羅針盤のある経営と正直な情報開示

 3年前から始まったフラワーバレンタインでは、プロモーション活動の結果を数値(データ)で示す習慣ができてきた。良い習慣だと思う。花の業界だけではないと思うが、イベント的な活動は、ともすると「お祭り騒ぎ」で終ることが多い。



 わたしたちは、フラワーバレンタインのキャンペーンを立ち上げた当初から、結果をデータでモニターすることを決めた。この運動がかなりの長丁場になるだろうと、ある種の覚悟を決めて臨んだからだった。
 活動の進捗状況を知るために、経年変化がわかるようにしたい。そのために、フラワーバレンタイン推進委員会では、ふたつの調査を実施することにした。(1)一般消費者向けのネット調査と(2)モニター店舗での売上実績調査である。
 認知率や販売を統計データで示すとなると、印象論(イベントで頑張ったよな!)では物事が語れなくなる。意図的な情報操作ができない。数字ではウソがつけなくなる。

 たとえば、ネット調査(マクロミル)によると、2011年から2013年まで、「フラワーバレンタイン」の認知率は、15%~16%前後でほとんど変わっていない。テレビや雑誌など、こんなに露出が増えているのに、認知率そのものはあまり上がっていない。
 ターゲット男性の購買率(バレンタイン時期)も、全国調査では1.25%でほとんど変化が見られないもっとも、「来年はバレンタインに花を購入する!」は、10%近くになり大幅増だが。
 その代りに、首都圏の都心部にある店舗では、モニター店の数が増えており(2.5倍)、バレンタインにきちんと取り組んでいる店舗では、対前年比で売上が+135%となっている。つまり、伸び率が伸びているのである(初年度は10%以下だった)。現実に対して分かることも多いのだ。

 統計データは、わたしたちが経営的に活動するときの羅針盤である。まじめに正直に取り組むしかない。どこのどのような販売施策が正しかったのかを示してくれる。