昨年末に書いたブログ(2014年12月23日、25日)を読んだ、元院生の山下俊一郎君からコメントが届いた。山下君は、冷凍ケーキを実際に保管・運搬している物流会社(ムロオ)の社長である。当事者の証言である。冷蔵ケーキについてのわが直感は正しかったようだ。
(前略)
ところで先日のケーキのブログ興味深く見させて頂きました。
私見ですが述べさせて頂きます。
ケーキを冷蔵して食べる時点で、出来たてと冷凍解凍商品(業界ではフルチル商品と言います、フローズンチルドの略です)の製品の差はほとんどないと思われます。昔はケーキは冷やして売っていなかったのですが(本来は焼き菓子?)、いつしかケーキは家庭では冷やして食べる事が当たり前になっております。本当は出来立てのスポンジが冷たくなっていないケーキでは多少結果が違うのかなと思いますが、冷やさずに出すところがほとんどないのでこの比較は無意味です。
冷凍のケーキとそうでないチルドケーキでの大きな違いはデコレーションに使うフルーツ等には差が出ると思います。冷凍のケーキの場合は冷凍できるフルーツが限られているので、冷凍じゃないケーキにこだわっているお店はフルーツにこだわったデコレーションにしているようです。流通側としてはこのフルーツにこだわった商品は賞味期限の管理が厳しいので取り扱いが難しいですが、個人的にはこういったケーキは美味しくて好きです。(この傾向は最近のヨーグルトやゼリーも同様の事が言えます)
ちなみに練り製品、蒲鉾、ちくわは量販店ではチルドで販売しておりますが、本当は焼きたてのぬくぬくの商品の方が美味しいと思います。大手のパンメーカー(Y)さんの役員さんとのお話ですが、冷たくなっても、焼きたてのパンに味をいかに近づけるかがその企業の商品力だそうです。商品と温度と時間と価値についてのこれからもますます勉強が必要だなと思う次第です。
山下俊一郎