統計データが日々感じている実感を支持している。おもしろいニュース記事を見かけた。マイナビ(「マイナビ進学」と「マイナビ2014」)が調査したもので、「就活を経験して振り返る、自身の進路選択調査」。2014年卒業予定の学生・大学生・専門学校生などが対象だった。
「活内定率が高いのは、AO入試より一般入試経験者 – 学科試験がカギか」
(2013年10月12日(土)10時0分配信 マイナビニュース)
○「学科試験を課される入試方式」を選択した学生の方が内定率が高い
「現在在学中の大学・学校には、どのような入試方式で合格しましたか?」と尋ねたところ、「一般入試」と回答した人は全体で51.0%と半数を超えた。学校種別で見ると、大学で最も多かったのは「一般入試(50.8%)」で、短大では「推薦入試(指定校)(40.8%)」、専門学校では「AO入試(36.9%)」となっている。
また、現在内定を保有する学生の受験時の入試方法と内定率を見たところ、「一般入試」で入学した学生の63.1%、「センター試験利用入試」で入学した学生の56.9%が内定を確保。一方、「推薦入試」で入学した学生は51.6%、「AO入試」で入学した学生は43.6%と、入学時に「学科試験を課される入試方式」を選択して入学した学生の方が、内定を得ている割合が高い傾向が見られる。
<解説>
この結果は、当然のことだと思う。大学入試で苦労したほうが、就活には有利である。さらには、社会へ出てからも、恋愛競争でも、世間の冷たさに耐性ができているほうが勝ちパターンを学ぶことができる。
大学入試では、2~3校からダメ出しをくらうのがふつうだ。「NO」をいわれた経験が多いほど、ただし、イエスも若干経験しているとさらに、最終的な成功の確率が高くなる。
わたしの周りの学生たちを見ていても、入試でつらい目をみてきた連中が就活には強い。理想と現実のバランスを身をもって体験してきたからだ。理想は理想、現実は現実。その中で、最善を尽くす。
そんなわけで、わが子たちは、ふたりとも(長女と長男)浪人をして世間の辛酸を味わった。その後の就活でも苦労したが、それが肥やしになっている。だから、いまでも、少々の苦労ではへこたれない。次男は、高校入試で躓いたことが、いまにつながっている。
失敗を経験した方が、うまくいかないときの人の気持がよくわかるものだ。他人にシンパシーを感じられる人間に育つ。ただし、あまりにドラスチックな失敗は、人間を卑屈にしてしまう。親ごさんや教育者は、そこの際をよく理解してあげないといけないだろう。
そんなわけで、わたし自身は、安直な推薦入試やAO入試には賛成できない。実際は、これから、大学院(AO、推薦入試)の面接官になるのだが(笑)。いまどき、大学院で英語の試験を課すと、だれも試験場にこないから。仕方がないのだ。
もしかすると、日本のビジネススクールが人気がないのは、実質的な入試をやらないからなのかもしれない。