処女短編小説『東京下町石原一丁目 両国倶楽部』(二話の概要)

 手術から五日目。毎日、狐のようにコンコンとよく眠れている。不思議なくらいだ。20年分の睡眠貯金を使い果たすように、ベッドパッドに吸いついて眠りこけている。夜中に何度か起き上がるのだが、それはアルコールによるデトックス作用のおかげだ。全身から悪い気が排出されていくみたいだ。



 白内障の手術のおかげで、本も読まない。いや、読めない。原稿も書かない。いや、書いてはいけない。
 やっていることといえば、ブログを書くことと、友人たちとのLineでの交信だけ。それも、「先生、lineはいい加減にして、目をいたわりなさいね!」と忠告をいただいくので、思いっきり長い文章が送れない。とほほ、、、
 それ以外には、鮮やかに見えるようになった料理の食材の下ごしらえと、お洗濯とお散歩だけだ。こんなにサボっていいのだろうか? うさぎ年の働き者はそう思うのだが、来週水曜日には、後半の左目手術が控えている。そこまでは、じっとおとなしくしていようと思っている。
 ずいぶんと滞っている確定申告の書類(~3月14日)は、ほぼほぼ妻に任せっきりにしてある。昨年度は、二年続けて保有株が値上がりした。上昇幅が大きかったので、一部の株は売却した。利益が出てしまったので、納税額が半端ではない。でも、仕方がない。
 
 突然いただいた無垢の時間だ。暇に任せて、東京下町の不動産物件情報を求めて、ネットサーフィンをしている。
 いくつかの不動産会社にはネット登録して、新着情報を受け取っている。わたしの好みは、東京の下町にあるレトロっぽい物件だ。探している地域は、新宿区と千代田区エリア(法政大学から歩ける範囲)、東京下町(谷根千、浅草から両国・清澄白河)の広い範囲にわたる。
 最終的には、中古で戸建て(アルカトラス構想)を買うつもりでいる。だが、すぐには適当な物件が見つかりそうにない。しばらくは、下町の生活が楽しめそうな、広めの1LDKか2LDKで暮らしてみようと思っている。下町を舞台にした短編小説に着手したいからだ。
 そこに住んで、土地の空気に触れてみないと、本物の小説は書けない。テーマは決まっている。あとは、登場人物たちが動いて、勝手に話し始めるのを待つだけだ。妄想は続いていく。
 書名は、『東京下町石原一丁目 両国倶楽部』。その処女短編小説の概要を示しておく。

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 嘘八百の物語(V2:2016年2月1日)
 短編小説『東京下町石原1丁目 両国倶楽部』Byわんすけ
 
 東京下町の町内会で起こった出来事を、たまたま主人公(姉)と仲良くなったわんすけ先生が、妄想で勝手に脚色。下町の商売の栄枯盛衰とうっくつした人生模様、楽しくもどこか悲しい、だが温かくもある下町の人情話。主役は、富山の薬売りを始めた三洋薬品工業創業者のファミリー(村瀬母娘)。

 一  発狂むすめ
 二  ゴミ屋敷
 三  両国倶楽部
 四  越境入学
 五  父の遺言 
 六  織田家の憂うつ
 七  表具やの慰問日誌
 八  はみ出し自転車
 九  ピアノ教師の再婚

 この中から、二話の概要を紹介する。

 二 ゴミ屋敷
 実在のS化粧品の話。若い水商売夫婦が小さな家を買って、村瀬家のまん前に移り住む。旦那をなくした美貌の元ホステスが、長年の鬱状態から復活を果たす。ある日(10年後)、ゴミ袋10個以上が家の前にうずたかく積んであった。夫をなくした彼女にはなじみの客の男がいた。彼女を鬱から現世に連れ戻したのは、、、ゴミ屋敷が美容サロンに変わっていく。

 九 ピアノ教師の再婚
 村瀬姉の同級生、ピアノ教師の再婚話。お相手は、小学校で幼馴染の2級建築士。クラスでも目立たなかった建築士が、離婚した同級生のピアノ教師の実家に引き込まれる。ふたりの離婚の経緯と再婚までのストーリー。ちょっと頼りなさ気なM男くんとピアノ教師の密かな打算。それでも幸せそうに見える家庭の裏側。