ハンバーガーをあまり食べない人が、マクドナルドの本を書いていいのかしら?

 富士山のふもと(西湖)で20Kを走ってからは、フルマラソン用に”足が出来上がってきた”。シドニーに向けて調整は順調である。昨日も下町(スカイツリー~浅草)を10KMほど走った。足がスムーズに動くようになってきた。関節の筋肉の痛みが取れて、完走できそうな感触である。



 久しぶりに、ゆったり過ごしている。マック本の修正作業を、青木と二人で研究室でしこしこ。図表の作成についての戦略を練っている。出版がかなり先になりそうなので、図表データの提出は先回しにすることにした。
 基本的な問題は、わたしの側にある。この話を読み物として、おもしろくしないと。でも、藤田さんや原田さんやカサノバさんを、あまり落とすことはしたくない気持ちがある。もちろん、うまく意思決定できなかったことは自業自得だが、全員がある意味では被害者である。
 藤田さんの晩年などは、お気の毒としか言いようがない。2003年の退任の翌年に亡くなっている。そして、自分が30年間をかけて築き上げてきたものが、わずか4年で覆されています。
 マクドナルドの事業を後継した原田氏もカサノバ氏も、いまは失敗の責任を負わされている。どんな状況であれ、被告人の立場にいるのは辛いことだろう。

 この本を書いていて、感じることがひとつある。わたしは、マクドナルドのハンバーガーをあまり食べない。
 原田さんが社長在任中に、ハンバーガーを食べていたかどうかわからない。しかし、自社商品を美味しく食べているという記述が、出版された10冊の本のどこにも登場しない。
 もちろん、クォーターパウンダーとかプレミアムローストコーヒーとか、商品の記述はあるが、「こんなにおいしく食べた!」の情景はない。
 わたしも同様である。マクドナルドの店舗を頻繁には訪問していない。その人間が、商品やサービスについて書くことがよいのかどうか。わが愛情の欠如が、わたしがこの本の執筆で苦しんでいる理由なのかもしれない。