ベトナム・マレーシア旅行(#3):ベトナムのトップ生産者

 ダラット空港からです。ホーチミン市に移動する前、雨の空港で飛行機を待っています。今日は、ダラットのハスファームの農場を見学しました。標高1500メートルの高地で紫外線が強い。ここの青空と雲の形は、ジブリアニメに出てくるような美しさです。



 さて、ハスファームは、ダラット周辺に大規模な農場を三ヶ所。第一農場が、標高1500メートル20ha、第二が1350メートルに7ha、第三が1000メートルに65ha。従業員は2000人。キク、カーネーション、ユリ、トルコキキョウ、カランコエなどを生産しています。この付近には、花の栽培が4000ヘクタールと言われています。

 農場長のフェルナルド・シェンケ副社長に案内をしていただきました。オランダ人のかたで、1984年からアジアに移り住んでいます。オランダ人らしい生き方です。

 ダラットハスファームは、1994年に設立。アグリビナ(香港資本、グリーンウイングの親会社)とハッサン(インドネシア資本)の合弁企業。初期の頃、ジャワスマトラで花を栽培していましたが、1993年に、トム氏(初代社長、オランダ人、引退)がリサーチの結果、ベトナムの高原の町ダラットが花の適地であることを発見。ダラットは、そのときすでに野菜などの有力産地だった場所でした。

 1994年に、香港とタイ向けに、カーネーション(1ha)とバラ(1ha)の栽培を始めた。2005年からは鉢物を、2007年からは卸売り業務を開始。その後、ホーチミン市で、小売と中卸売り業務を開始しました。現在は、花の垂直統合型企業に成長しています。ベトナムのスーバーマーケット39ヵ所へ花束などを納品(ビッグC、メトロなど)。直営の小売店を6店舗所有している(高品質の花店)。ウエブサイトも今年から始めている。まだ試験運転中らしい。

 日本向けの切り花生産が最大のビジネス。ただし、ベトナムの国内市場や中国向け、ロシア市場が伸びている。おもしろいのは、ベトナムの最大の販売機会は、1日と15日。つまり、仏花需要があることです。日本とよく似ている。
なお、日本への輸出は、グリーンウイングス(2010年買収)が、中国もグリーンウイングス(2012年~)が担当している。中国クンミンにも、ハスファームの農場がある(カーネーション、フィンレイ)。ダラットからハノイへは、トラック二台(常温12度、冷蔵4度)で週二回、運ばれている。鉢物は、カランコエ、ハイビスカス、ベゴニアなど。

 ダラット近郊の切り花生産は、15~20億本と推定されている(統計がない!)。ダラットハスファームは、シェア3%(面積比率では2.5%)。約6千万本(わたしの推定は、シェア5%で約1億本)。60~70%はマム。そのうちの60%は、スプレイマム。日本へは年間7600万本を輸出している(データがあわない!)。海上輸送が中心で、ホーチンミンから東京、神戸、博多へ。4度に冷やしていた6日間で到着。コールドチェーンは完璧である。日持ち保証販売向きは、海上輸送が向いている。

 なお、イオンが昨年、ホーチミン市に出店しているが、切り花はハスファームが供給している。今年ハノイにも出店が決まっているが、ここも、ハスファームから供給することに。日本国内の日持ち保証販売も、このままだと、ベトナムから始まりそうだ。

 あしたは、マレーシアに移動する。(ここまでは、昨日、9月30日の記録です)