電子書籍の販売動向は、紙媒体よりも”ロングテール”になる傾向に

 紙の書籍は、販売から3か月くらいすると急に売れなくなる。下手をすると、発売1か月で売上がフラットになる。ところが、予想に反して、電子書籍の売上は、”ロングテール”になる傾向があるらしい。2月に発売した『マクドナルド 失敗の本質』は、7月の段階でも100冊近くは売れている。



 もちろん、しばしば話題になったので、紙の書籍が何度も在庫不足で品切れになった。チャンスロスを出したことも影響しているかもしれないが、とにかく電子版だといつでもダウンロードできる。在庫の不足分を補ってくれたのだろう。
 具体的な月別の販売データを示す。

 2015年3月 558冊   
     4月 125冊
     5月  97冊
     6月  68冊
     7月  77冊
     8月  32冊
    累計 957冊

 ここからさらに4か月。1000冊は突破しているはず。その後も、マックの売却話やら業績低迷からで話題になっているから、200冊ぐらいは売れているだろう。
 この本は、電子書籍向きの本だった。なぜなら、マクドナルドがしばしばメディアに取り上げられ、そのたびに売り上げが増えるのだが、紙媒体の本は店頭に並んでいない。これが何度も繰り返された。そこを埋めたのが、マックのキンドル版だった。
 「10万冊を突破したら、大学教授を辞める!」と宣言していた(苦笑)。その目標冊数は、はるか彼方にかすんで見える。とはいえ、電子書籍の著者には20%の印税が入る。電子版のほうが、収入面での割りがよいのだ。