12月が暮れる前に、めずらしく余裕の時間ができた。2019年を通して、個人の業績を自己評価してみたい。評価対象分野は、①仕事(教育、研究、執筆、社会活動)、②マラソン、③株式投資、④その他(旅行、遊び、飲食など)。まずは、①仕事から。
①仕事(教育、研究、執筆、社会的な活動など)
<A:教育>
大学院の授業は、マーケティング論とビジネスリーダー育成セミナー。後期後半の育成セミナーは、学生からの評判がよかった。招へいしている講師陣がよかった。来年は4年目になるが、予定講師はまだ決まっていない。テキストも好評で、運営方針を大きく変更する必要はなさそうだ。
マーケティングの教科書は、累積で15000部売れているが、内容が古びてきている。コンテンツを新しくしているが、それでも限界が見えてきている。そもそも、コトラー以来のマーケティングの枠組みを壊す必要があるように感じている。マーケティング4.0を踏襲するのではなく、テキストを書き直すことを考えるしかない。
経営学部の小川ゼミは、フィールドワークの提携先で問題が発生した。数年に一度は起こることなのだが、その年にたまたま当ってしまった学生は気の毒だった。3年生には、来年度は「当たりくじ」を引いてほしい!
<B:研究と執筆>
アカデミックな研究成果は、ほとんど残せなかった。唯一の書籍は、5月に刊行した『「値つけ」の思考法』(日本実業出版社)。そして研究成果としては、来年早々にIMセンターの機関紙で発表になる「エイキング博士のインタビュー記録」。とはいえ、文科省の科研費研究(基盤研究(B))では、『食品商業』での連載も含めて、国内外でたくさんの取材を敢行した。
海外は、オランダ(アムステルダム、VU)、英国(ロンドン)、米国(サンフランシスコ、ロサンゼルス)、中国(北京)。国内は、岡山(笠岡市のSARA)、千葉(LF千葉・再訪問)、淡路島(LF兵庫)、沖縄と愛媛(ローソンのポイント還元実験)など。
『食品商業』の連載原稿は、来年1月(2月号)で、19回目になる。番外編で、米国西海岸のフードビジネスについて最新動向を報告している。このレポート(2月号のカラー特集記事)は、われながらよく書けていたと思う。
執筆活動は、これ以外にネット含めて複数誌から原稿を依頼された。はじめて書いたのは、『販促会議』(『宣伝会議』の姉妹誌。再依頼は、『プレジデント』『ダイヤモンド、オンライン』など。
書籍の出版準備は、PHP研究所(ロック・フィールド)、誠文堂新光社(JFMA記念誌、未定)、NHK出版(ローソン本)、生産産性出版(JCSI本)、その他で進行している。来年は、二冊は刊行済みにしたい。フルマラソンの完走回数が、書籍の出版点数を上回ってしまった。
<C:社会的活動>
「JFMAの活動」では、新しく展示会「フローラル・イノベーションEXPO」をはじめた。思っていた以上に、展示会もセミナーも盛況だった。来年度の開催は、大いに期待できると思う。JFMAは会員数が減少していることが懸念事項だが、新EXPOやこれから始める「花きの物流改革」(ゲートウエイ構想)でメンバーは増えていくと楽観している。トップインタビューでは、若手の生産者を含んで、たくさんの会員さんと話をする機会を得た。
「NOAF(農と食のネットワーク)の活動」は、実質的に活動が停止した状態にある。2020年のオリンピックに向けて、有機農業の普及が別の形で進展しているからだ。唯一の活動である「NOAFを支援する会」のセミナーは、隔月のペースでどうにか続けられている。これが、連載や個人の人脈の拡大に寄与している。「継続は力なり」を実感している。いまは辛抱の時期だ。
「ワサビの環境保全活動」を、岐阜大学の山根京子先生を支援しながら始める決心をした。坂嵜潮さん(フローラ21)や新井紀子先生(国立情報学研究所)と協力して、来年中に「国際ワサビ研究所」を設立するよう努力したい。実現の可能性はあると見ている。