小松バイヤーとユニバースのセルフ店舗(八戸ニュータウン店)を見ている間に、はやて号に乗り遅れてしまった。座席指定は無効である。つぎは、18時01分発になる。まずいことに、はやて号は全席指定だから、盛岡駅までの電車は立ち席になってしまった。
1時間半待ちで、手持ち無沙汰になったわたしに、小松バイヤーが同情してくれたのだろう。「八戸駅でコーヒーでも」と促されて、コンコースを歩いてコーヒーショップを探そうとした。
新幹線の改札をあとに、ふと通路の右側を見ると、ローカル線「青い森鉄道」の改札口がある。1番線から、16時48分発の鮫駅行きの電車が出る。掲示の案内板がちかちか光っている。
窓口に座っている女性の駅員さんと目が合った。「行って見ますね。鉄ちゃんなんです。」(笑)
「この電車で、18時前に、八戸に戻って来れますか?」とわたしから聞いた。窓口のカウンター越しにそっと、彼女は一枚のコピー用紙をわたしの手元に滑らせた。「八戸線(上り)」の簡易時刻表である。
八戸線は、被災地の久慈まで行く。上りの449D列車は、途中駅の鮫駅停まりだ。そのまま、下りの450D列車で引き返して来ると、18時01分の上り新幹線には楽々と間に合うことがわかった。笑っている小松バイヤーに小さく手を振って、彼女から買った600円の往復切符の片道分を、改札機に入れた。
鮫駅の停車時間はわずか5分。いま下り電車は、八戸の海岸線を小中野に向かっている。夕暮れ時で、二両編成のディーゼルカーに乗客はちらほら。赤字路線なんだろうな。おかげさまで1時間のローカル線の小旅行を楽しむことができた。
追記、
本八戸駅でたくさんの学生さんが乗り込んできた。正直ほっとした。