった。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向かって、私は「オーガニック・エコ食材調達戦略会議」(プロジェクト)を提案したい。もともと、日本におけるオーガニックの普及においては、CSA(地域が支える農業)やPGS(参加型保証システム)の先駆けとなる、世界に冠たる「TEIKEI」を作り上げきた歴史がある。オリンピックをよき機会として、日本から、世界に冠たる「産消提携」システムで培われてきた参加型保証システムをまとめ、オリパラ食材調達基準の広がりを作り、世界に発信していきたい。
オーガニックには、世界的に3つの段階があった。オーガニック1.0は、創始者の時代である。19世紀の終わりから20世紀の初めにかけて、農業が進み始めた方向に問題を感じ、根本的な変化の必要を察した数多くの先駆者達が始めた運動である。オーガニック2.0は、1970年代に始まった。2.0の段階では、先駆者達の実践や農業体系を元に、民間の自主基準、公的規制にまとめあげられ、世界的に評価されていった時代である。
そして現在、オーガニックは第3の段階に入りつつある。オーガニック3.0は、有機セクターの共通の新しいビジョンを展開し、有機を主流に押し出し、地球と人類が直面する難題の解決に不可欠な手段の一つとして有機体系を打ち出すことを目指す。
そして現在、オーガニックは第3の段階に入りつつある。オーガニック3.0は、有機セクターの共通の新しいビジョンを展開し、有機を主流に押し出し、地球と人類が直面する難題の解決に不可欠な手段の一つとして有機体系を打ち出すことを目指す。
オーガニック・エコ食材調達戦略会議では、有機JAS認定農産物や加工食品供給業者だけでなく、「産消提携」を進めてきた生活協同組合、専門流通団体などの二者認証を含めた供給システムを展望し、オーガニック食材調達のためのコンソーシアムづくりにチャレンジしたい。そして、東京オリパラのレガシーとして、環境への配慮、食の安全、持続可能な生産と消費の普及を担う仕組みとして、「提携」をオーソライズし、多くの団体が参加型保証システムを構築し、様々なタイプの生産者、メーカーがオーガニックマーケットに参入できる道を開くことを目指す。関心のある方は、参加してほしい。
(2) オリンピックはオーガニック業界の黒船
一般社団法人オーガニックヴィレッジジャパン 「ORGANIC VISION」編集長
山口タカ氏
山口タカ氏
2012年のロンドンオリンピック・パラリンピック以来、大会の食材調達において、オーガニックや持続可能性は、重要性を増している。オーガニックヴィレッジジャパン(OVJ)では、東京オリパラを契機に、オーガニック拡大につなげていくことを提案している。特に、選手団の事前キャンプ地での食事に注目すべきだ。選手の食事をオーガニックにするためには、推定200余の事前キャンプ地(市町村)への オーガニック化推進PRが必須になる。キャンプの候補地としては、福岡県福岡市 埼玉県小川町と県庁 兵庫県豊岡市 大分県臼杵市などがトップランナーとして挙げられる。
オリパラ食材調達にあたっては、オーガニックや持続可能性とともに、フードビジョン(食料調達指針)、地元産、自国の農家支援と保護、季節の野菜、フェアトレードなどがキーワードとなるだろう。東京オリパラでは、レガシーとして、選手村の食がはじめて「おいしい」と言われること、オーガニック市場が、都市だけでなく地方で急激、かつ安定的に成長することをめざしたい。
オリパラ食材調達にあたっては、オーガニックや持続可能性とともに、フードビジョン(食料調達指針)、地元産、自国の農家支援と保護、季節の野菜、フェアトレードなどがキーワードとなるだろう。東京オリパラでは、レガシーとして、選手村の食がはじめて「おいしい」と言われること、オーガニック市場が、都市だけでなく地方で急激、かつ安定的に成長することをめざしたい。
8. パネル報告2 「若手の力で拓く、農業のミライ
/次代の農と食を創る会プロジェクト」
次代の農と食を創る会代表(NOAF事務局)、NOAF幹事、㈱マイファーム代表取締役社長
西辻 一真氏
NOAF幹事 フードトラストプロジェクト 岡田 利奈 氏
NOAF幹事 ㈱坂ノ途中代表 小野 邦彦 氏
㈱マイファーム 執行役員 木本 一花 氏
/次代の農と食を創る会プロジェクト」
次代の農と食を創る会代表(NOAF事務局)、NOAF幹事、㈱マイファーム代表取締役社長
西辻 一真氏
NOAF幹事 フードトラストプロジェクト 岡田 利奈 氏
NOAF幹事 ㈱坂ノ途中代表 小野 邦彦 氏
㈱マイファーム 執行役員 木本 一花 氏
