D4とは、Detox(デトックス=アルコール、薬物依存を治療する)4日目のつもりだ。しかしである。D2から誓いは破られてしまった。主治医の小松眞理先生のご指導は、「白内障の手術をしたからといって、特段に生活を変える必要はありません!」。なんという誘惑、寛容なご託宣。
というわけで、薬物依存(アルコール)からは逃れることができなかった。断じて、小松先生の責任にするつもりはない。とはいえ、先生は、白内障患者が手術後に使用する”ゴーグル”も必要がないという立場の人だ。半身浴どころか、入浴も即日からOK。シャワーも問題なし。常識は疑ってかかるべきなのだろう。
わたしの病状に関してやや不安な要因としては、手術中に血圧が180まで上昇したことがある。単なるあがり症、緊張から来ているだけならよいのだが。手術後の検診では、右目の眼圧がやや高いことが懸念材料だと言われ、点眼薬を処方された。一日一回、眠りにつく前に、ラタノプロストを点眼している。
看護師さんからは、「点滴後に視界が霧のようになるかもしれませんよ」と説明を受けたが、自宅での二日間は問題なく過ごしている。14日の検診まで、このままの状態が続くことを願っている。眼球の底に、微妙な違和感がないわけではない。
本日は、二日ぶりに都心に出てみる。市ヶ谷の行きつけの美容院と中国飯店まで。慣らし運転だ。
11時半に美容院に到着。スタイリストの半沢美和さんには、シャンプーとマッサージを頼んでいる。頭からお湯をかぶれないので、洗面台で仰向けになって髪を洗ってもらう。
3月9日、三田病院に入院するとき、室内用のスリッパと歯磨きと髭剃りを忘れてしまった。忘れたというより、三田病院にはホテルに宿泊する感覚でチェックインしたからだ。一泊が3万1千円(差額ベッドで、一回の入院で2泊分を支払う)である。ところが、そこはやはり病室だった。スリッパも歯磨きも髭そりも、二階の売店で買わなければならなかった。
それほど準備が悪いわたしだが、シャンプーがしばらくはできないことを知らされて、準備よろしく美容院だけは予約してあった。「おがわる」(こぼしたり、よごしたりすることの俗語)のだが、わたしはけっこうきれい好きである。
美容院の予約は、3月12日、19日、23日。いずれも11時から。今日が初日である。
D2から、半身浴で入浴ができている。当初に思っていたほどは、不潔で気分が悪くなることもない。今日のシャンプーとマッサージでさらに快適になるだろう。
午後には気温が下がりはじめそうだが、外は快晴だ。電車から眺める晴れの日の景色が楽しみだ。シャンプーが終わってすっきりしたら、市ヶ谷の中国飯店で、元オリエンタルランド社員の大西君と会食をする。
そして、経営大学院に寄ってみよう。桜がほころび始めているのではないだろうか?