イタリア発祥のカフェ、セガフレード・ザネッティ・エスプレッソ広尾店

 協業開始の初日、午後4時に森社長と広尾店で待ち合わせました。ワンダーフラワー(日比谷花壇)とセガフレード(カフェ)のコラボ店を視察するためです。広尾店は有栖川公園の真ん前に。お洒落で緑豊かな環境。向かいには「ヴィーガン・カフェフェ」などもあって、この地区はカフェの激戦地に見えます。しかし2階まで満席でした。



 森聡郎社長から、「セガフレード・ザネッティ・ワールドワイド・ジャパン」(以下では、セガフレードと略記)のビジネスの現況を伺いました。森さんがセガフレードに転職したのが、8年前の2011年。前職はフラワー雑貨のスミザースオアシス社の社長でした。オアシス時代に、わたしと面識がほとんどなかった森さんですが、先月、JFMAのイブニングセミナーに突然いらっしゃいました。
 訪問の目的は、会長のわたしに相談とのこと。国内34店舗でカフェを展開していて、「都内の花店さんと協業をはじめています」が挨拶でした。JFMAに加盟している花店で、カフェと連携する店を紹介してほしい? セガフレードの店舗は、乗換駅の品川(京急の改札口横)にあることは知っていました。
 実際にコーヒーを飲むために中に入ってみると、スタバやタリーズなど米国発カフェとは違うテイストのブランドでした。一言でいえば、イタリアン・カフェバル。昼はカフェで、夕方からバーに変身する二毛作経営。営業スタイルは、サントリーのプロントとよく似ていました。
 それだけに、華やかな花を置くのに似合いそう店舗でした。花店とコラボレーションを積極的に展開したいとの説明はよく理解できました。

 花店がカフェと協業するメリットは、単純に売り上げを上げるため。カフェのセガフレードとしては、花屋さんにFC加盟店になってほしいようです。カフェと花店の協業は、お互いにメリットがありそうです。
 実際に、広尾店に行ってみて感じたことを列挙します。

(1)お花を置いておくだけで、カフェの雰囲気は一変してしまう。切り花や鉢物とカフェは親和性が高いです。店内がとても華やかになっていました。ただし、カフェで花を売るために、快活しなければならない問題が山ほどあります。

(2)まずは、ディスプレイした花をセルフ形式で売るのは難しそう。少なくとも、午後のある時間帯だけでも、「有人で販売」しないと花は売れそうにない。解決策は、カフェの店員さんが花あしらいの技術を習得するか、花店からアルバイトを派遣してもらうかのどちらかです。
 *参考まで、すでに下北沢で1月から始まっている花店(ガーデナー)との協業では、カフェの1階テラス(約3坪)で、午後14時から18時の間、有人で花を販売しているそうです。当初2月は日販4万円でしたが、3月に入ってからは日商6万円まで増加しているとのこと。やり方次第ですね。

(3)私見ですが、品ぞろえについては、ワンダーフラワー方式はきびしそう。約10種類の単品束(1本束399円、2本束750円、3本束1000円)を、この価格(1本350円)でセルフ販売するのは無理がある。
 *有人のセミセルフであっても、1本単価は250円まで。カフェに来る客が、自宅用だけに花を購入することない。特にこのシーズンはそうです。簡易なラッピングは絶対に必要。となると、ワンプライスはありえないです。

(4)花をディスプレイする空間と場所の配慮。広尾店の場合、舗道からすぐの入口近くはよかったが、陳列のスペースが広すぎてはいけない。圧縮すること。
 *売れる花と装飾用の花とはちがう。下手をすると、花が単なる装飾品になってしまう。「売れている花が良い花である」という原則を忘れずに!美しく飾ることがコラボの最終目的ではない。

 以上、やや厳しめの感想ですが、カフェとフラワーのコラボは絶対に伸びると思います。試行錯誤を繰り替えして、最終的には成功に導いてほしいですね。絶対に取り組む価値はあると思います。