3年がかりで探していた靴に、昨日ようやく巡り合えた。ドイツ製のシューズ、Ganter(ガンター)。7~8年前に、JALの通販ショップで入手した履き心地が良い軽いシューズだ。その後、通販カタログになかなか掲載されなくなった。しびれを切らして待っていると、2年に一回くらいでガンターが突如カタログに登場してきた。
そのたびに、在庫の払底が怖くて、色違いを二足ずつをまとめ買いをしていた。同じデザインのもので、ブラックとブラウンを一足ずつペアで。ところが、ここ3年間ほど、JALのカタログにGanterが登場しなくなった。在庫を二足保持していたので、二年前からは新しいシューズを下ろして履いている。それでも、年月が経って、さすがに二足ともすり減ってきていた。
とくに黒の方が靴底がへたってきている。ブラウンだけ履いていると、早く摩耗してどちらの色も使えてなくなる。JALのSKYショップに電話してみたが、「いつ掲載になるかわかりません」とのこと。あきらめずに、それならばGanterの輸入元を探すことにした。
とうとう昨日、日本での取扱店(直輸入の代理店)が浅草にあることを突き止めた。「Gunter 靴」で検索すると、「バン産商株式会社 〒111-0043 東京都台東区駒形2丁目5」がヒットした。都営大江戸線蔵前駅、A6出口から4分のところだ。東京マラソンの走路30KM地点の少し手前、国道6号線沿いで駒形橋の浅草寄りの場所だ。
午前中、中央区総合スポーツセンターでフィットネス会員の登録を終えたあと、大江戸線の両国から蔵前まで一駅、電車に乗った。駅から歩いて4分とはいえ、暑いので汗だくになった。地図だと、かなり奥まった場所のように図示されているが、8階建ての新築店舗は大通りに面していた。立派な建物だ。
「バン産商株式会社」は、会社名らしい。店舗名は別だろう。プリントアウトした紙には、「本社ビルフロアマップ」とあって、上層階から、入店している事務所と店舗が記入してあった。靴だけを売っているわけでもなさそうだった。
・8F ショールーム
・7F 本社/受付 セールスディヴィジョン本部
・6F フスウントシューインスティテュート本部
・5F 物流倉庫
・4F 整形靴技術セミナールーム
日本糖尿病リウマチ靴技術研究会(JDR ジェーディーアール)
・3F フスフレーゲセミナールーム
日本フットケア技術協会(JAFTA ジャフタ)
・2F フスウントシューカルチャー本店
ドクターカウンセリングスタジオ
足と靴のトータルフットケアスタジオ
・1F フスウントシューカルチャー本店
どうやら、「フスウントシューカルチャー本店」が、Gunterを販売している店らしい。恥ずかしながら、大学時代には第二外国語がドイツ語だった。英語とフランス語とドイツ語のちがいはわかる。
1階のガラスドアを開けると、店内はこぎれいな店構え。ゆったりとしたレイアウトだ。陳列棚には、”本場モノ”のGanterが並んでいる。「本場モノのGanter」と書いたのは、店頭に並んでいるGunterは、わたしがいま履いている靴より、靴皮も靴底もがっしりしているからだ。デザインは似ているが、靴ひもなどは材質がちがっている。
たぶん店長さんと思われる、カウンターの中に立っていた店員さんに、「JALのカタログに掲載されていたシューズ(Ganter)がほしくて、輸入元の本社を探してきました」と説明した。即座に、「お客さんのような人が、よく来られるんですよ」との返答が返ってきた。同時に、「お買いになった靴は、日本でライセンス生産されている商品ですね」との説明を受けた。
そうだったのだ。わたしがJALのカタログショップで購入してきたGanterは、純正品(ドイツ製)ではなく、日本の国内メーカーにライセンス供与された日本産だった。カタログ販売で、価格は2万5千円。8年前までは、軽いリーボックのシューズ(黒)を履いていたのだが、乗り換えたGanterも軽くて歩きやすかった。長年愛用してきた理由だ。
値段も見ずに、店内に陳列されていた複数のデザインを選んで、サイズがあるかどうかを尋ねてみた。わたしは、足のサイズが小さい。24.5センチか25.0センチのEE幅。俗にいう、”間抜けの小足”である。
店長さんが、わたしの足を見て、にこりと笑った。「お客さん、サイズに合うのを探すの大変でしょう」。わたしはこれまで、気にいったデザインで、適当なサイズをさがすことに苦労したことはなかった。怪訝な感じがしたのだが、店長さんの言っている意味がすぐにわかった。ライセンスされた日本製ではなく、純正品はドイツからの直輸入品である。なので、在庫されている商品は全体的にサイズが大きいのだ。
店員さんに足のサイズを測ってもらった。ドイツ基準では、やはりわたしの足は極端に小さいらしい。残念ながら、わたしが気に入って棚から持ってきたデザインの靴は、サイズ6+からだった。わたしの足がぎりぎり入るのは、サイズ5以下らしい。「履けそうなサイズなら、デザインにはこだわりません」と言ったら、店長さんは5Fの倉庫まで、わたし用の靴を探しに行った。
倉庫から持ち帰ってきた靴は、わずか二種類。ふたつのうち、しっかりした靴底で素敵なデザインの方を選んだ。もうひとつは、同じ黒でシンプルなデザインだった。「履きなれて、具合がよいと思ったら近いうちにまた来ますから」とわたしは権利を保留しておいたつもり。あうサイズがないから、シンプルなほうも在庫にとっておいてほしいとの意図だった。
そうそう、値段を尋ねるのを忘れていた。税込みで、4万5千円。わたしがこれまで購入したビジネスシューズで、最高値の靴になる。でも、とても気に入っている。国産も十分にお気に入りだったが、この純正輸入品は、もっともっと気品がある。
つぎに会ったときには、小川先生の足元に注目してください。ドイツ製のGanterを履いてますよ。色は黒。靴先に、すこし模様が入ってます。