タイのバンコクからです。いまは朝の5時半、学生たち8人といっしょに空港に向かっています。
タイ・ファミリーマートの海外フィールドワークが無事終わりました。タイ人アテンドのアヌンサクさんから、Aチームの二人(石井、塩田)が風邪を移されたのを除けば、みなさん腹を壊すこともなく、いま無事帰国の途に付いています。
なかなか実りが多い5日間でした。競合店(7_11)前でのアンケートにはやや苦戦しました。が、ファミリーマート前では、ほぼ70~80%の買い物客が学生調査員に協力してくれました。調査中の印象を簡単にまとめておくことにします。(アシスタントの)内藤への携帯メール経由なので、ごくシンプルにします。タイは、インターネット接続料金が高いです。
1 タイの消費者
コンビニの利用頻度は日本とほぼ同じ。毎日ないしは週3~4回が若者を中心にけっこう多い。住宅街では家族連れや会社員OLなども常連客になっている。毎日の生活に浸透してはいる。ただし、概ね利用のされ方は、飲み物とパン・お菓子などの2点買い。
2 滞在時間
学生たちの観察データによれば、店内滞在時間は3分。目的買いなので、2分間で商品を探して、1分間レジ待ちになる。立ち読みなど、店内でぶらぶらすることがない。買上げ点数(2~3点)客単価(40~50バーツ、約120~150円)が低い理由の一つである。
3顧客サービス
セブンイレブン(3500店)、ファミリーマート(550店)ともに接客対応に問題が多い。基本は、教育訓練の問題である。セブンイレブンはまだやや優れている。
携帯カード、ネット接続カードが普及を始めている。ATMマシーンがほぼ全店に普及をして、サービス提供は発展途上にある。コンビニの社会的な役割に大変革が起こる可能性が感じられる。
4 商圏
日本より狭い。住まいあるいは職場が200~300メートル以内が90%。歩いて来るかバイク利用。自宅では調理する台所がない(タイファミマの高杉CEO)。暑いので冷えた飲料を買いに来る。食べ物は屋台などで買う。ファーストフードの利用はまだまだだが、将来性がある(とわたしは思った)。ファミリーマートでは、おでんが売れていた。
5 オペレーション
ファミリーマートに関しては、10店舗を除いてあとは直営(セブンイレブンはFCが80%、直営比率が低い)。従業員は、社員が6に対してパートタイムが4の割合。店長が20代半ばですごく若い。初任給が7000バーツ(月)、店長で1万バーツ。24時間営業で3シフト体制。ひとりの労働時間が長い。
正社員として入社すると2週間の訓練期間あり。パートタイマーは十分なOJTを受けていない。現行の仕事量に比して社員が多過ぎる印象あり。日本のバイトのようには、ワーカーが多能工になっていない。しばしば混雑時にレジ待ちが発生する理由。セブンイレブンはまだ対応ができている方。正社員は給与を上げてあげて、パートは給与を上げるとともに訓練時間を増やすべきか?学生バイトがないのが不思議。
6 商品開発
セブンイレブンはタイの財閥グループ(CP)と組んでいるので、加工食品のMDで優位にあると見られる。店頭のSKUで約倍のアイテムをかかえている。飲料とスナック類で確認ずみ。
開発力に差があるためか、店頭商品管理(カラーコントロール)に差があるためかはわからないが、陳列されている商品の魅力(セブンイレブンの方が詰め込まれている)に差があるように感じられる。
ただし、店内の清潔度には大差はない。むしろファミリーマートが綺麗なくらい。商品回転の違いからか?日販が倍違う。一部はTVコマーシャルによる認知率の差。