本日は、拙著の発売日。前日に、米マクドナルド社CEOが業績不振で辞任を発表

 米国マクドナルド社のCEOドン・トンプソン氏が引責辞任した。まるで拙著の出版に合わせた社長交代だった。業績不振は昨年末から顕著だった。第4四半期の業績は、15%以上の減益。打開策は相も変わらず小手先のものだから、わたしの予想のように、2015年末には本国の経営も破たんしそうだ。



 以下は、日経の記事からの抜粋である。経済メディアは、マクドナルドの対応が変わるので、社長交代で株価は上がると判断している。証券アナリストと流通メディアの分析力には、本当に参ってしまう。短期業績にしたがって、コロコロ経営者を代えることで長期的な業績がよくなるものではない。この会社が持っている課題や根本的な欠陥に気が付いていない。
 そして、またしても、ヘッジファンドのパーシング代表、アックマン氏が登場してきた。2000年代の後半に、マクドナルド株を売り払って大儲けした軍団の総帥だ。アックマン氏のことは、拙著で詳しく紹介されている。米国株主資本主義の権化のような人物だ。彼のような人間を抱えている米国経済そのものが、近い将来にシステムとして破綻するだろう。
 「物言う株主」とは恐れ多い。効率的な市場経済の構築に貢献することを標榜してはいるが、実のところは、彼らは単なる金儲けが狙いだ。その先は、格差社会を助長するだけだ。長期的に、彼らの存在と影響力は、ひとびとが安心して暮らせる安定した社会を破壊することになる。

 
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「米マクドナルドCEOが退任 業績不振で実質引責」(日本経済新聞社)
 2015/1/29 8:16 (2015/1/29 10:44更新)

【ニューヨーク=杉本貴司】
米マクドナルドは28日、ドン・トンプソン社長兼最高経営責任者(CEO)が3月1日付で退任すると発表した。後任にはシニア上級副社長のスティーブ・イースターブルック氏を起用する。マクドナルドは昨年7月に発覚した期限切れ鶏肉の使用問題で、日本を含むアジアでの販売が急減。米国でも客離れが進んでおり、トンプソン氏が業績不振の責任を取る格好だ。

トンプソン氏は2012年7月にCEOに就任。販売不振に悩む米事業のトップを更迭し、再建策も打ち出していた。ただ14年の米国の営業利益が01年以来、13年ぶりに減少したことが響き、連結純利益は前年比15%減となった。目立った成果がないまま就任2年半での交代となり、実質的に引責辞任と言えそうだ。

後任のイースターブルック氏は1993年に英国で財務担当としてマクドナルドに入社。英国トップや欧州事業社長を歴任した後、11年に一度マクドナルドを退社。英国のピザチェーンや日本食レストランのトップに就任した経歴がある。13年6月に米マクドナルドに復帰し、現在は世界全体のブランド構築の責任者を務めている。

トップ退任にあわせて金庫番も交代させる。経理・財務担当のケビン・オザン・シニア副社長を最高財務責任者(CFO)に起用する。

今回の経営体制変更では日本法人など海外事業の人事については言及していない。