自宅にて、拙著『フラワーマーケティング入門』の校正作業をしている。連載の7年分を再編集した著書である。自著を読んでの印象は、JFMAの活動、MPSの事業、IFEXの発展、フラワーバレンタインの始まり、日持ち保証へのチャレンジなど、活動が相互に関連していた(過去形)ということである。
本書は、総ページ数で300頁。思いのほかに、ボリュームがある。
全体は、5部構成になっている。
第1章 日本人よもっと花を贈ろう
第2章 リサーチから読み解く、フラワービジネス
第3章 フラワーマーケティング実践:JFMAの挑戦
第4章 変わる世界の花ビジネス地図
第5章 これからのフラワービジネス
ということで、一昨日から、新出さん(誠文堂新光社『農耕と園芸』の「JFMA通信」連載担当者:2007年~2012年)が編集してくれた原稿に、さらに手を加えながら作業を継続している。
7年分(毎月2ページ分の連載)を読んでいて、ふたつのことに気がついた。
1 活動の連動性と進化
連載原稿に書いてきたこと(JFMAの活動)は、結果としてなのだが、部分(各回の記事)がすべて何らかの形で関連している。IFEXとフラワーバレンタイン、MPSと日持ち保証販売、バケット流通とコールコチェーンの普及への着手は、それぞれの活動が連動している。
はじめた年はばらばらなのだが、ある活動から別の活動が派生したことが跡付けながらもわかる。そして、ある活動(鮮度保証)が一時期に中断したとしても、形を変えて次の活動(日持ち保証販売)として復活している。その意図はほぼ同じなのだが、当初は失敗か中途半端に終わっている。それが、何年後かに、別の形で成功している。
たとえば、花のプロモーションの例を挙げてみる。「フリーペーパー(IN FLOWER)」の発行は、(イタリア大使館との共同イベントである)「ミモザの日」に姿を変えた。さらに、マーケティング・プロモーション活動は、「フラワーバレンタイン」の活動にスイッチしていく。最初の活動の中心にいた人たちが、つぎの活動でも中心人物のままである。たとえば、フラワーバレンタインのリーダーである小川典子さん(元キリンビール)は、フリーペーパーの発行人である。
2 偶然の出会いとタイミング
IFEX(国際展示会)は、常務理事の海下さんや副会長の守重さんが望んでいた国際イベントである。わたしも、早期に開催したいと思っていた。JFMAの設立趣意書にもそのように書いていた。しかし、実現は2015年くらいになってからだろうと予想していた。
ところが、2004年には第一回の「国際フラワーEXPO」が東京ビッグサイトで実現できてしまった。JFMA顧問の遠藤さんが、リード・ジャパンを紹介してくれたからである。
わたしと遠藤顧問とは、彼がダイヤモンドフリードマン社で社長をしていたときに、アイリスオーヤマの大山健太郎社長と共著(メーカーベンダーのマーケティング戦略)を出版するために知り合った。
その後、大山社長はメディアで有名になる。わたしと遠藤さんとの出会いが、大山社長を著名人にするきっかけを与えたのである。
IFEXの実現には、偶然と良いタイミングが重なっていた。ラッキーである。
『フラワーマーケティング入門』の詳しい内容は、4月中旬の刊行をお待ちいただきたい。