つぎに4年生の5名です。
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「『無印良品が世界でも勝てる理由』を読んで」橋本 奈波
これはあくまで私の考えですが、無印良品というのは、その名前の通り無地で、シンプルで、ノーブランドなはずなのに、唯一無二の存在感を放っている不思議なブランドだと思います。例えば、有楽町店のような大型店舗を覗いてみると、木製や自然由来のあたたかみのある製品と、金属製やガラス製などの少し無機質に感じさえする製品とが同じ空間にうまく同居しているところや、低価格なイメージも、高価格なイメージもないところなど。こんな風に、とりわけ製品やサービス、価格に無印良品を代表するイメージがあるというわけではないのに、ブランドに愛着を持っている人が多くいる、不思議なブランドなのです。
本書は、そんな無印良品が、商品の良質さだけではなく、コンセプトや出店・経営戦略、人材戦略など多くの要素を、きちんと会社の武器にして世界で戦って行く方法が書かれた内容となっています。これまで、海外展開に挑戦するというのは、日本国内の市場が成熟してしまったので新しい市場を開拓するというような、規模の経済を狙う為に海外進出しているのかと思っていました。ところが、自社のコンセプトに共感してくれるようなローカルマーケットを見つけることで、自社の強みを持ったまま、日本らしさを持ったまま世界で闘えるのだということを知る事が出来ました。
1920年代のアメリカに消費社会が出現してから今で、約1世紀経とうとしています。100年も続いているというのは、やはり消費が、人間の悩みや願望を叶える大きな役割を担っているということだと思います。この消費社会の中で、人々は何回も購入と消費を繰り返し、徐々に「見る目」を養ってきています。
例えば、わたしは少し大雑把で洗濯機でガンガン洗いたいタイプなので、服にビジュー(アクセサリー)が付いていているような物やクリーニングに出したり、丁寧な取り扱いをしないといけないような洋服は向いていません。このような気付きも、1度買って、失敗して得たものです。人によって、求める機能や、優先順位は異なりますが、こういった経験を重ねて行くにつれて消費者はどんどん買い物が上手になって行くのだと思います。
無印良品を選ぶ人達というのは、こういった買い物上手な、見る目のある人たちなのかなと思います。100円均一ショップなどに行けば、「シンプルなデザイン」のものはたくさん置いてあります。しかし、本書にも書いてある通り、「ただ、シンプルなだけで、哲学を感じられない無味乾燥な商品には、関心は抱かれなくなっている」、つまりシンプルだから選ばれているというわけではない様なのです。これは、シンプルイズベストな「ミニマリスト」にも、自らの消費経験を基にした、こだわりがあるということだと思います。これから、国内外問わず生き残っていくには「見る目」を備えた消費者に認めてもらえるようなモノを作らなければならない、ターゲットを広げるのではなく絞ることが鍵だという言葉が印象に残りました。
実は昨年、「ザ・トルゥーコスト~ファストファッション真の代償」というドキュメンタリー映画を観てから、大量消費への罪悪感が芽生えて消費の仕方を見直さなければいけないと感じていました。映画の内容は世界中で流行するファストファッションの裏側で、縫製する人が劣悪な労働環境を強いられているということや、大量生産を起因とする化学物質による健康被害を受けている人がいるなどの現実を映し出した作品となっていて、初めて、自分の消費の仕方が、遠い誰かの不幸を生み出す一端を担っているということを知りました。
衝撃的な内容だったので、消費や社会の仕組みに関してすごく頭を悩ませました。国に、労働者を守るような制度が整っていなければ、労働者はあり得ないくらい安い賃金でも、働かざるを得ません。
わたし1人が、自分の消費を見直したところで、急激に何かが変わるわけでもありません。大量消費社会というのは、消費者だけの問題では無く、生産者も変わらないといけない問題なのだということです。なので、大量消費社会に対するアンチテーゼである無印良品が海外で支持され始めているというのは、消費社会が変わる大きな一歩だと思います。
国内ブランドということで、あまり無印良品のコンセプトを気にしたことが無かったのですが、本書を読んでより一層無印良品に愛着が沸きました。
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「『無印良品が世界でも勝てる理由』を読んで」橋本 美早紀
大学2年生の春休み、フィリピンのセブ島に留学に行ったときのことである。
私はそれまで無印良品が世界に存在することを知らなかったのだが、現地のショッピングモールでは「MUJI」の看板を掲げた無印良品が大きな店舗を構えており、とても賑わっている様子だった。店内に入ってみると、カラフルなビーチサンダルたちが目を引いているくらいで、洗練されたシンプルな世界観は日本と同じだった。
