【JFMAニュース・巻頭言】「2015年、流れを変えるために、わたしはひたすら花を贈り続けることに徹します!」(2014年12月号)

 JFMAがインターネット調査をはじめてから、毎年、切り花の購入率が落ち続けている。まったくもって残念なことなのだが、調査対象者のうち、2014年には、一年間で一度も花を買わない消費者がとうとう50%を切りそうになっている(51.0%)。ピークの2009年が74.8%だったから、約24%の減少である。わたしたちは、4回に1回の販売機会を失っていることになる。


花の需要低迷のトレンドを反転させるために、私たちには何ができるだろうか?もちろん協会としてなすべきことを何でもしていくつもりだ。切り花の日持ち保証、コールドチェーンの確立、業界の教育研修支援(フラワービジネス講座)、フラワーバレンタイン(新しい物日の創出)などなど。しかし、そうした努力以上に大切なのは、とにかく自らがひたすら花を贈り続けていくことだろう。
 さすがに花屋や花生産者のところに、切り花や鉢物を持参することはできないが、個人的には、業界人以外の訪問先(事務所やご自宅)には、まずお菓子を持っていくことなどはしない。必ず小さな鉢物やあまり気取らないブーケを持参するようにしている。

 あまり嬉しいことではないが、皆さんが訪問の際に花を持参しなくなっていることもあって(プレゼント用の購入、2009年:59.8%→2014年:36.9%)、私が花をプレゼントすると、特に妙齢の女性たちからはとても喜ばれる。意外に、男性から花をプレゼントされることが無いからだ。若い男性は、案外、照れ屋さんらしく、花の持つメッセージ性に気がついていない。もったいないことだ。
 ただし、忙しくしていると、訪問の時に花を手土産に持っていくことを忘れがちになる。そこで、わたしは、特に初めて会う女性には、話を始めてから3分以内に「誕生日」を聞くことにしている。「あやしげな人では?」と警戒心を抱かれているとわかったら、そこは即効で、「実は花の団体の会長でして」と、“Shall we flower?”のキャッチコピー入りの名刺を差し出す。

 誕生日を手に入れたら、あとは秘書に「誕生日を手書きした名刺」か「浄書した携帯電話入りのメモ」を渡して、フォルダーにその日付を入力してもらう。秘書のPCには、誕生日をソートしたエクセルファイルが保存されてある。その日が来たら、自動的に彼女たちのところに花束か鉢物が届く手筈が整えられている。小川研究室では、確実にお花が届くような仕組みができている。

 ポイントは、絶対にプレゼントを忘れないように習慣化しておくことだ。もちろん、花をいただいくことも少なくはない。それはそれでとてもうれしいことだ。花を自分から贈ったら、相手に喜んでもらえてうれしい。また、贈られても、毎日、花に囲まれている間は、とても幸せな気持ちに浸ることができる。
 わたしにとっての最大の問題は?言わずと知れたことで、年間で花に使用する支出額が、ばかにならないことだ。統計データはないだろうが、調査をしたら間違いなく、わたしは、「日本で一番、花に対する支出額が多い大学教授」だろう。そしてまた、そのことを花の業界人として誇りに思っている。