「太鼓当番」 これって何だ?と思うでしょうが、、、(笑)

 夏祭りのシーズンである。わが町内会(千葉県白井市八幡町会)も、20年ほど前から七次公園で夏祭りを行っている。都内や千葉県の他地域から移住してきた若い家族が作った町会である。子供が小さいうちは、交通警備や夏休みの巡回などでそれなりの役割を果たしてきた。



 それが、いまやほとんど家からは、子供たちが出てしまっている。家族も夫婦二人がほとんどである。たまに、子供が家に残っている二世帯家族もあるが、それは例外である。となると、こと八幡町会に関しては、夏祭りをやる意味がほとんどなくなっている。
 そもそも、10年に一回だけ町内会の幹事役(4丁目)が回ってくるわたしなどは、夏祭りには10年以上、参加した記憶がない。たぶん、周囲の仲良しだった家族も同じなのだろう。
 ところが、いったん町会を作ってしまうと、そして複数の町内会が連合で「夏祭り」をはじめると、それを中止することができなくなる。「太鼓当番」もそこから生じてきた悲劇である。

 今年は、8月2日に夏祭りがある。そのために、二か月ほど前から、「町内会連合」が夏祭りの準備をはじめている。八幡町会も連合町会のひとつである。7つか8つの町会の連合体なのだが、町会別に役割が割り振られる。わたしたちの町会には、「模擬店」(ホットドッグ、焼きそば)の出店と「太鼓当番」が割り振られていたらしい。
 「ホットドッグ」には、山崎のパンとフランクフルト、野菜などの材料を買いそろえる。ソフトドリンクやビールも買って準備すればよい。飲料を冷やす氷の調達が一苦労なのだが、まあこれは手配の問題だけである。ところが、「太鼓当番」はちょっと事情がちがっている。
 夏祭りのメインイベントは、盆踊りである。踊りをするためには、若い子たちに、やぐらに上って太鼓をたたいてもらう必要がある。やぐらの組み立てにも、ひと騒動あったのだが、それはさておくとして(「水汲み当番」がある!)。ボランティアで編成される「太鼓隊」は、大人と子供の編成で、10~20人のサークルである。

 この太鼓サークルは、2か月ほど前から、駅前の公民館を借りて盆踊りの伴奏の練習をする。そのために、事前に部屋を借りて鍵を管理しなけれならない。この鍵の管理をするのが、「太鼓当番」である。長い間の慣習で、町内会の連合体では、八幡自治会がこの役割を割り振られている。
 町会の幹事役にあたると、夏祭りの「太鼓当番」になる。複数の幹事で分担をするのだが、それでも、太鼓の練習がはじまる6月末から当日(8月2日)まで、順繰りに毎週末がたいへんになる。
 公民館に部屋の予約を入れて、カギを借りて、4時間の練習が終わるまで外で待っているだから、とにかく暑くて退屈なのだ。最後は、音楽練習室の鍵を閉めて、日誌を書いて返却する。

 長々と書いたが、そろそろ言いたいことの結論である。
 昨日、ひさしぶりに、この役回りを務めた。ほんとは、そろそろ、太鼓当番などはやめた方がよいように思った。太鼓サークルがカギを借りて、返却すればよいだけのことなのだ。
 わたしのように時給が高いおやじを、町内会の慣習だからといって、無理やり駆り出すことなどはない。わたしのあとで太鼓当番を務めたのが、元ゼミ生の父親の水野さんだった。夕方7時に引き継いだのだが(わたしは5時からの二時間)、互いに苦笑いの交替だった。
 制度を変えることはたいへんだ。かみさんなどは、こんなことならば(ばかばかしい太鼓当番が当たるくらいならば)「そろそろ町内会を脱会したい」と言い出す始末である。太鼓当番みたいなこと、世の中にはたくさんあるんだけどね(笑い)。