奈良県は、「牛」であることがいま判明しました。岩手県と福井県と茨城県のサンプルがありません(調査実施の2年後に気付きました)。肉じゃがを作るとき、肉には何を使いますか?県別の調査です。牛、豚、鶏のどれでしょうか?お知らせください。
ちなみに、以下は、二年前の調査データとそのときの報告書です。
メニュー: 2012.12.31 Monday
本調査は、ほぼ予想通りの結果となりました。
全国的に見れば、「牛ときどき豚、鶏はほぼ無い」が全体の傾向でした。牛豚の分水嶺は、日本海側が石川県と富山県。太平洋側が三重県と愛知県でした。
おもしろかったのは、東京都を中心にした首都圏が「牛豚混合」地域だったことです。これは予想とは違っていました。わたしは豚が優勢だと思っていました。
ひとつには、関西文化(首都圏移住者)の影響でしょうが、1970年代以降に、安価な輸入牛肉が入るようになったせいと思われます。もはや牛肉は、晴れの日のものではなくなったからでしょう。東北地方の田舎育ちだったわたしにとって、たとえば、「ビフテキ」(ビーフステーキ)は、特別の響きをもつ食べ物の言葉でした。
料理の伝承は、基本は母方からのものです。おふくろの味は、肉じゃがにも脈々と生き続けています。母系社会の日本ですから当然なのですが、それには例外もありました。
「父親がどうしても牛肉にしなさい!」と、父親の権威が肉じゃがに介入してくるケースがありました。
もうひとつの発見は、肉じゃがの肉がどれになるのかは、その県がブランド肉の産地をもっているかどうかが決定的なポイントになっていることでした。たとえば、牛が優勢なはずの九州・中国地区で、福岡と岡山だけは豚が優勢でした。また、牛豚のグレーゾーンにあたる岐阜県では、どちらかといえば牛が優勢です。「飛騨牛があるからですよ」とのコメントを地元の方からいただきました。
東北でも唯一、鶏県の秋田は「比内鶏」の産地です。お隣りの山形県では、名物料理の「芋煮」に、ご当地ブランドの「米沢牛」を使います。福島で牛が優勢なのはよくわかりません。
それでは、データをお示しします。最後の二日間は、全国各地に電話をかけまくりました。なお、牛と豚の間に、「・」があるのは、一つの家庭でも、牛と豚を併用している場合です。
「牛・豚」と記載されているときは、どちらかといえば、先に来ている牛肉がメインであることを意味しています。電話の場合は、あまりしつこく聞けませんので、先に発語した肉を優先してあります。
<全国肉じゃがマップ>(80人に聞いてみました!)
(牛56、豚38、鶏3 ダブルカウントしています)
1 北海道 鶏 豚
2 青森県 豚
3 岩手県
4 宮城県 豚
5 秋田県 鶏・豚
6 山形県 豚 豚 牛
7 福島県 牛 牛
8 茨城県
9 栃木県 豚
10 群馬県 牛・豚 牛
11 埼玉県 豚 豚 豚・牛・鶏 豚
12 千葉県 牛・豚 豚
13 東京都 豚・牛 牛・豚 牛・豚 牛 豚
14 神奈川 豚 牛 牛 牛 牛 豚
15 新潟県 豚 豚
16 富山県 豚 豚
17 石川県 牛 豚
18 福井県
19 山梨県 豚
20 長野県 牛 豚
21 岐阜県 豚 牛 牛
22 静岡県 豚 豚
23 愛知県 豚 牛
24 三重県 牛・豚
25 滋賀県 牛
26 京都府 牛
27 大阪府 牛 牛 牛
28 兵庫県 牛
29 奈良県
30 和歌山 牛
31 鳥取県 牛
32 島根県 牛 牛
33 岡山県 豚・牛
34 広島県 牛 牛
35 山口県 牛
36 徳島県 牛
37 香川県 豚・牛
38 愛媛県 牛
39 高知県 牛
40 福岡県 豚
41 佐賀県 牛
42 長崎県 牛
43 熊本県 牛
44 大分県 牛
45 宮崎県 牛
46 鹿児島 牛 豚
47 沖縄県 豚