わたし(小川)と青山学院大学の小野譲司さんが講師を務める「顧客マーケティング共同研究会(主催:インテージ社、後援:サービス産業生産性協議会)」の内容を掲載する。クローズドな研究会で、1業種1企業の参加を原則としている。必ず参加できるわけではないが、関心のある方は下記まで一度お問い合わせを。
小川(JCSI推進委員会委員長)ー小野(同主査)が中心となり、「ワークショップスタイル」による参加型ディスカッション形式でセミナーを運営する。戦略としてのCSや顧客価値の向上・改善に関心がある部門(会社)に、研究会への参加をお勧めしている。
【問い合わせ先】
○申し込みについて
株式会社インテージ DCGサービス事業本部 営業企画4部 住吉智哉
TEL: 03-5294-7418 e-mail: t.sumiyoshi@intage.co.jp
○研究会の内容について
株式会社インテージ マーケティングイノベーション本部 コンサルティング部
森川秀樹
TEL: 03-5294-7264 e-mail: morikawa@intage.co.jp
~研究会の開催主旨~
昨今の経営・事業戦略の構築において、顧客満足(CS)の向上は、単なるサービ
ス水準の改善努力ではなく、外部および内部のマーケティングを包含した戦略の問
題、すなわち「経営課題」として捉えなおす動きが加速しつつあります。その中で
も大きな論点となっているのが、そもそも『CSの向上は本当に収益の改善につなが
るのか?』という命題です。
たとえば、アカデミックな理論研究(「サービス・プロフィット・チェーン」の
枠組み)では、顧客満足の向上により、①多少高くても自社を選択してくれる(価格
プレミアムの獲得)、②新規顧客の獲得費用が下がる(顧客獲得コストの低減)、③
購入頻度や購買確率が高くなる(行動ロイヤルティの強化)、④長期にわたり自社を
利用してくれる(継続利用意向の向上)などの効果をもたらすと言われていま
す。これら仮説の一つひとつに関しては、内外の事例研究でいくつかの裏づけも存
在します。
しかしながら、現実の企業活動における顧客満足の獲得プロセスは複雑です。そ
のため、顧客満足を高める戦略ロジック(シナリオ)を、具体的・実践的に描いた
全体的な枠組みは存在していません。本研究会の第一の目的は、サービス業におけ
るCS向上と収益性の関係について、顧客評価データや各種経営指標等を活用しなが
ら、具体的なケースをもとに顧客満足データの活用の枠組みを提供することです。
本研究会の第二の目的は、サービス業における『CSを起点としたマルチブランド
戦略』の検討です。企業活動の成果によって市場シェアが拡大していくにつれ
て、より多様な顧客が自社のサービスを利用するようになります。すなわち、異な
る期待を抱いた顧客に同時に対応することになります。このような状況下では、従
来どおりの単一ブランド(=同じサービス・パッケージ)を維持することは、全社
的な顧客満足の向上にとっては障害となることがあります。この場合、サービス業
においても顧客のセグメンテーションとターゲティングに真正面から取り組むこと
が必要になります。本研究会では、この問題をサービス業における「マルチブラン
ド戦略のあり方」という経営課題として捉えます。製造業と同様に、複数ブランド
構築によりセグメント別のサービス向上策と全社的なCSの最適化を実現する枠組み
を検討するヒントを提供したいと思います。
~開催日程~
第1回 顧客満足をめぐる論点とは? 8月1日 (木)
第2回 データでみる顧客満足 8月29日 (木)
第3回 CSは企業収益につながるか?(1) 9月25日 (水)
第4回 CSは企業収益につながるか?(2) 10月30日(水)
第5回 CSは企業収益につながるか?(3) 1月29日 (水)
第6回 ブランド戦略とCSの関係とは?(1) 2月27日 (木)
第7回 ブランド戦略とCSの関係とは?(2) 3月27日 (木)
~開催時間、場所、費用~
【時間】 各回18:30~20:30
【場所】 インテージ本社(秋葉原)
【費用】 参加費 1名3万円(全7回分、資料代、お弁当代込み)