フローラホランド(オランダの花市場)が、ボスコープ(植木部門)を売却する

 本日、オランダから、地味だが非常に重要なメッセージを含むニュースが入った。オランダの花市場(フローラホランド)が、植木子会社(ボスコープ)を売却することになった。新しいボスコープ社のオーナーは、元々の植木生産者である(と思われる)フランス・ファン・ダイク氏である。

 フローラホランド側からすれば、関連性が低い小さな事業分野の切り離しである。しかし、ボスコープ側から見れば、これは「MBO」(現経営陣による買収)である。オランダ花卉業界の真ん中に位置していた花市場が、自社の経営合理化のために、周辺の関連事業を手放さざるを得なくなったというメッセージである。
 これは、商流のビジネスセンターである「フローラホランド市場」の経営が苦しくなってきているというシグナルでもある。オランダ人は合理的な商売人である。そして、ストレートで正直な人種である。
 この先、経営資源を集約していかないと、充分な収益が確保できなくなっている。これまでは、海外(ドイツ、アフリカ、デンマーク)や周辺部門(球根、植木、プロモーション)の関連事業への進出でスケールメリットを確保しようとしてきた。ボスコープ(植木上事業)の切り離しの意味するところは、多角化と事業拡張を放棄したということなのである。

 日本の市場の行く末を占ううえで、この売却の意味するところは大きい。わが国でも、市場統合の後に来るのは、さまざまな事業の集約(買収・統合)と切り離し(事業精算)である。その対象となる候補事業としては、小売り関連事業、委託加工事業、輸入ビジネス、資材販売事業、物流関連事業、緑化・造園事業などが考えられる。
 胸に手を当てて考えてみてほしい。関係者のかたは、自社の事業をどのように拡張・整理しようかといま思案しているはずである。オランダは、このような方向に動いている。
 他山の石なのか、日本の将来を占う試金石なのか?

 以下に、2012年の「ニューズレター」(第2号)をそのまま貼り付ける。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

FloraHolland Newsletter no. 2
“New Owner for FloraHolland Boskoop”

FloraHolland (3 January 2012). As of 1 February, the activities of FloraHolland Boskoop will be taken over by the current manager Frans van Dijk. The branch will further act as an independent company – Floralis Boskoop BV.

This was a logical development, due to the fact that Boskkoop activiteis too much deviate from the current strategic mode of the flower auction.

FloraHolland Boskoop disposes of a wide assortment of tree plants, available through a Cash & Carry shop, a Web shop, and the Service & Sales.

The new owner-manager Frans van Dijk is satisfied with the new status. He believes in being able to provide better service to the growers. Eleven of the 13 current wotkers will continue at the new structure. Just a week after the change, the annual spring fair will take place, on 7 and 8 March, with the same form that was so successful in 2011.