しかし、唯一懸命に覚えていることがある。それは、「値段」だ。フィリピンの物価は日本の3分の1と言われている程でとても安い。だが、セブ島にある無印良品では、日本だと100円で買えるペンが200円以上した。これには驚いた。フィリピン人の平均所得は低く、多くが日々の生活費を切り詰めながら生活しているにも関わらず、「MUJI」は繁盛している様子だった。
私はその時、日本ブランドの価値が海外で受け入れられていることに誇りを持ったとともに、良品計画の海外戦略に興味を持った。
今回の課題図書を通して、当時感じていた疑問が解消され、良品計画の海外戦略を学ぶことができた。
現在私は就職活動中だが、企業選びをする際の指標において共感することや新たに学べることも多く、それを考察とともに記したいと思う。
私の就職活動の軸の一つとして、「グローバル化に力を入れているか」という項目がある。日本は少子高齢化が進み、超高齢化社会が猛スピードで進行している。30年後には3人に1人が高齢者という社会が待ち受けている中で、私たちは日本を背負って働かなければならない。日本の人口がどんどん縮小傾向にあるのに、日本という土俵で戦っていこうとしている企業は必ず成功しないと感じる。
無印良品は24年前からロンドンに海外進出を遂げ、11年間は赤字だったにも関わらず、成功するまでやり抜くという意志を持ってチャレンジし続けている。その姿勢にとても魅力を感じ、読んでいて引き込まれた。
また、「アーリーエントリー」というチャレンジ精神も、良品計画の魅力的な考え方のひとつだ。初めは、他社が手を付けていない時に進出するというのは模範的なビジネスモデルもなく、リスクが大きいのではないかと感じた。
しかし、新興国の国民の生活水準が上がり、その時に買いたいと思っているブランドにならなければならないと書いてあり、機が熟すまでに地域に浸透させることが重要だということを学んだ。そして、私がセブ島で感じていた値段のギャップは、良品計画の「アーリーエントリー」という戦略だと気付くことができた。
今の日本は、大きな転換期を迎えているように思う。これからはさらにグローバルな視点が求められ、世界へと挑戦していく姿勢が大切になっていくと感じる。その時代に生きている私も、これからの未来を切り開いていく若者の一人だ。挑戦を楽しみながら世界へ羽ばたいていける人材として、「成功するまでやり抜く」ことを忘れずに広く活躍していきたい。
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「『無印良品が世界でも勝てる理由』を読んで」川内 美桜里
昨年、オーストラリアのメルボルンでMUJIの店舗を訪れたとき、私は異様な光景を目にしました。店舗の外観や店頭に並べられている商品は、私が日本で目にする無印良品と全く変わりません。ガラス張りで洗礼された雰囲気の店内で、単なるシンプルとはまた違う、本書の言葉を借りると「エンプティ」で何物にも代えることのできない、質の高い商品がしゃんと陳列されていました。
しかし、商品の価格は日本の二倍以上するものがほとんどを占めていて、日本人の感覚ではかなり異常に感じました。しかし、店内をよく観察してみると、オーストラリアの現地の人々だけでなく、メルボルンに観光に訪れているのであろう中国人や韓国人など、多くの人々が商品を手に取り、実際に購入していました。これを見た私は、なぜこんなに高い価格でも無印良品の商品が受け入れられているのかと疑問に感じていました。
本書を読んで、その答えを得ることできたので私なりに考察をまとめます。
まず、オーストラリアでも日本製の商品に対する評価は高い傾向にあるという点です。私は昨年、二か月ほどオーストラリアのアデレードという都市に滞在していましたが、ホストファミリーの家を見渡しただけでも、多くの日本製品を目にすることができました。これは筆者の松井さんも述べていることですが、オーストラリアは物価が高いわりに、日用品の質は粗悪なものが多く、それに比べると日本製の商品は高品質で、価格に見合っているという評価をされているようでした。
オーストラリア滞在中の嬉しいエピソードはもう一つあります。それは語学学校での授業中、「自分の国発祥のナショナルブランドについて」というテーマでディスカッションをした時のことです。私はユニクロを例に挙げて話をしましたが、クラスメイトの一人が「ユニクロはZARAやH&Mなどとイメージが被る。日本にはMUJIがあるじゃないか。」と教えてくれました。「MUJIは海外でも有名なのか」と素直に疑問を口にした私に対して、タイ人のクラスメイトは、筆箱からMUJIのボールペンを取り出してとても嬉しそうに見せてくれました。「タイのMUJIで買ったボールペンを愛用していて、インクが切れてしまったからオーストラリアのMUJIで新しいものを買ったんだ。」という話を聞いた時は、日本製品に対する信頼の強さを実感し、日本人であることを誇りに思いました。
