高校の修学旅行は定番の京都だった。秋田から夜行列車で18時間。朝早くに京都駅に降りた。京都大学の校舎を見て、いつかここで学びたいと思った。夢はかなわず、東京で学生生活をはじめた。昭和45年のことだ。あれから47年、偶然の導きで京都女子大で教えることになった。
京女は、娘の母校。二年前に法政大学にサバティカルで来ていた西尾久美子先生(京都女子大・現代社会学部)が、わたしの願いをかなえてくださった。京都で学生生活が送れなかったので、せめて京都で教えてみたい。初めての外部での講義は、「女子大」×「京都」で。
その願いが叶って、本日から春学期の15回を京都に通う。新幹線通勤ならぬ、新幹線通学だ。京都駅の八条口には、TA(助手)の役をかって出てくださった林まやさんが待っている。車で京女のキャンパスまで教授(わたしのこと)を送迎してくれる。まるで有名人の社長さんが特別講義がやるような雰囲気だ。
科目名は、特論Ⅱ。副題は、「サービスマーケティングの理論と実際を学ぶ」。初講義のために、一昨夜からシラバスの説明と自己紹介のシートを用意した。講義1は、「マーケティング事始め」。簡単なパワポのレジュメを準備してある。何人来るかがわからない。デートの前のような、ドキドキものだ。
20人以上ならば、講義形式。それ以下ならば、ゼミナール形式。グループを編成して、実習やケースディスカッションを多くしたい。実は、資料は20部しか用意していない。予想は、受講生が18名だからだ。だいたい当たることが多い。
さて、せっかくの桜がみな散ってしまいそうなほど、外は激しい雨だ。10時20分の東京発の新幹線で京都まで。ともみの嵐山の家に二泊する。明日は、神戸組4人が、嵐山に遊びに来ることになっている。