(1) MOAFと次代の食と農を創る会:「10年後にオーガニックを今の10倍にする」
(西辻氏)「次代の食と農を創る会」は、オーガニック・エコ農業の推進によって日本の第一次産業を牽引し、新たな農と食の時代を作ることをビジョンとして結成された(事務局・マイファーム)。温故知新、NOAFの青年部のような存在として考えていただくとわかりやすい。
(西辻氏)「次代の食と農を創る会」は、オーガニック・エコ農業の推進によって日本の第一次産業を牽引し、新たな農と食の時代を作ることをビジョンとして結成された(事務局・マイファーム)。温故知新、NOAFの青年部のような存在として考えていただくとわかりやすい。
先の徳江さんの「オーガニック3.0」の話を聞いて、「いいな」と感じた。今日のMOAFの会は、オーガニック・エコ業界の歴史的な分岐点になるだろう。僕は、今までの有機農業は、運動的意味合いが強かったと認識している。これからは、ライフスタイルを創り、文化を創っていくという「オーガニック3.0」の時代を迎える。今日を境に、日本としてもしっかり取り組んでいくべきだ。何十年か経って、オーガニック・エコの取り組みが、文化になっていくことを目指していきたい。
次代の会の方向性としては、若手の力を結集し、今後10年で国内のオーガニック・エコ農業を「何となく10倍の規模に拡大する」ことを目指している。何を10倍にするのか?農地面積なのか、農業者人口なのか、そこは曖昧なままでいいのではないか。とにかく、10年後、世の中で何となく、今の10倍オーガニックが盛り上がっていると感じていただけるようにしていきたい。
そのためには、農家が声を上げるというより、さまざまな業界の人たちにオーガニック・エコに興味を持って、一緒に取り組んでもらわなければいけない。オーガニック・エコが、ライフスタイルとして日本に根付くために、産業化できる部分は産業化し、社会化すべき部分はインフラ化する形で、いろいろな人たちにこの場に来てほしい。
小川先生もおっしゃっておられたように、MOAFはオープンな組織でいたいと思っている。参加したい人は、どんどん参加していただきたい。情報は共有していく(次代の会は、農水省とともにNOAF事務局)。
この場には、多様な人たちに集まってほしいと思っている。批判を覚悟で言うが、オーガニック業界がこれから伸びていくためには、テクノロジーが必要だろう。現在、農業界には、IoTテクノロジーを駆使して農業を元気にしていこうという動きがある。マイファームが連携しているソフトバンクの方にも、今日の会合にご参加いただいている。
ライフスタイルを創っていくという意味では、MOAFや次代の会の試みを、社会に広く知ってもらう必要がある。今日は、会場に元「モーニング娘。」の市井紗耶香さんに来ていただいている。これからは、こうした発信力のある方々も巻き込みながら、この業界を引っ張っていきたいと思っている。
私は、普段は、貸農園や農業学校の事業をしているが、1つ思っていることがある。有機農業界は、まだ第一世代の先輩方が健在である。ここは大事なポイントだ。生き字引がたくさんいらっしゃる。先輩方の経験を元に、僕たちがいい形でバトンを引き継いでいくタイミングは、今しかない。若いスタッフで不安定な部分もあるが、皆さんと一緒にやっていきたい。
次代の会の方向性としては、若手の力を結集し、今後10年で国内のオーガニック・エコ農業を「何となく10倍の規模に拡大する」ことを目指している。何を10倍にするのか?農地面積なのか、農業者人口なのか、そこは曖昧なままでいいのではないか。とにかく、10年後、世の中で何となく、今の10倍オーガニックが盛り上がっていると感じていただけるようにしていきたい。
そのためには、農家が声を上げるというより、さまざまな業界の人たちにオーガニック・エコに興味を持って、一緒に取り組んでもらわなければいけない。オーガニック・エコが、ライフスタイルとして日本に根付くために、産業化できる部分は産業化し、社会化すべき部分はインフラ化する形で、いろいろな人たちにこの場に来てほしい。
小川先生もおっしゃっておられたように、MOAFはオープンな組織でいたいと思っている。参加したい人は、どんどん参加していただきたい。情報は共有していく(次代の会は、農水省とともにNOAF事務局)。
この場には、多様な人たちに集まってほしいと思っている。批判を覚悟で言うが、オーガニック業界がこれから伸びていくためには、テクノロジーが必要だろう。現在、農業界には、IoTテクノロジーを駆使して農業を元気にしていこうという動きがある。マイファームが連携しているソフトバンクの方にも、今日の会合にご参加いただいている。