もう一つ、高価であっても日本製品が受け入れられる理由として、日本の美意識や精神性の高さが挙げられます。普段は何気なく利用している無印良品の商品ですが、改めて見てみると本当に細部までこだわり抜かれた質の高い商品であることが分かります。松井さんが述べている通り、同じ「白」でも何種類もの分類がされていて、シンプルな中にも奥行きがあり、一つ一つの商品が洗礼されています。
ここでもオーストラリアのエピソードを挙げます。私はホストファミリーへ日本のお土産を持っていきました。その時に選んだのが無印良品の扇子です。柄の入っていないとてもシンプルなものでしたが華奢な作りと、エアコンを使わなくても涼をとることができるエコな機能性をとても気に入ってもらうことができました。なかでもホストマザーは、読書をするときも片手で扇子を持ち仰いでいたので両手がふさがりとても不便そうでしたが、それほどまでに扇子を気に入って使用してくれました。
このような経験から、扇子や甚平など、日本に昔から存在し、且つ現在も使用されているものには普遍的な良さがあり、これは海外でも広く受け入れられるものなのではないかと思います。伝統的な製品に過度にアレンジを加えてそのもの本来の良さを失ってしまった商品も多く見かけますが、無印良品の商品はそのようなことはありません。禅や茶道といったものに代表される日本の美意識や精神性の高さを根幹に、しっかりとしたコンセプトを持ち、そのコンセプトをもとに生み出した商品なら、海外でも共感を生むことができるでしょう。そのような「日本の良さ」を輸出していくことで、ビジネスチャンスを拡大していくことができると考えます。
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「『無印良品が世界でも勝てる理由』を読んで」村山 尚之
前回読んだ「無印良品は仕組みが9割」では、主に国内での戦略について書かれていたが、今回の「無印良品が、世界でも勝てる理由」では海外での戦略について取り扱っている。過去の失敗の歴史、他社との比較から分析し、無印良品(MUJI)の独自の海外展開の手法を見ていくにあたり、様々な考え方や戦略を学ぶことができた。しかし、結局のところ、全体を通して言っているのは「王道には近道がない」ということだと私は思う。失敗を繰り返し、そこから多くを学ぶことで次に活かすことができる。そして、基本をしっかりと固め、独自のパターンを見つけ、「仕組み」を作ることが重要なのである。
本書では、第2章において海外で勝つ7つの手法について述べられている。その中で、私が考えを改めさせられた3つの方法について述べていきたいと思う。
一つ目は、「郷に入っては郷に従え」というものだ。ここで印象に残っているのは「世界にグローバルマーケットはない。あるのはローカルマーケットだけだ。」という言葉だ。近年、グローバル化という単語を耳にすることが多く、私自身も世界的な視点というものを意識してきた。しかし、共通したビジネスを世界で行うのではなく、それぞれの国にマッチさせたビジネスを行うことが大切であり、そのような企業こそがグローバル企業になれることを改めて認識した。人、文化、商品、流通など様々な要因を土地に合わせる柔軟な対応こそが求められているのである。今まで私は、その土地の言語を話すことができることが大切であると考えていたが、そうではなかった。その土地の文化を知り、そこに合わせることの方が大切であり、言語は後からでも学ぶことができる。
二つ目は、「グローバル化の三条件を確立させる」。グローバル化の条件として。本書で挙げられているのは①ブランド②ビジネスモデル③オペレーション力の三つだ。特に、ブランド力の大切さは改めて実感させられた。ブランド=信用であり、これなしに成功するのは難しいことで、日本で無名のブランドが海外で成功した例がほとんど無いというのは驚きだった。自分自身でも調べてみたが、確かに海外で人気のある日本ブランドはどれも国内でも有名なものばかりであった。近年、日本の文化は海外の方に人気であり、注目されている。その中で、無印良品は「禅」や「茶道」と言った日本の文化に通じていて、無駄なものを省くシンプルなものが多い。このように自社のブランドと、文化の一致というのは上手くハマれば多くをもたらしてくれるのだと思う。ただ文化に寄りすぎて、ブランドのイメージを崩してしまったら意味がない。国内でも海外でもブランドの軸はしっかりと持っておく必要があるのだと考える。
そして最後は、「海外に向いている社員の選び方」についてです。ここでは「そもそもグローバル社員はいない」という考えが印象に残っています。私は、社会人になったら海外で働きたいと思っています。多種多様な文化や人に触れ、自分自身の成長に繋げていきたいと考え、そのために語学や海外での生活をした経験を生かしていきたいと考えていた。
