夏休み期間中、日野自動車のCS調査でてんてこ舞いになりそうだ。本日から、4回にわたって、全国の日野販社で調査を実施する。2009年から、日野自動車のCS調査をコンサルティングしている。今年度からは、従来からのアンケートに現地調査を組み込むことになった。CS改善運動の一環である。
今回の調査対象販社は、九州(8月2~3日、30~31日)、神戸(8月22~23日)、島根(9月6~7日)の3箇所。ただし、九州は、合併で拠点数が多いので、二回に分けて訪問する。
一回の訪問では、各販売会社の長から整備部門の担当者までを、かなり細かくインタビューする。夏休み中のヒアリングでCSの問題点を抽出。9月末までに、改善提案をして、3か月後に再度、現地調査を実施してその結果を検証する。ある種のサービス部門のQC支援活動である。
ヒアリングの方法は、2009年~2011年に、群馬、横浜、福井、沖縄で、現地調査を実施してきた方法がベースになっている。日野自動車さんとはコンサル契約をしているので、一般に公開できな事項(データ)も多い。
それでも、現場で気が付いたことがあれば、企業秘密に属すること以外は、紹介してみたいと思う。
「SPRING」(サービス生産性協議会)でサービス産業の生産性向上運動に首を突っ込んでから6年になった。開発の座長として、JCSIの調査システムをデザインする仕事をしてきた。神戸の消費者行動研究学会では、若い研究者の皆さんに、「もっと世の中の役に立つ研究の仕事を!」と檄を飛ばした。
そして、昨年度からは、JCSI(日本版顧客満足度指数)が具体的に事業化に向けて動き始めている。当初は、CS単独事業としては大苦戦をしていた。しかし、中心母体のJPCと調査会社2社(インテージ、日経リサーチ)とコンソーシアムを組み換えてからは、事業運営の組織体として仕事が動き始めている。
JCSIには、心地よいフォローの風が吹いてきている。運が良いことには、来月再上場に向けて動きはじめているJAL(日本航空)のように、JCSIを企業経営の中心に据えるところが現われはじめているのだ。
利益、売上高成長率と並んで、顧客満足(CS)が会社が目指すべき指標(羅針盤)として脚光を浴び始めている。「第二次CSブーム」の到来である。とくに、流通サービス業では、トップから現場ラインに至るまで、共通に見ること(共有)ができる経営指標として、CSIはわかりやすい。
そのコントロールをトップがKPIとして取り上げる傾向がでてきたのは、偶然ではないだろう。サービス経営の視覚化と、情報共有化にJCSIは貢献できるように思う。サービス業の産業化と、サービスの科学化が進行している。
日野自動車の現地調査は、したがって、研究者のわたしにとっては、単なるコンサル業務ではない。CSを科学するための実験場(ラボラトリー)なのである。それが、あえて夏休みを犠牲にする意味である。