「オフィス環境にくつろぎを提供するグリーンの効用」『JFMAニュース』(2017年9月20日号)

 この巻頭言でもしばしば引用させていただいている『社長通信』(インパック・守重知量社長)』(9月14日号)に、文具メーカーの「プラス」について書かれていました。


ご存知のように、プラスの元子会社に、オフィス用品のネット通販会社「アスクル」があります。創業者は、ライオン出身の岩田彰一郎氏で、ヤフー傘下に入った現在も社長をされています。

 守重社長の文章は、次のように始まっていました。
「赤坂にアスクルなどで有名なプラスの事務所があります。(中略)この赤坂のプラスさんの面白いのは1階が全て物販の場所なのです。勿論プラスさんの商品が並んでいますが、単に文具が並んでいるだけでは有りません。事務所内に使われる物ですが、面白いものがあります。大きなクリップですが事務机に挟むと小さなポットを置く事が出来、グリーンを机の上ではなく、そのクリップに載せる事で普段仕事でだけで向き合う机を変化させる事が出来ます。少々面白いグッズが豊富でそれらを購入する事も出来、楽しい店舗です。」

 私の友人に汲田貴司さんという方がいらっしゃいます。旅行予約サイトの「一休・コム」で、CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)をしていました。一休の業績回復に貢献された方です。いまはプラスに転職して、プラス・ファニチャーカンパニーで新規事業を担当しています。

 汲田さんが3年ほど前から推進している事業が、「5 TSUBO CAFÉ」です。聞きなれないコンセプトでしょうから、「5坪カフェ」の概念を簡単に紹介します。
「・・・それはオフィスに笑顔を増やす、小さなカフェスペース。会社のほんの小さなスペースにカフェを設置することで人が集まるきっかけを作り、そこにあるバラエティ溢れるメニューが“いい雑談”を生み出す。5 TSUBO CAFEは、オフィスづくりのプロが考えた、新しいカフェのご提案です。」

 同社HPの説明によると、オフィスに雑談ができる小さな空間を作ることで、3つの効果が生まれるとなっています。
①雑談から新しいアイデアが生まれます、②世代や部署・チームの壁を越えたコミュニケーションが生まれます。③気分転換のために少しリフレッシュ。
快適な空間が、気持ちをリラックスさせてくれます。(詳細は、http://5tbcafe.plus.co.jp/をご覧ください。)

 その汲田さんがプラスに転職したばかりのある日、電話がかかってきました。
「5坪カフェのアイデアが固まったので、そこに植物を入れてみたいのです。ついては、小川先生の知り合いでJFMAの方を紹介していただきたい。」
 その後、JFMAの何人かの方に汲田さんと会っていただき、一部は、事業に関連した商売につながっているかもしれません。

 気づいていただいたと思いますが、汲田さんの5 TSUBO CAFÉ事業は、冒頭で紹介したプラスのショールームの風景と関連しています。オフィス空間に「くつろぎの時間」をもたらす重要な部品として、植物が役に立つようなのです。グリーンの効用が注目を浴びているのです。5 TSUBO CAFÉのモデルルームには、大ぶりな観葉植物が置いてあります。しかし、もっと大切なのは、守重社長がプラスで見たような「小道具」ではないかと思います。事務机の上などに何気なくセットされた植物に可能性があります。従来とは異なる視点から、みなさんが取り扱っている植物を、オフィス空間に活用してみてはいかがでしょうか?