しかし、松井さんによると語学や留学などの経験は“グローバル社員”の条件ではなく、海外勤務は仕事の能力よりも人間力が大切だとある。後の章で説明があるが、海外で活躍できる人には8つの条件が必要で、イノベーターであること、実行力、徹底力、先見性等が書かれていました。
実際、私も就職活動を通して人間力の大切さを実感しています。仕事の能力があったとしても、それを企業の人には自分の口から伝えなければなりません。そこで、コミュニケーションができなければ能力に価値などないように思えます。それは、他国でも共通であり、初めての土地や文化に触れて壁に当たるのではなく、現地の人と話すことで情報を取得し、その国での生き方を学ぶ必要がある。
今回で松井さんの著書は二冊目だが、どちらも考えさせられるものだった。自分にはない考え方を持っていて、しっかりと根拠がある。これは、松井さんだけではなく、他の経営者の著書にも言える事だ。
全員が違う考えを持っていて、それぞれがそれぞれの手法で成功している。ビジネスには正解などなく、成功するも失敗するも、続けるも諦めるも自分次第なのである。就職活動を通して、様々な企業の方の話を聞いて、最近は自分で起業するのも面白いと考えているが、まだ難しいそうである。世の中には自分の知らないことはまだ多くあり、学ぶべきことは沢山ある。本書は、こんな単純な考えに立ち戻らせてくれる一冊であった。
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「無印良品が世界でも勝てる理由」太田 達也
本書では、海外事業に一度失敗した際に、良品計画の会長となった著者が、どうやって良品計画の世界展開を成功させたかについて書かれている。その理由として、著者は大きく二つの文脈で説明している。
一つは、「ブランド哲学」という視点だ。世界で「MUJI」として展開しているブランドですが、常に「“これがいい”ではなくて“これでいい”」という企業コンセプトを訴え続けることで、大変保守的な欧州市場でも認められつつあることが述べられている。
「シンプルがベスト」で、スティーブ・ジョブズの伝記を読んだことを思い出した。その中で、特に印象に残っていることが、ジョブズが、アップルの基本理念を「フォーカスとシンプルさ」と定義し、「シンプルであることは、複雑であるより難しい」と語っていて、これは禅の教えがルーツだということだ。ジョブズの徹底したミニマリスト志向も、世界を変えた「iPhone」や「iPad」などの機能やデザインも、禅の理念を感じさせるものだ。
無印良品の商品開発の仕方が、人の生活を観察して、その人のライフスタイルを意識して商品開発しているそうだが、無印良品はそれを商品として、体現しているし、それをコンセプトとしている。それは、とても重要な考え方だと思う。なぜなら、アップルは、MacがWindowsよりも性能は劣っていながらも、シンプルを追及し、ライフスタイルを提案するCMを放送して、成功したことからも明らかだ。
そのような「理念=ブランド=信用」形成し成功するためには、オリジナリティが重要だとしている。
二つ目には、ローカライズという視点だ。法律も価値観も違う海外で成功するには、徹底したローカライズと実行力が必要だとしている。経済成長の違いによって出店計画は調整すべきであり、もちろん国によって売れ筋商品も違う。現地の従業員の商習慣が日本と違えば、サービスの質も違ってきてしまう。
先生もよく仰っているが、ローカライズは、国内でも今重要視されている。なので、海外ともなれば余計に、それに合わせないといけないのを痛感した。
大学2年次に、フィリピンに短期留学したのだが、本書でも述べている通り、セブンイレブンが、慎重に海外展開しているのを感じた。なぜなら、セブンイレブンに売っているものが、まったく違ったので、その地域に合わせているのだろう。世界に”グローバル・マーケット“は、ないと本書の表紙にも書かれている通り、常に考えなければならないのだろう。
本書では、こうした様々な国での違いに対応しながらも、自社の強みである「高い品質と優れたデザイン」を活かすために良品計画が実際にしている具体的な手法の数々が述べられていた。
本書と「無印良品は、仕組みが9割」という、前回の読書感想文と合わせて読むことで、良品計画の考え方の理解が一層深まった。
最後に、海外展開をする際に、様々な障害があることが分かった。しかし、それを乗り越えるために失敗を繰り返して成功した考え方は、人生すべてにおいて生かせるものではないか。エジソンの名言にもあるように、「失敗ではない。上手くいかない一万通りの方法を発見したのだ。」を心に留めながらも、生活していきたい。私事ですが、この考え方を念頭に置きながら、就職活動を乗り越えていきたいと思う。
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