【お知らせ】「マクドナルド、落日のバーガー帝国 世界で包囲網」(『日本経済新聞WEB版』2015年3月16日)で、小川のコメントが出ています

 「マクドナルド、落日のバーガー帝国 世界で包囲網」(日経WEB)という記事の最後に、小川のコメントが掲載されている。世界のマクドナルドのいまを各地の特派員が取材した記事は、つぎのようなリード文ではじまっている。

 ファストフード世界最大手、マクドナルドの客離れが止まらない。日本では使用期限切れ鶏肉問題や異物混入問題で客足が激減しているが、これは一断面にすぎない。世界的な不振の理由を探れば、マクドナルドのビジネスモデルそのものの限界に突き当たる。3月1日に米本社はCEO(最高経営責任者)を交代させ、態勢を立て直す。「バーガー帝国」は輝きを取り戻せるのか。(http://www.nikkei.com/article/DGXMZO84339210T10C15A3000000/

 

 わたしは、マクドナルドのいまの状況について、研究室にインタビューにいらした黒井記者につぎのように伝えた(3月3日、ひな祭りの日@市ヶ谷の小川研究室)。
 

 仏マクドナルドが米本社主導の大量生産・消費モデルから抜け出そうとしたころ、日本では逆の動きが起きていた。04年に米アップルから日本マクドナルドホールディングスCEOに転じた原田泳幸のもと、日本ローカルの手法から米国流に転換。一時は回復を果たしたが、次第に消費者ニーズにこたえたヒット商品を生み出せなくなる。そこに不祥事が重なり、世界で最も深刻な客離れが続いている。
 

 マクドナルドの経営に詳しい法政大経営大学院教授の小川孔輔は世界のマクドナルドが不振に陥っている理由について「大量生産、大量消費のビジネスモデルが通用しにくくなっている。チポトレのようにオーダーメード方式を採用したり、地域の食材を使ったりする取り組みが欠かせない。先進国だけでなく、新興国も同様だ。マクドナルドのスタイルは世界の食のトレンドに合わなくなってきている」と分析する。
 

 「未熟でいるうちは成長できる。成熟した途端、腐敗が始まる」――。創業者レイ・クロックは自伝でこう説いている。成熟したバーガー帝国を解体し、それぞれの国・地域で「独立国」を育てる時期かもしれない。