デュッセルドルフの目抜き通りをふらふら歩いていたら、歩道にバラが展示されていた。茎がしっかりした大輪のバラである。何だろう?「RED LAND ROSES」の看板。昨年、ケニアの首都ナイロビで訪問したバラの農場と同じ名前である。
クリザール・ジャパンの海下(展也)さんが、ささっと通りからビルの中に入って、バラの専門店を探し出してきた。
店内は、5坪もあるだろうか?女性がバラの花束を作っている。ガラス越しの店内は、やや薄暗い。海下さんが、彼女にインタビューして戻ってきた。
RED LAND ROSESの社長は、フランス人女性のイザベラさん。日本向けに、多品種のバラをYMS(大阪の坂本道子社長)を通して輸出している。品質が素晴らしかった。わたしたちが、ケニアから想像していたバラの栽培とは一味違っていた。
たしか旦那さんは、ドイツ人の技術者、シュナイダーさん。その妹さんが、たまたまデュッセルドルフ在住だったのだ。4週間前に始めたお店が、バラの専門店だった。何という偶然だろう!
デュッセルドルフの通称「王様通り」には、ブランドショップが軒を連ねている。PRADAやLOUIS VUITTONの隣に、農場と同じ名前で出店したという。賃料はかなり高そうだ。人口60万人のデュッセルドルフで、バラの専門店が成り立つものなのか。
ブルーメンライヒ(BLUMEN_REICH)という高級花店が近くで商売できている。デュッセルドルフは、日本人も5千人ほど住んでいる。ドイツで人口6番目の商都だから、ビジネス向けにバラ専門店が成立する可能性があるとみたのだろう。
昨日から見て歩いているスーパーで売られているバラとは、品種も品質も明かにちがう。アルディ(ALDI)やリドル(LIDL)、レーブェ(REWE)などでは、40センチのバラが1本30セント(約30円)で売られている。しかし、RED LAND ROSESのバラは、1本1~1、5ユーロ(約100~150円)以上はする。輪の大きさが圧倒的にちがう。茎の長さは70センチ以上で太くてしっかりしている。
昨日見たエディカグループの高級スーパー「ZUR HEIDE」(「高原=(自然?)へ」という意味らしい)といい、ディスカウターの国にも、新しい波が押し寄せている。粗利の小さな商売には、そろそろ限界が来ているのだろうか。
とは言え、カルフールもウォルマートも、しぶちんのドイツ人には、しっぽを巻いて逃げ出していった。つい最近のことである。