県別の「幸福度ランキング」と人口10万人当たりの「社長輩出率」、びっくりの相関

 県別の「幸福度調査」の結果が発表された。法政大学で同僚の坂本教授が、大学院生(政策創造研究科)と調べたデータである。県別の経済指標や社会調査データを組み合わせて得た結果である。大学院の会議で、元データを眺めていた。「?」という部分も無きにしもあらずではあるが。

 ところが、なんと!昨日、わたしが埼玉県の講演で使用した「人口10万人当たりの社長数」(帝国データバンク調査)と、このデータがかなり相関が高いのである。
 坂本教授による「幸福度第一位」は、福井県である。偶然にも、「社長の輩出率」も福井が一番なのだ。人口10万人当たり1681人(2009年)。最低が埼玉県の426人で、約4倍の開きがある。
 興味深いのは、県別の「幸福度指数」と「社長になれる確率」の相関度合である。両方のデータを紹介してみる。

 まずは、県別幸福度の順位である。

1位・福井、2位・富山、3位・石川、4位・鳥取、5位・佐賀、熊本、7位・長野、8位・島根、9位・三
重、10位・新潟、11位・滋賀、12位・香川、13位・岐阜、14位・山梨、大分、16位・山口、徳島、18
位・広島、19位・山形、静岡、21位・愛知、22位・岩手、長崎、24位・岡山、25位・群馬、26位・栃
木、27位・福島、愛媛、宮崎、30位・茨城、31位・奈良、32位・和歌山、33位・千葉、神奈川、35位
・鹿児島、36位・宮城、37位・秋田、38位・東京、39位・福岡、40位・青森、41位・沖縄、42位・京
都、43位・北海道、44位・埼玉、45位・兵庫、46位・高知、47位・大阪府

 大阪府はお気の毒に、、、埼玉も44位である。そして、今度は、人口10万人当たりの社長数の県別ランキングを示してみる(このデータは、拙著『お客に言えない!「利益」の法則』、35ページから抜粋引用)。

1位・福井(1681人)、2位・山梨(1489人)、3位・富山(1331人)、4位・島根(1320人)、5位・新潟(1319人:以下45位まで人数は省略)、6位・山形、7位・和歌山、8位・佐賀、9位・徳島、10位・高知、11位・石川、12位・宮崎、13位・香川、14位・大分、15位・長野、16位・愛媛、17位・秋田、18位・群馬、19位・長崎、20位・鹿児島、21位・福島、22位・北海道、23位・青森、24位・鳥取、25位・山口、26位・岡山、27位・岐阜、28位・広島、29位・熊本、30位・岩手、31位・静岡、京都、33位・三重、34位・栃木、35位・宮城、36位・滋賀、37位・福岡、38位・東京、茨城、40位・沖縄、41位・奈良、42位・兵庫、43位・愛知、44位・大阪、45位・神奈川(452人)、46位・千葉(444人)、47位・埼玉(426人)

 縦方向に並べ変えてみよう!

 幸福度順位 社長数順位
 1位・福井  福井
 2位・富山  山梨
 3位・石川  富山
 4位・鳥取  島根
 5位・佐賀  新潟
     熊本  山形
 7位・長野  和歌山
 8位・島根  佐賀
 9位・三重  徳島
 10位・新潟   高知
 11位・滋賀  石川  
 12位・香川  宮崎
 13位・岐阜  香川
 14位・山梨  大分
     大分  長野
 16位・山口  愛媛
     徳島  秋田
 18位・広島  群馬
 19位・山形  長崎
     静岡  鹿児島
 21位・愛知  福島
 22位・岩手  北海道
     長崎  青森
 24位・岡山  鳥取
 25位・群馬  山口
 26位・栃木  岡山
 27位・福島  岐阜
     愛媛  広島
     宮崎  熊本
 30位・茨城  岩手
 31位・奈良  静岡
 32位・和歌山 京都
 33位・千葉  三重
     神奈川 栃木
 35位・鹿児島 宮城
 36位・宮城  滋賀
 37位・秋田  福岡
 38位・東京  東京
 39位・福岡  茨城
 40位・青森  沖縄
 41位・沖縄  奈良
 42位・京都  兵庫
 43位・北海道 愛知
 44位・埼玉  大阪府
 45位・兵庫  神奈川
 46位・高知  千葉
 47位・大阪府 埼玉

 上位に来ていてるのは、「日本海に面した県」、下位を占めているのは、「大都市とその近郊県」である。人々の幸福度と社長になれる確率、そして、人口密度や海の幸との相関はあるのだろうか?

 「でも、小川先生。埼玉県には、「プチ金持ち」が多いのですよ」
 昨日、わたしの埼玉での講演を聞きに来ていて、夕方からは浦和ではもっとも有名な老舗うなぎ店の「山崎屋」で、一緒にうなぎと鯉のあらいを食べた、埼玉県在住の植木屋さん、有山さんの感想でした。
 データに簡単に騙されてはいけないです(笑い)。