「AERA」の主張に賛同する。都心にタワーマンションを、これ以上は創るべきではない!

 このごろ冴えない朝日新聞社(AERA)だが、12月1日号掲載の記事にはうなづけた。「タワマンがスラム化? 東京都心の恐ろしい「未来予想図」」という記事である。2020年後を考えると、高層マンションをこれ以上、東京都心に作る意味はない。 もっともな主張だ。



 大阪、名古屋、福岡などの地方都市も同じだ。下手をするとスラム化が進むからだ。建て替えのできる、木造低層住宅を推進すべきだ。未来に向けて、住宅政策を立案する側は、ギアの入れ替えを図るべきである。つまり、都心部における景観の総量規制だ。

 「アエラ」の記事(2014年12月1日号)を引用する。

 東京都心の不動産市場が活況だ。勢いは都下に波及し、首都圏の分譲マンション価格はバブル後で最高値の水準。しかし一方で、恐ろしい「未来予想図」もある。
 不動産価格の動向で気になるのは、2020年に開催される五輪の影響だ。湾岸部など競技施設の建設予定地近くでは、マンション価格の上昇に対する期待もあるだろう。しかし、『日本の地価が3分の1になる!』(光文社)の著者の一人で、麗澤大学の清水千弘教授は、その見方をキッパリ否定する。

 2020年、わたしは、68歳だ。わたしより上の団塊の世代は、70歳代である。つぎつぎとこの世から去っていく。そのあとを継承するのは、団塊ジュニア世代(1970年~1980年生まれ)である。親の世代とはちがって、住宅を継承することになる彼らは、経済的には必ずしも豊かではない。
 そもそもタワーマンションに住む気になるだろうか。住むとしたら、高額な管理費が支払えるだろうか?きっと払えないのではないだろうか。転売するとなると、不動産の価格が低下する。もしかすると、それを安値(現行の3分の1:清水教授の予測)で買い取るのは、外国の不動産業者かもしれない。
 おそろしい光景が見えてくる。2030年に、湾岸・都心のタワーマンションがスラム化する絵図だ。タワマン談義は、どうしようもないので、ほおっておくことにしよう。わたしの推奨は、いままで人気がなかった、東京下町だ。

 東京下町への移住を計画しているのは、建て替えが進むとみているからだ。しかも、東京下町(谷根千、浅草、蔵前、森下)ラインには、低層の木造住宅が向いている。日本文化の特徴は、「更新の文化」(建て替えの文化)ということだ。すべてをご破算にして(水に流して)、一から始められるようにする。
 ただし、住宅の場合は、設計図が残っているから、木造住宅の質を高めて、更新する。その文化の伝承には、壊しやすい(食われやすい)木造家屋が似合っている。欧米の「石の文化」ではないのだ。
 というわけで、マック本が売れたら、それを頭金にして、下町に移住する。古民家を解体して移築するつもりなのだ。決して、湾岸のタワーマンションなどには住まない。東京湾を見下ろす景観は魅力的だとは思うけれど。