イギリスでは、フローリスト&ガーデナーがもっとも幸せな職業?

 先月号(4月20日号)の『JFMAニュース』(日本フローラルマーケティング協会会報)で、さりげなく気になる記事を発見した。「イギリス職業別幸福度~全ての出来事がフローリストを輝かせる!」(8~9頁)。2012年にCity&Guild社が実施した調査によると、フローリストが最も幸せな職業となっている。



 この調査は、調査対象者が2200人と少なく、統計的に問題がないわけではない。 しかし、一般的な社会調査と同様に、いくつか納得できる結果が得られている。興味深いのは、次の二点である。

(1)年齢が上の人の方(65歳+)が、若い人(64歳以下)に比べて、自分の職業に対する「幸せ度」が高い。65歳+では、幸福(65%)に対して、不幸(10%)。これに対して、35~45歳では、幸福(60%)に対して、不幸(15%)であった。

(2)技術職のほうが、学術職よりも幸福度が高い。幸福度は、技術職型65%に対して、学術職型58%。また、自営業の方が(幸福85%)、フルタイム(同58%)となっている。自分で物事を決められる方が、職業としては幸せ度が高いのは当然だろう。

 なお、幸福度の高い順にリストアップされている幸福度(%)を示す。

#1 フローリスト(ガーデナー) 87% → ダントツの一位
#2 美容師 79%
#3 配管工 76%
#4 販促&PR 75%
#5 科学者 69%

 逆に、職業に対する満足度が低い職種は、

#18 HR&人事 54%
#19 IT&テレコム 48%
#20 銀行 44%

 なんと納得するのは、人事(ヒト)とIT(情報)と銀行(カネ)は、手触り感と人間味がない仕事だからだろう。#1~#3は、モノを媒介するサービス業である。細工師たち。

 この記事を見ていて、実態をさらに調べてみたくなる。

(1)この順位は、日本ではどうなっているのだろうか? 美容師と花屋さんの職業満足度が英国ほど高いとは思えないから(苦笑)。
(2)かの地(英国)では、花やさん(庭師)や美容師さんの給与水準はどうなっているのだろうか?
日本の銀行員は相対的に給与は高いはずだ。
(3)給与水準と職業満足度には相関があるのだろうか? そして、英国と日本とでは、結果が違うだろうか?