ライフスタイルを創っていくという意味では、MOAFや次代の会の試みを、社会に広く知ってもらう必要がある。今日は、会場に元「モーニング娘。」の市井紗耶香さんに来ていただいている。これからは、こうした発信力のある方々も巻き込みながら、この業界を引っ張っていきたいと思っている。
私は、普段は、貸農園や農業学校の事業をしているが、1つ思っていることがある。有機農業界は、まだ第一世代の先輩方が健在である。ここは大事なポイントだ。生き字引がたくさんいらっしゃる。先輩方の経験を元に、僕たちがいい形でバトンを引き継いでいくタイミングは、今しかない。若いスタッフで不安定な部分もあるが、皆さんと一緒にやっていきたい。
(2) 次代の会の活動
(西辻氏)会の活動としては、NOAF事務局として、多様な関係者が情報交換する場を作るとともに、「有機農業の日」プロジェクトの実行委員会として、有機農業推進法が制定された12月8日の「有機の日」を、全国で盛り上げていく。
さらに、次代の会では、平成28年度農林水産省「オーガニック・エコ農産物安定供給体制構築全国推進事業」の推進母体として、3つ、大きな事業を進めていく。各事業について、担当者から、簡単に説明してもらう
(詳細は「次代の農と食を創る会」サイト参照 http://jidainokai.com/works/ )
(西辻氏)会の活動としては、NOAF事務局として、多様な関係者が情報交換する場を作るとともに、「有機農業の日」プロジェクトの実行委員会として、有機農業推進法が制定された12月8日の「有機の日」を、全国で盛り上げていく。
さらに、次代の会では、平成28年度農林水産省「オーガニック・エコ農産物安定供給体制構築全国推進事業」の推進母体として、3つ、大きな事業を進めていく。各事業について、担当者から、簡単に説明してもらう
(詳細は「次代の農と食を創る会」サイト参照 http://jidainokai.com/works/ )
①生産・実需情報共有・調整システム構築支援事業
最初の事業は、生産者と実需者のマッチングサイトのシステム構築である。京都の「坂之途中」の小野さんの協力を得て、取り組んでいる。
最初の事業は、生産者と実需者のマッチングサイトのシステム構築である。京都の「坂之途中」の小野さんの協力を得て、取り組んでいる。
(小野氏)僕たちは、京都でオーガニック・エコ農産物の小売事業を展開している。こうした農産物は、少量不安定で一般流通のシステムに乗りにくいものが多い。僕たちは取引先の生産者として、小規模農家90軒を抱えている。そのうち9割が新規就農者というところが、僕たちのビジネスのユニークなところだ。
販売先はネット通販が半分で、その他、京都と東京の店舗での小売や、レストランへの卸も手掛けている。こうした経験から、飲食店や地域スーパーなど、農家を応援したいと思っている人たちがとても多いということを実感している。しかしバイヤーを雇う余裕はないし、自分で休みに農家を訪ねて回るというのも大変である。一方、生産者にしてみれば、土づくりから生産で精いっぱいで、自分たちで販路まで開拓するのは難しい。生産者の側、需要者の側、どちらもお互い出会いたいと感じているので、出会いをお手伝いする場をネット上で作れないかということが、僕たちのプロジェクトの出発点である。
こうして、オンライン上のマーケットプレイス作りに取り組んでいるが、農水省の補助事業としてやるからには、きちんとシステムが動くだけでなく、使ってもらえるようにしたい。現状、既存の流通企業も農家から農産物を買っているが、取引相手別にフォーマットが違っていたりして、農家の負担になっている。そこで、僕たちは、そうした部分で使い勝手を改善たり、有機JASの手続きが簡単になるような仕組みを付加して、農家の手間を確実に下げられるようなシステムを構築しようとしている。
フォーマットや、掲載情報、検索性の向上など、いろいろな面で実際のユーザーとしての目線をシステムに反映していきたいので、ぜひ、皆さんの声を聞かせてほしい。今は、まだ外に見えるものはないが、次代の会のウェブサイトで事前申し込みができるようになっている。ベータ版が動くようになったとき、お知らせしたいので、ぜひ、登録してほしい。
販売先はネット通販が半分で、その他、京都と東京の店舗での小売や、レストランへの卸も手掛けている。こうした経験から、飲食店や地域スーパーなど、農家を応援したいと思っている人たちがとても多いということを実感している。しかしバイヤーを雇う余裕はないし、自分で休みに農家を訪ねて回るというのも大変である。一方、生産者にしてみれば、土づくりから生産で精いっぱいで、自分たちで販路まで開拓するのは難しい。生産者の側、需要者の側、どちらもお互い出会いたいと感じているので、出会いをお手伝いする場をネット上で作れないかということが、僕たちのプロジェクトの出発点である。
