マラソン大会でよく見かける光景。シリアスなランナーの何人かが、「ブリーズライト」(鼻孔拡張テープ)を鼻の先端に張り付けて走っている。わたしも愛用者のひとりで、鼻孔が広がると酸素の吸入量が増えて走りやすくなる(ような気持ちになる)。走り始めた20数年前からいままで、ブリーズライトを継続的に使用している。
「ブリーズライト」(Breathe Right)は、ポストイットを発明した住友3M(スリーエム)が開発した製品だとばかりと思っていた。調べてみると、グラクソ・スミスクラインの製品で、10年ほど前までは、日本では製薬会社のエーザイが販売していた。エーザイとの委託契約期間が終了したので、現在はスミスクライン・ジャパンがブリーズライトを販売している。
わたしは、マラソングッズのバンテリンやアミノバイタルと一緒に、ドラッグストアの福太郎やマツキヨで購入している。一枚の単価が50円前後。安くもないが、それほど高くもない。製品の訴求点(コアベネフィット)は、”Breathe Better, Sleep Better”(楽な呼吸で快眠できます)。一般人向けには、主としてイビキ防止用に使われている。
ランナーはレースで使用しているが、基本の効能は同じだ。鼻から深く息を吸い込むことで、血液に十分な酸素を供給することである。快眠と快走は、同じ機能で実現できている。わたしはレースのときだけ使うので、数量をたくさん購入するわけではない。
しかし、もしかすると、いまのような花粉症の時期には、夜間就寝時に装着すると眠りがもっと深くなるかもしれない。思いついたので、今晩から実施してみようかと思っている。大正製薬の鼻炎カプセルが、今晩から不要になるかも。
そんなことがを考えていたら、昨日、八丁堀の「かわすみ歯科医院」に定期健診で出向くことがあった。いつものように、歯垢等のクリーニングをしてもらうためである。
このところ花粉の飛散量がすごいので、鼻が詰まって仕方がない。クリーニングのために口をふさがれると、鼻が詰まってまったく息ができなくなる。この頃は、肺までの気道が狭くなったせいか、呼吸ができなくてのどが苦しい!歯科医での治療では、いつも悶絶するくらい、奥に痰が詰まってしまう。
なんとかならないだろうか? 昨日は、思い余って、かわすみ先生に提案してみた。「治療中は息ができなくて苦しいので、ブリーズライトを鼻に貼らせてください!」。その直前にひらめいた。東京マラソンの話題がきっかけになり、ブリーズライトを思いだしたからだった。
治療中に貼ってみたら、すばらしく呼吸が楽になった。歯科医の診療台では、歯の治療中は仰向けになる。そのため、わたしのような花粉症患者は、鼻が詰まって息ができなくなる。ブリーズライトのような鼻孔拡張テープを貼っておけば、鼻孔が開いて通気のための気道が広がる。
具体的な改善度合いは、実際にモニターを使って測定してみないとわからないが、おそらく就寝時の鼻孔拡張効果と同程度と思われる。わたしが快調に治療を終えたので、かわすみ先生も興味を持ったようだった。ご本人も実験してみたいと言っていたので、マラソン用のポーチから4枚を取り出して、「この先、ご自分も含めて、歯科医院でテストしてください!」とブリーズライトを置いてきた。
ついでに、今朝になってから、スミスクラインのお客様相談室に、電話でこの話を伝えてみた。素性を明かして、「花粉症患者用に、歯科医院でブリーズライトを販売促進してみたら?」と。
電話の女性は、専門家ではないだろう。どこまで製品開発やメディア担当部門にわたしの意見が伝わるかはわからない。期待は薄いが、それでも、われながらこの新用途提案のアイデアは悪くないと感じている。
ついでにいえば、歯科医院で使用するときは、ごく短い時間の使用なので粘着度は低くてもかまわない。むしろ治療後にはがれやすいほうが使い勝手がよい。それと逆のことをさきほど思いついた。マラソンのレースで、ブリーズライトを使用する場面のことである。
歯科の治療台で使用する場合とは逆で、もっと鼻孔拡張テープの粘着度と上げてほしいのである。先日の東京マラソンは、寒くかったのであまり汗をかかなかった。そのため、粘着テープはゴールまではがれなかったが、通常は頭から鼻の上に汗がしたたり落ちてくる。ハーフマラソンでも、10KMくらいになると半分はがれてしまう。
レースではいつも、「粘着度がもっとあがってくれれば」と思って走っていた。それならば、「雨のときや汗で濡れても、簡単には剥がれない強力な粘着テープ」を開発すればよい。医療機器分野ですでにある技術で対応は可能なはずだ。
製品化できれば、すぐにでもランナー用の鼻孔拡張粘着テープは販売できるだろう。市場規模は小さいだろうが、単価は倍の100円くらいでは売れるはず。スミスクラン社とアールビーズのコラボ商品で発売できないだろうか?
潜在市場規模を推測してみる。ランナーの5%がブリーズライトの現使用者とする。シリアスなランナーは、200万人(ランネットの登録者が300万人)。200万人中の5%=10万人。年間10レース(+練習などで10回使用)で、年平均20枚の使用量とする。現在売られているブリーズライトは、10枚入りで約500円。
10万人×500円×2個=1億円(@小売り)。通販で特注品を販売するとなれば、10枚入りで1000円。市場規模は、約2億円。どうだろう?他社は参入しないだろう。ランネット専売で発売すれば、小さくはない売り上げである。その前に利用者調査と効果を検証する必要があるだろう。
スミスクライン社とアールビーズの提携話をまとめるのが先決だ。本日の妄想は、これにて終了。快晴なので、それでは水元公園まで走りに行ってきます。