箱根駅伝2013年: 法政大学、復路は9位でシード権を獲得

 第89回箱根駅伝、法政大学は二桁の後ろの順位で予選落ち、来年に期待する!を覚悟していた。ところが、法政大学駅伝部は、総合で見事にシード権を獲得してしまった。ほぼ奇跡と言っていいだろう。7区以降は、ハラハラどきどきの展開だった。



 往路が終わった時点で(出来すぎの5位)、インターネットで復路にエントリーしている選手たちの持ちタイムをチャックしてみた。データを見てみると、後ろから来ている他大学のランナーと比較して見劣りがしている。
 復路を走るわが法大の選手たちは、予選会や1万メートルの記録では遅れているようなのだ。ええい、過去は過去だ(笑い)。駅伝には、神業のような”勢い”というものがある。
 7区以降は、個々人の力だけならば、復路が終わった時点で、シード権圏内に残るチャンスはかなり低いことが予想できた。持ちタイムで有望な選手は、全員を往路に投入済みだったからだ。
 法政の選手層は、絶対的に薄い。そして、箱根の山を下ってくる前の貯金(11位とのタイム差)は、わずかに2分30秒である。この2分30秒は、忍者走りの関口君が稼いでくれた時間である。

<往路> 最終結果
通過   チーム       選手     トップ差
◆1    日本体育大学  服部翔大 
◆2    早稲田大学     山本修平  02:35
◆3    東洋大学       定方俊樹  02:39
◆4    明治大学       大江啓貴  04:22
◆5    法政大学       関口頌悟  05:24
◆6    青山学院大学  松田直久  06:12
◆6    帝京大学      小山 司    06:12
◆8    順天堂大学    西郷貴之  06:14
◆9    駒澤大学      村山謙太  06:57
◆10   関東学連選抜 吉村大輝  07:37
◆11   山梨学院大学 松本大樹  07:54 
 
 持ちタイム(各自のベストタイム)だけを見れば、この貯金を使い果たすはずだった。しかし、そのようにはならなかった。チームスポーツである駅伝の不思議である。
 公式HPでチェックした”過去の”個人ベストタイムは、つぎのようなデータだった。ちなみに、往路の5区までを走った5人は、5千メートルの持ちタイムが28~29分台である。30分台は誰もいない。
 往路特攻型布陣なのである。成田監督は、復路で法政が5位に残っているなど、とうてい考えていたとは思えない。

<復路の選手の持ちタイム>
 区間 選手 学年 出身校   5千M  ハーフ(★20K) 当日のタイム(距離)
 6 品田 潤  4 須磨学園  29.44.45  1.04.46    00:59:35 (20.8K) 
 7 大森一輝 4 那須拓陽 30.05.64   ★1.02.10   01:06:52 (21.3K)
 8 藤井孝之 1 倉敷     30.51.53    ★1.02.01   01:07:45 (21.5K)
 9 松田憲彦 3 法政二   29.41.17   1.04.25      01:12:57 (23.2K)
10 高梨寛隆 3 法政二   30.14.90   1.04.37      01:13:52 (23.1K)

 6区の品田君が、箱根の下りで期待以上の走りを見せた。区間8位である。重要なのは、この区間で、11位の中央学院大とはさらに2分の差(4分10秒)が開いたことだった。
 7区以降は、強豪チームに順番は抜かれていく。しかし、各選手は自らの力を出し切って(たぶんベストに近いタイムで)、各区間のトップからは、1~3分以内の開きで踏ん張った。

 その結果が、以下の総合順位である。法政は総合9位でゴールイン。おめでとう。
 選手全員の踏ん張りに感謝。今年の箱根の殊勲選手は、なんといっても、成田監督の采配の妙でしたです。選手の起用は、ほんとにお見事でした。
 ご苦労様でした。わたしのように、日テレの中継で二日間を過ごしたOB・OGのみなさん。法政大学の現役学生、大学関係者のみなさん。
 今夜はこれから、勝利の美酒に酔って、気持ちよくゆっくりお休みください。

<総合順位>
◆1   日本体育大学 11:13:26
◆2   東洋大学    11:18:20
◆3   駒澤大学    11:19:23
◆4   帝京大学    11:21:39
◆5   早稲田大学   11:21:39
◆6   順天堂大学    11:24:43
◆7   明治大学      11:25:14
◆8   青山学院大学 11:25:59
◆9   法政大学    11:26:40
◆10 中央学院大学 11:27:34
◆11 山梨学院大学 11:28:24