こうして、オンライン上のマーケットプレイス作りに取り組んでいるが、農水省の補助事業としてやるからには、きちんとシステムが動くだけでなく、使ってもらえるようにしたい。現状、既存の流通企業も農家から農産物を買っているが、取引相手別にフォーマットが違っていたりして、農家の負担になっている。そこで、僕たちは、そうした部分で使い勝手を改善たり、有機JASの手続きが簡単になるような仕組みを付加して、農家の手間を確実に下げられるようなシステムを構築しようとしている。
フォーマットや、掲載情報、検索性の向上など、いろいろな面で実際のユーザーとしての目線をシステムに反映していきたいので、ぜひ、皆さんの声を聞かせてほしい。今は、まだ外に見えるものはないが、次代の会のウェブサイトで事前申し込みができるようになっている。ベータ版が動くようになったとき、お知らせしたいので、ぜひ、登録してほしい。
②消費者・実需者等理解増進活動支援事業と「有機農業の日」イベント
(岡田氏)私のプロジェクトでは、実需者を産地へ連れていくツアーや、展示商談会出展、消費者のオーガニックへの価値理解促進のための一般向けセミナーなど、リアルなマッチングを企画している。
皆さんの中で、地域のバイヤーやレストランのシェフやオーナーなどを呼んで商談をしたい方がいたら、声をかけてほしい。新しい販売ルートを見つけるうえで、ぜひ次代の会を活用してほしいと思う。
ポータルサイトでは、コーディネーターが何名か加わり、生産者が登録内容を魅力的に見せるためのサポートも提供している。
マッチング事業としては、11月の「オーガニック・ライフスタイルエキスポ」に出展する。これは農産物だけでなく、コットンやコスメも含めたエキスポで、次代の会としてもブースを出して、新規就農者を対象に東京での商談の機会を提供する。出展に興味のある新規就農者の方たちは、これから募集する。出展料なども助成金事業でかなり賄っていけるので、声をかけてほしい。
また、オーガニックを広げるために、一般の方々向けのセミナーやツアーも企画している。親子農業体験や、給食でオーガニックを提供している自治体へのツアーなども考えている。イベントが決まったら案内するので、参加してほしい。
(岡田氏)私のプロジェクトでは、実需者を産地へ連れていくツアーや、展示商談会出展、消費者のオーガニックへの価値理解促進のための一般向けセミナーなど、リアルなマッチングを企画している。
皆さんの中で、地域のバイヤーやレストランのシェフやオーナーなどを呼んで商談をしたい方がいたら、声をかけてほしい。新しい販売ルートを見つけるうえで、ぜひ次代の会を活用してほしいと思う。
ポータルサイトでは、コーディネーターが何名か加わり、生産者が登録内容を魅力的に見せるためのサポートも提供している。
マッチング事業としては、11月の「オーガニック・ライフスタイルエキスポ」に出展する。これは農産物だけでなく、コットンやコスメも含めたエキスポで、次代の会としてもブースを出して、新規就農者を対象に東京での商談の機会を提供する。出展に興味のある新規就農者の方たちは、これから募集する。出展料なども助成金事業でかなり賄っていけるので、声をかけてほしい。
また、オーガニックを広げるために、一般の方々向けのセミナーやツアーも企画している。親子農業体験や、給食でオーガニックを提供している自治体へのツアーなども考えている。イベントが決まったら案内するので、参加してほしい。
(西辻氏)僕たちは、12月8日の「有機農業の日」を、オーガニックについて語る日にしたいと思っている。有機農業の日には、記念シンポジウムも企画している。土づくりまで視野に入れながら、オーガニックを語ってみたい。皆さんにも参加していただければと思う。この日は、僕たちとしてもプロモーションをかけていくつもりだ。「有機の日」は、これから、オーガニックを想う人たちが、その気持ちを伝える日として、バレンタインデーのようにしていきたい。
③新規参入・定着等促進支援事業
(木本氏)今日、MOAFの設立記念シンポジウムの壇上に飾ってあるのは、長野県松代でオーガニック野菜を作っている「みやざき農園」の有機野菜だ。ワタミの人事部長から脱サラして、マイファームのアグリ大学校で学んだ後、就農されて3年目の宮崎さんの野菜である。
