玉塚元一さん(ローソン元会長)は、劇場公開されたばかりの「ファウンダー:マクドナルド帝国のヒミツ」を見てこう感じた

 先ほど、友人の玉塚さんからメールをいただいた。週末に「”ファウンダー”の映画評(東洋経済オンライン)を見てください!」とメールを送ったら、早速、昨日映画館に足を運んでくださったらしい。鑑賞したのは、狭いミニシアターだった。「もっと広いところでやってくれればいいのに」と。

 

 「先生からメールをいただいて、何か気になって、、、」(玉塚さん)。忙しい経営者の方が、既に数人、わたしの映画評を見て映画館に足を運んでくれている。某大手小売業の社長さんと、あと数人、若手のベンチャー経営者。

 そのうちの一人からは、「(映画に)引き込まれました」という感想も来ている。これからも数人が、「創業者」の映画鑑賞に出かけてくれそうだ。それにしても、玉塚さんはやることが早い。

 

 以下の文章は、玉塚さんご本人からの許諾を得て感想文をアップする。わたし個人へ向けての感想ではあるが、編集せずにそのままで掲載してしまう。

 この映画に対しては、ポジティブ・ネガティブ、さまざまな見方があるとは思う。しかし、あの作品を経営者はこんな風にマクドナルドの創業時を見るのだ、ということがわかる。わたしも勉強になった。

 

 

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小川先生、いつもありがとうございます。

 

先生が講評を書かれていたファウンダー早速見てきました!

過去の典型的なサクセスストーリー的な映画と全く異なり、起業家の生々しい生き様、挑戦が描かれていて、考えさせられる素晴らしい作品だっと思います。

私の感想は:
l  経営者にはそれぞれ適正があり、商売の素を創る人間とそれを拡大・成長させる人間通常タイプが異なる(両方やり切る柳井さん、孫さんは超例外)。

l  マクドナルド兄弟とレイ・クロックの出会い、マッチングはその典型的成功事例。

l  兄弟の商売に対する真摯な姿勢、緻密な組み立て、品質への強烈なこだわりが無ければ商売の優れた原型は生まれなかった。

 

l  一方、レイの嗅覚、行動力、実行力、推進力がなければ、あのスピードでの全国展開は不可能であった。

l  レイの嗅覚、行動力にはあっぱれ。兄弟との電話で臭い、即カリフォルニアへ突入。

l  会った瞬間に商売として臭い、即行動に移す行動力。ハリー・ソナボーンに出会った時、即方向転換する嗅覚、実践力、巻込み力(=関係者を台風の目のように巻込んでいく力)。

 

l  やはり、起業家、経営者が成功するためには、“感度の高い嗅覚” X “行動力・実行力・巻込み力”の両方が絶対に必要。
l  現実の商売はやはり厳しい。兄弟サイドに好感、同情する人もたくさんいると思うが、ここは役割分担。
l  激しく拡大、成長させるためには非情さ、冷酷さも当然付きまとう。

 

l  あれくらいのパワー、行動力、結果のための非情さが無ければマクドナルド帝国は絶対に生まれなかった。
l  現実の起業とは何か。輝かしい成功の裏の真実のドロドロしたストーリーはどんなものなのか。
l  一つ一つを丁寧に創りこむ事(=兄弟のこだわり)と一気に成長、拡大させる事の矛盾にどう向き合うべきか。
l  その矛盾との戦いがフランチャイズビジネス、多店舗展開モデルの本質。

先生書かれている通り、やはり結論は Persistent, 根性、Positive ですね。

色々と考えさせられる素晴らしい映画でした。

ご紹介ありがとうございました!

玉塚元一