市ヶ谷・神楽坂のレストランで、ハニーズの江尻英介常務と稲垣博保君(元院生)と食事をした@4月30日。卒業と同時に稲垣君はハニーズに就職して、10日に同社のミャンマー工場に向かう。久しぶりで英介さんと会って、気になっている新業態「パンツワールド」の話を聞きたかった。
英介さんの父上の江尻義久社長とは、このごろ講演会などでよくお会いする。JCSIの衣料品部門で、ハニーズが昨年度は第二位に躍進。顧客から高い支持(顧客満足)を獲得しているからである。稲垣君がハニーズに就職するようになったのも、葉山研修センターでの「CSフォーラム」(SPRING主催)がご縁である。
1月に開催されたCSフォーラムの中では、ハニーズの海外事業展開が話題になった。ハニーズが中国本土で大々的にチェーン店を展開していることについてはよく知られている。直近で、直営店が約500店舗である。近々、1千店舗に迫る勢いである
ところが、今度は、ミャンマーに自社縫製工場を持つことになった。江尻社長が話した翌日には、この工場がNHKテレビで紹介されている。単独資本で自社工場をミャンマーに建設したのは、日本企業としては初めてのことである。
実は、テレビに映った工場の建設許可を得るために、江尻常務がミャンマーの首都(ヤンゴンではない!ネピドー*)まで、ヤンゴンから6時間車を飛ばしている。担当大臣に面会できるまで2日間、現地で足止めをくらったことなど、ご本人からは現地の生々しい状況などを伺った。
ちなみに、ネットで検索すると、この場所(ネピドー)は、「首都をヤンゴンから、北方約300キロメートルに位置するネピドー(ピンナマ県)に移されたのは2006年。元は軍用地だった場所に新しく作られた都市で、大型ショッピングセンターや観光客などを見越した高級ホテルが充実している反面、大きな病院がなくレストランも少ないなど、都市としての充実ぶりはこれからのよう」とある。
稲垣君が駐在するのは、現地工場の近くらしいのだが。本人も現地に行くまでは、この先はどんな生活になるのかがよくわかっていないらしい(笑い)。年が若いから(29歳)、そして、彼についていえば、食事や生活の適応力が抜群に高いから、現地での生活はなんとでもなるだろう。
この点は、大学院小川ゼミの同級生たちの意見が一致するところではある。
「しっかり、高品質の製品ができるように頑張ります」(稲垣君)と、昨夜は誓いのメールが飛び込んできていた。わたしは、いま起きあがってきたので、そのメールを確認したところだった。
さて、江尻常務からは、4月にオープンした「パンツワールド」の4店舗(パンツワールト゛ マークイズ静岡店、なんば店など)の写真と、店舗の基本コンセプトを説明してもらった。
ハニーズが4月に開店した8店舗(静岡は業態転換)のうち、4店舗がパンツワールドである。
パンツワールド マークイズ静岡店(静岡)
パンツワールド なんばウォーク店(大阪)
パンツワールド ココエあまがさき店(兵庫)
ハニーズ 釧路イオン店(北海道)
ハニーズ 蟹江店(愛知)
ハニーズ 阪神尼崎店(兵庫)
ハニーズ 大安寺店(奈良)
パンツワールド 出雲ゆめタウン店(島根) *業態変更
ネットで検索すると、MJや繊研新聞の記事に対して、何件がコメントがついている。「パンツ」という単独カテゴリーでの事業展開や、回転率の悪さを懸念する半面で、ハニーズのチャレンジングな試みに好感をもたれているようだ。
基本の売り場面積は30~40坪。駅ビルと郊外型SCに出店している。どのような立地が当たるのかはまだわからない。裾のお直しが不要なので、商品をすぐに持ち帰ることができるところがこの店の特徴である。わたしの解釈だと、家族全員のサイズをデータベース化したところが、パンツワールド・ビジネスの差別化要因になる。
弱点は、長所を活かすために、在庫リスクが高くなることである。ウエイストと股下丈のサイズを組み合わせて、6×6=36パターンを用意するとのこと。そんなにたくさんのサイズは不要ではないだろうか?そうは思うのだが、まずはやってみてから修正となるのだろう。
そんなビジネスの話(ヤオコーの川野新社長、クロスカンパニーの石川社長のことが話題に上がった!)や、稲垣君の同級生(広島のトラック会社「ムロオ」の若社長!山下君)のことなどを話し込んでいるうちに、9時半を過ぎてしまった。
次回は、稲垣君が日本に戻ってくる盆明けに東京でまた。「食事つきのブレスト」を開催することを約束して、ふたりと飯田橋の駅で別れた。
わたしから稲垣君へのメッセージ。
稲垣、ぐわんばれ。ミャンマーに骨をうずめるつもりで、行って来い!