ちょうど今日、有楽町の東京国際フォーラムでは、「新・農業人フェア」が開催されている。このフェアには、年間1万人が来場される。来場者には毎年アンケートを取っているが、回答者の3割が、「有機農業で就農したい」と答えている。日本の新規就農者は毎年約2万人、そのうち3割が有機に入ってくれれば、生産者も増えていくはずである。
マイファームでは、人を育てる学びの場として、週末農業学校「アグリイノベーション大学校」を運営しているが、次代の会のプロジェクトとして、私たちは、新規就農者がエコ農業の世界に入っていきやすくなるよう手助けをするとともに、就農者の応援にも力を入れていく。営農指導講習などの学びの場や、若手農業者のネットワーキングの機会を作っていく。最近は、オーガニックやエコ農業に力を入れたいという地域も出ており、そうした地域からのご相談もお受けしている。生産者を応援し、メッセージを伝える事業を続けていきたい。
(木本氏)今日、MOAFの設立記念シンポジウムの壇上に飾ってあるのは、長野県松代でオーガニック野菜を作っている「みやざき農園」の有機野菜だ。ワタミの人事部長から脱サラして、マイファームのアグリ大学校で学んだ後、就農されて3年目の宮崎さんの野菜である。
ちょうど今日、有楽町の東京国際フォーラムでは、「新・農業人フェア」が開催されている。このフェアには、年間1万人が来場される。来場者には毎年アンケートを取っているが、回答者の3割が、「有機農業で就農したい」と答えている。日本の新規就農者は毎年約2万人、そのうち3割が有機に入ってくれれば、生産者も増えていくはずである。
マイファームでは、人を育てる学びの場として、週末農業学校「アグリイノベーション大学校」を運営しているが、次代の会のプロジェクトとして、私たちは、新規就農者がエコ農業の世界に入っていきやすくなるよう手助けをするとともに、就農者の応援にも力を入れていく。営農指導講習などの学びの場や、若手農業者のネットワーキングの機会を作っていく。最近は、オーガニックやエコ農業に力を入れたいという地域も出ており、そうした地域からのご相談もお受けしている。生産者を応援し、メッセージを伝える事業を続けていきたい。
(次代の会副代表・OVJ、種藤氏)僕は、オーガニックヴィレッジジャパン(OVJ)でメディアを担当している。次代の会では、以上の3事業の連携を図っていく。3つの事業は、単独でありながら繋がって動いていく。そういう動きそのものが、新しい世代としてチャレンジしていける部分だと思う。マッチングやイベントについては、farmOのサイトで発信していきたいので、注目していただきたい(ポータルサイト「farmO」http://jidainokai.com/pre-registration)。
(西辻氏)僕たちは、若さゆえに不安定かもしれないが、むしろその不安定さを武器にしていきたい。先輩からご指示をいただき、直すべきところは直していく。僕たちのチームが、主体性をもって、農業界をぐるぐるかき回していければ、きっと業界には風が吹く。風が吹けば、オーガニック・エコの世界に、たくさんの方が関わりを持ってくるだろう。それを期待している。その一つの起点がオリンピック、その先が2025年で、オーガニック・エコを10年後に今の10倍まで広げていきたい。皆さまのご指導ご鞭撻をお願いしたい。
9. 今後のスケジュールについて
(司会)法政大学経営大学院・NOAF設立記念シンポジウム共同事務局 花畑 裕香氏
(司会)法政大学経営大学院・NOAF設立記念シンポジウム共同事務局 花畑 裕香氏
NOAF本体として、隔月でセミナーや交流会を開催していく予定である。
NOAF傘下にある個別の連携プロジェクトとしては、現在、「第1回オーガニックライフスタイルEXPO」(有楽町・東京国際フォーラム、11月8~9日)、「F-デザイン」(福島屋、福島塾)、オリンピック・パラリンピック向け食材調達、オーガニック物流改革などのプロジェクトが、進行中である。この他、交流会(Green Table)、情報交換会、事業協力、共同事業などの企画もどんどん進めていきたい。ご賛同いただける方は、MOAFに登録をお願いしたい。
(詳細は、会員向けメールで案内)
NOAF傘下にある個別の連携プロジェクトとしては、現在、「第1回オーガニックライフスタイルEXPO」(有楽町・東京国際フォーラム、11月8~9日)、「F-デザイン」(福島屋、福島塾)、オリンピック・パラリンピック向け食材調達、オーガニック物流改革などのプロジェクトが、進行中である。この他、交流会(Green Table)、情報交換会、事業協力、共同事業などの企画もどんどん進めていきたい。ご賛同いただける方は、MOAFに登録をお願いしたい。
(詳細は、会員向けメールで案内)